屋根の漆喰とは?

屋根のことは、一般の方にはなかなか分からないものです。

定期的にメンテナンスしておかないと、屋根材の一部が地面に落ちてようやく劣化が発覚……といったケースが大半でしょう。

特に「漆喰」が劣化している屋根は少なくありません。

漆喰の特徴や補修方法などを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

屋根の漆喰

屋根の漆喰とは

漆喰とは、棟とのすき間を埋めている材料のことです。

瓦屋根の一番上には棟があります。その台土を守るために塗り込んでおり、外見的には少し白くなっているのが特徴です。

漆喰の歴史は5000年以上前にもさかのぼります。家屋はもちろん有名な建築物(お城など)にも使用されていて、日本古来の伝統技法が今でも受け継がれていることがわかります。

瓦に使われる材料ではありますが、耐用年数は瓦よりも短めです。

一般的に瓦の耐用年数は50~60年ですが、漆喰は20年前後で寿命が来るとされています。

その理由は、漆喰の主成分。漆喰には消石灰が使われているため、経年劣化はもちろん、天候や気温の影響も受けやすいのです。

漆喰にダメージが起こると、断面が剥がれたようにギザギザになり、白くむき出しになります。しかし下から見上げたところで分かりにくいので、気づいたときには棟全体にダメージが広がっていることも……。

漆喰が劣化すると、主に5つの症状が出てきます。それぞれ家屋の安全につながるので、手遅れにならないよう定期的にメンテナンスしてください。

屋根の漆喰が劣化すると起こる、主な症状5つ

ダメージを受けた漆喰は、大きく5つの症状を引き起こします。

「ヒビ」「欠け」「瓦がずれる」「台土の流出」「雨漏り」について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ヒビ

漆喰が劣化すると、その部分にヒビが入ります。

そのままにしているとヒビが進行するうえ、地震の影響で急激に悪化しかねないのでご注意ください。

欠け

ヒビ割れがさらに進行すると、漆喰の一部が欠けるようになります。

地面に落ちた破片で気が付くこともありますが、細かな破片だと風で飛ばされてしまうことも……。

欠けた部分からは、雨水が中に入り込みます。ヒビはもちろんですが欠けに気づいたら早めに業者へ相談しましょう。

瓦がずれる

漆喰が劣化すると、瓦がずれてくることがあります。漆喰にはすき間を埋める役割があるため、少しでもすき間があくと致命的です。雨が降ると棟の中に侵入して、赤土を濡らして風化。これを繰り返すたびに瓦への接着力が弱まるので、さらに瓦がずれる……という悪循環に。

ずれた瓦に強風が直撃すると思わぬ事態を引き起こしかねません。住人の方は気づきにくいため、メンテナンスで発覚したり誰かに指摘されて気づいたり……というケースがほとんどでしょう。

台土の流出

棟部分にある台土は、住宅でいう基礎に相当します。

屋根を安全で機能的な状態に保つための“キモ”なので、台土の流出は非常事態といえるでしょう。

瓦屋根には35~60年程度の耐久性がありますが、台土の耐久性は20年程度。そのため、20年を目安に補修したり塗り込んだりなどメンテナンスをしてもらいましょう。

漆喰をしっかり補修していれば、屋根材の、そして住宅の寿命も変わってきますよ。

雨漏り

漆喰が引き起こす劣化の中でも、もっとも厄介なのが雨漏りです。

劣化によって棟との間にすき間があくと、そこから雨水が侵入します。放置していると雨水がどんどんまわっていき、瓦の裏や防水シートまで水浸しに。防止シートまでダメージを受けると室内に雨漏りしてくるので、漆喰はもちろん、屋根材や下地、天井の壁紙などあらゆる箇所を修理・補修しなければならなくなり、かなり大掛かりな工事になります。

漆喰の補修方法2つ

漆喰の補修をご自身で試みるのは大変危険です。

屋根から落下しては命に関わりますし、塗る厚さが薄すぎたり厚すぎたりしても、剥がれの原因になります。

漆喰の不具合を発見したら、必ず業者に任せましょう。

漆喰の補修方法は、主に2つです。

詰め直し:漆喰のひび割れや欠けは、詰め直しで補修できます。まずは劣化した漆喰を剥がして、スプレーで内側の葺き土を湿らせます。その上に新しい漆喰を塗れば、補修完了です

積み直し:別名「取り直し」とも呼ばれる工事です。瓦がずれている場合、積み直しで対応します。まずは劣化した漆喰を剥がして、葺き土や漆喰部分を撤去します。新しい材料を詰めた後に漆喰ですき間を埋めたら、瓦を再度積んで完成です。

漆喰の工事を依頼する業者の選び方

屋根は一般の方には分かりにくい部分ですから、「きちんと」「正確に」工事してくれる業者を選びたいもの。

漆喰の工事業者を選ぶときには、以下のポイントを意識しましょう。

優良な業者を見極めて、漆喰の工事が終わっても、末永く良好な関係を築けると良いですね。

漆喰工事の実績が豊富な業者

「屋根修理を扱っています」という業者は数多くありますが、目的の部分の工事経験はどうでしょうか。

業者によっては、「屋根のリフォームの経験はあるけれど、漆喰の補修はしたことがない」「瓦屋根を扱った経験は少ない」などということもあり得ます。

漆喰は、薄く塗りすぎても厚く塗りすぎても剥がれる原因になります。熟練の技術と経験が必要なので、実績についてあやふやに表記する業者は避けたほうが賢明でしょう。

工事の様子を写真で見せてくれる業者

屋根の上の部分は、一般の方には見えにくいもの。

「無事に補修完了しました」と言われても、実際は手抜き工事……という可能性はゼロではないでしょう。

工事前・工事中・工事後というように、写真を複数枚納めて見せてくれるような業者だと安心です。「簡単な工事なので写真を撮る必要はありませんよ」など、理由をつけて撮影を拒否するような業者にはご注意ください。

アフターサポートがしっかりしている業者

漆喰をきちんと施工してくれても、年月の経過と共にどうしても劣化してくるものです。

直射日光や自然災害などの影響で、工事から数年で劣化というケースは珍しくありません。そのような時に保証があれば、負担なく補修してもらえます。

どのような内容を、いつまで保証してもらえるのか、業者へ念入りに確認しておきましょう。

担当者の対応が良い業者

工事業者を決めるにあたり、担当者との相性も大切です。

いくらリーズナブルでも、担当者の対応が雑だったり感じが悪かったりしたら、大事な屋根を任せたくはないですよね。

漆喰の工事はもちろんですが、その後もメンテナンスやリフォームなど屋根について悩むこともあるでしょう。そのようなときに、対応が良い相手だと相談もしやすいものです。

担当者はいわば会社の“顔”ですから、相性の良い担当者と長く良い関係を築いていきましょう。

まとめ

屋根の漆喰とは、棟とのすき間を埋めている材料のことです。コーキングをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。

漆喰は瓦よりも耐用年数が短いので、定期的なメンテナンスが欠かせません。劣化すると、ひび割れや欠け、雨漏りなどにつながるのでご注意ください。

屋根修理の匠は、漆喰の補修に豊富な実績を持っています。熟練の職人が、屋根の状態を丁寧に点検しながら補修するので、どうぞ安心してご依頼ください。

漆喰は、住宅でいう基礎に相当します。屋根の要になる部分だからこそ、いつでも万全の状態を保ちましょう。

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