塗装不可の屋根材「セキスイかわらU」とは?メンテナンス方法もご紹介

かわらU

かつて多くの住宅で採用されたセキスイかわらU。しかし近年、塗装ができないことが知られており、メンテナンス方法に悩む方も少なくありません。また一部のセキスイかわらUには、人体に有害なアスベストがアスベストが含まれているため、一般的な屋根材とは異なるメンテナンス方法が必要です。

そこで今回では、塗装不可であるセキスイかわらUの特徴やメンテナンス方法について解説します。セキスイかわらUの適切なメンテナンス方法を知って、住まいの大切な屋根を守りましょう。

セキスイかわらUとは?

セキスイかわらUは、かつて日本の住宅屋根を支えたセメント瓦です。1975年から2009年までの34年間、積水化学工業株式会社によって販売され、その軽量性と耐久性から多くの住宅で採用されました。

セキスイかわらUが販売された当時は、高度経済成長期を経て住宅建設が活発化していた時代です。そんななかセキスイかわらUは、従来の粘土瓦よりも軽量で施工が容易なため、効率的な住宅建設に貢献しました。また耐久性にも優れており、台風や強風などの悪天候にも耐えられることから、安心・安全な屋根材として人気を集めました。

このようにセキスイかわらUは、軽量で耐久性が高くデザイン性にも優れた屋根材として、日本の住宅建設に大きく貢献しました。現在も、築30年以上の住宅で多く見られるセメント瓦であり、その存在感は依然として大きいと言えるでしょう。

セキスイかわらUの特徴

セキスイかわらUは、かつて多くの住宅で採用されたセメント瓦です。軽量で耐久性が高く、デザイン性にも優れたセキスイかわらUは、日本の住宅建設に大きく貢献しました。ここではそんなセキスイかわらUの特徴について解説します。セキスイかわらUの特徴は、以下のとおりです。

  • 軽量で耐震性に優れている
  • 耐久性が高い
  • 防火性が高い
  • デザイン性が高い

それでは、ひとつずつ簡単に見ていきましょう。

【特徴1】軽量で耐震性に優れている

セキスイかわらUは、従来の粘土瓦の約1/3の重量です。これは、屋根にかかる負担を軽減し、地震や台風などの災害に対する安全性を高めることを意味します。軽量化は、施工時の負担軽減にもつながり、住宅建設の効率化にも貢献しました。

【特徴2】耐久性が高い

セキスイかわらUは、セメントと繊維を主原料としており、高い耐久性を誇ります。台風や強風などの悪天候にも耐えることができ、長持ちする屋根材として評価されています。また、紫外線による劣化にも強く、屋根材の色あせや変色も起こりにくいのが特徴です。

【特徴3】防火性が高い

セキスイかわらUは、火に強く火災の延焼を防ぐ効果があります。また不燃材料に分類されており、火災発生時の安全性向上にも貢献します。このような防火性により、住宅のみならず多くの公共施設にも採用されました。

【特徴4】デザイン性が高い

セキスイかわらUには、和瓦や洋瓦などさまざまなデザインのバリエーションがあります。そのため、住宅の外観や好みに合った最適なデザインを選ぶことができます。さらに表面に施されたエンボス加工により、屋根に高級感を演出します。

また、セキスイかわらUには赤、茶、黒など豊富なカラーバリエーションがあります。そのため建物の雰囲気に合わせて、好みの色を選択することができます。

セキスイかわらUが塗装不可の理由

セキスイかわらUは、かつて多くの住宅で採用されたセメント瓦です。しかし、近年では塗装ができないことが知られており、メンテナンス方法に悩む方も少なくありません。そこでここでは、セキスイかわらUが塗装不可の理由について、3つのポイントに分けてくわしく解説します。セキスイかわらUが塗装不可の理由は、以下のとおりです。

  • 塗装が剥がれやすい
  • 屋根材が割れやすい
  • 屋根材が落下するおそれがある

それでは順番に見ていきましょう。

【理由1】塗装が剥がれやすい

セキスイかわらUは、経年劣化によって表面の塗膜が剥がれやすくなっています。そのため塗装をしてもすぐに剥がれてしまう可能性が高く、塗装は推奨されていません。

原因

  • 軽量化のために薄く作られているため、塗膜が剥がれやすい
  • 表面がエンボス加工されているため、塗膜が密着しにくい
  • 経年劣化によって、表面の塗膜が劣化し、剥がれやすくなる

対策

  • 定期的な点検と清掃を行う
  • 塗装ではなく屋根の葺き替えを検討する
  • どうしても塗装したい場合は、専門業者に相談する

【理由2】屋根材が割れやすい

セキスイかわらUは、衝撃に弱く割れやすいという特徴があります。そのため、塗装時の高圧洗浄で屋根材が割れてしまう可能性があります。

原因

  • セメントと繊維を主原料としているため、衝撃に弱い
  • 経年劣化によって、屋根材がもろくなる

対策

  • 高圧洗浄は避け、手洗いなどで清掃を行う
  • 割れた屋根材は、早めに交換する

【理由3】屋根材が落下するおそれがある

セキスイかわらUは、経年劣化などで割れたり剥がれたりした屋根材が落下するおそれがあります。落下した屋根材は人に当たったり、車や建物を傷つけたりすることも考えられます。

原因

  • 軽量なため、風で飛ばされやすい
  • 経年劣化によって、屋根材の固定部分が弱くなる

対策

  • 定期的に点検を行い、落下のおそれのある屋根材を交換する
  • 飛散防止ネットなどを設置する

セキスイかわらUのメンテナンス方法

かわらU

セキスイかわらUは塗装ができないため、一般的な屋根材とは異なるメンテナンス方法が必要です。そこでここでは、セキスイかわらUのメンテナンス方法について解説します。セキスイかわらUの代表的なメンテナンス方法は、以下のとおりです。

  • 定期的な点検
  • 洗浄
  • 屋根の葺き替え

ひとつずつ解説します。

【方法1】定期的な点検

セキスイかわらUの劣化状況を把握するためには、定期的な点検が欠かせません。定期的な点検によって早期に劣化を発見できれば、メンテナンス費用の抑制につながります。また雨漏りなどの被害も予防できるでしょう。

せきすいかわらUを点検する際は、以下の点に注目しましょう。

  • 屋根材の割れや欠け
  • ひび割れ
  • コケやカビの発生
  • 雨漏りの有無
  • 棟板金や谷板金の状態
  • 固定ビスの緩み

なお、点検は年に1〜2回程度、専門業者に依頼するのがおすすめです。

【方法2】洗浄

屋根にたまった汚れは雨漏りの原因となるため、定期的に清掃が必要です。また、清掃は高圧洗浄機ではなく手洗いによって行います。なお、屋根の洗浄は転落などの大けがにつながるおそれがあるため、かならず専門業者に依頼しましょう。

具体的な洗浄の流れは、以下のとおりです。

  • 柔らかいブラシを使って、汚れを落とす
  • 水で洗い流す
  • 洗浄後は、しっかりと乾燥させる

なお、清掃の頻度は半年に一度程度が目安です。しかし汚れが目立ってきた際には、必要に応じて清掃をおすすめします。

【方法3】屋根の葺き替え

塗装不可のセキスイかわらUは、経年劣化によってはどこかタイミングで葺き替えが必要になります。屋根の葺き替えは、屋根材を新しいものに交換する工事です。

なお、屋根の葺き替えを検討するタイミングは、以下のとおりです。

  • 屋根材の割れや欠けが見られる
  • 大きなひび割れがある
  • 雨漏りが発生している
  • 表面にコケやカビが目立つ
  • 美観が損なわれている

また、屋根を葺き替える際には下地の劣化状況も必ず点検し、必要に応じてメンテナンスを検討しましょう。

セキスイかわらUをメンテナンスする際の注意点

セキスイかわらUは、かつて多くの住宅で採用されたセメント瓦です。しかし近年では、アスベスト含有の可能性や塗装の剥がれやすさなど、いくつかの問題点が指摘されているため、メンテナンスの際には注意が必要です。そこでここでは、セキスイかわらUをメンテナンスする際の注意点について解説します。セキスイかわらUをメンテナンスする際の注意点は、以下のとおりです。

  • 事前にアスベスト含有の有無を確認する
  • 屋根葺き替えの際には、新規屋根材の重量を確認する
  • 見積は複数の業者から取得する

これらの注意点は、かならず頭に入れておきましょう。

【注意点1】事前にアスベスト含有の有無を確認する

1975年から2005年にかけて製造された一部のセキスイかわらUには、アスベストが含まれています。アスベストは人体に有害なため、取り扱いには注意が必要です。

万が一アスベストの含有が確認された場合は、屋根材の撤去や修繕は専門業者に依頼しましょう。また、工事の際にアスベストの粉塵を吸い込まないように注意しなければなりません。

なお、アスベスト含有の確認方法は、以下のとおりです。

  • 製造年を確認する
  • 専門業者に調査を依頼する

また、アスベストが含まれている場合はアスベストの処理に費用がかかるため、メンテナンスコストが高くなることも覚えておきましょう。

【注意点2】屋根葺き替えの際は、新規屋根材の重量を確認する

セキスイかわらUは、従来の粘土瓦よりも軽量です。そのため、屋根を葺き替える際は、あらかじめ新規屋根材の重量を確認し、建物の耐荷重を超えないようにしなければなりません。

万が一建物の耐荷重を超えてしまうと、建物の構造に影響を与えるおそれがあります。地震などの災害時に、建物が倒壊する危険性が高まることを覚えておきましょう。

既存のせきすいかわらUと新規屋根材の重量を確認する方法は、以下のとおりです。

  • 建築士や専門業者に相談する
  • 屋根材メーカーに問い合わせる

それぞれの重量を確認できたら、次は専門業者に構造計算を依頼しましょう。

【注意点3】見積は複数の業者から取得する

セキスイかわらUのメンテナンス費用は、業者によって大きく異なる傾向があります。そのためセキスイかわらUのメンテナンスを検討する際には、複数の業者から見積を取得し比較検討することがポイントになります。

複数の業者から見積を取得することによって、適正価格で施工可能な業者を選定できます。またそれぞれの業者のサービス内容や保証内容なども確認できるというメリットがあります。

なお、見積の内容に不明点がある場合は、遠慮せず積極的に質問するようにしましょう。

セキスイかわらUにおけるアスベスト含有の見分け方

セキスイかわらUは、1975年から2005年に製造されたものの一部にアスベストが含まれています。アスベストは有害で取り扱いに注意が必要なため、あらかじめ建物の屋根にアスベストが含まれているかを確認する必要があります。そこでここでは、セキスイかわらUにおけるアスベスト含有の見分け方を解説します。セキスイかわらUにおけるアスベスト含有の見分け方は、以下のとおりです。

  • 屋根表面の網目模様
  • 屋根表面の劣化状況
  • 棟の固定金具
  • 棟包みの寸法
  • 袖瓦の寸法

なお、これらの方法はあくまでも目安であり、確実にアスベスト含有の有無を判断することはできません。アスベスト含有の疑いがある場合は、専門業者に調査を依頼することをおすすめします。

【見分け方1】屋根表面の網目模様

1994年以降に製造されたアスベストフリーのセキスイかわらUには、屋根表面に網目模様が施されています。そのため、網目模様が施されている場合は、アスベストフリーの可能性が高いと言えます。

【見分け方2】屋根表面の劣化状況

アスベストが含まれているセキスイかわらUは、経年劣化によって割れや欠けが発生しやすくなります。そのため、屋根表面に割れや欠けが多く見られる場合は、アスベストが含有されている可能性が高いと考えられます。

【見分け方3】棟の固定金具

1994年以降に製造されたアスベストフリーのセキスイかわらUには、棟の固定金具が使用されています。そのため、棟の固定金具が使用されている場合は、アスベストフリーである可能性が高いと言えます。

【見分け方4】棟包みの寸法

1994年以降に製造されたアスベストフリーのセキスイかわらUの棟包みの寸法は、100mmです。そのため、棟包みの寸法が100mmの場合は、アスベストフリーである可能性が高いと言えます。

【見分け方5】袖瓦の寸法

棟包みと同様に1994年以降に製造されたアスベストフリーのセキスイかわらUの袖瓦の寸法は、100mmです。そのため袖瓦の寸法が100mmの場合は、アスベストフリーである可能性が高いと言えます。

セキスイかわらUにおける屋根葺き替えの費用相場

コスト

塗装不可であるセキスイかわらUのメンテナンスは、屋根の葺き替えがメインとなります。しかし屋根の葺き替えは高額なため、あらかじめ費用の相場を確認することが必要です。そこでここでは、セキスイかわらUにおける屋根葺き替えの費用相場について、以下の3つを解説します。

  • 費用相場
  • 費用が変動する要因
  • セキスイかわらUにおける屋根葺き替えの例

それでは、順番に見ていきましょう。

費用相場

セキスイかわらUにおける屋根葺き替えの費用相場は、坪単価8万円〜20万円が目安です。たとえば30坪の屋根であれば、以下のような費用相場になります。

  • ガルバリウム鋼板で葺き替える場合:約150万円~300万円
  • 粘土瓦で葺き替える場合:約200万円~400万円

費用が変動する要因

セキスイかわらUにおける屋根葺き替えの費用相場は、以下のような要因によって変動することがあります。

  • 屋根の大きさ:屋根が大きければ大きいほど高額になります
  • 新規屋根材の種類:新規屋根材の種類やグレードなどによって費用は大きく異なります
  • 施工業者:施工業者によって施工費用やアスベストの処分費などが異なります
  • 付帯工事:屋根葺き替えのほかに塗装などの付帯工事を行う場合は、その分の費用が加算されます

これらのなかでもアスベスト処分費は業者によって大きく異なるため、リフォーム予算を計画する上で注意が必要です。

セキスイかわらUをメンテナンスする際の業者選びのポイント

ポイント

これまで見てきたように、セキスイかわらUは人体に影響を与えるアスベストを含んでいるおそれがあります。そのためセキスイかわらUをメンテナンスする際には、信頼できる業者選びが欠かせません。そこでここでは、セキスイかわらUをメンテナンスする際の業者選びのポイントについて解説します。セキスイかわらUをメンテナンスする際の業者選びのポイントは、以下のとおりです。

  • セキスイかわらUに関する知識が豊富
  • セキスイかわらUのメンテナンス経験が豊富
  • アスベストの処分費が適正価格
  • ユーザーの評判が高い

ひとつずつ簡単に解説します。

【ポイント1】セキスイかわらUに関する知識が豊富

セキスイかわらUは一般的な屋根材とは異なる特性を持つため、メンテナンスには専門的な知識が必要です。そのため業者を選ぶ際には、セキスイかわらUに関する知識が豊富かどうかを確認しましょう。

なお、業者選びにおいてセキスイかわらUに関する知識を確認する方法は以下のとおりです。

  • ホームページやパンフレットなどで、セキスイかわらUに関する情報発信をしているかについて確認する
  • 実際に業者に問い合わせて、セキスイかわらUに関する知識を確認する

これらのほかに、実際に工事をしたユーザーの声に耳を傾けるのもいいでしょう。

【ポイント2】セキスイかわらUのメンテナンス経験が豊富

セキスイかわらUのメンテナンスは、一般的な屋根材と異なり危険が伴う可能性があります。そのため業者を選ぶ際には、セキスイかわらUのメンテナンス経験が豊富かどうかを確認しましょう。

なお、業者選びにおいてセキスイかわらUのメンテナンス経験を確認する方法は以下のとおりです。

  • ホームページなどで、これまでの施工実績を確認する
  • 実際に業者に問い合わせて、セキスイかわらUのメンテナンス経験を確認する

打ち合わせの際には、実際の施工写真などを見せてもらうと安心できるでしょう。

【ポイント3】アスベストの処分費が適正価格

セキスイかわらUの一部には、アスベストが含まれています。アスベストの処分費は業者によって大きく異なるため、見積に記載されてたアスベストの処分費が適正価格であるかどうかを確認しましょう。

なお、業者選びにおいてアスベスト処分費が適正価格かどうかを確認するには、複数業者から見積を取得するのがおすすめです。

【ポイント4】ユーザーの評判が高い

業者を選ぶ際には、ユーザーの評価も参考になります。インターネット上の口コミや評判などを参考に、ユーザーの評価が高い業者を選びましょう。

また、セキスイかわらUをメンテナンスした経験のある友人や知り合いなどに、実際に依頼した業者の評判を聞いてみるのも参考になるでしょう。

【まとめ】セキスイかわらUのメンテナンスは全国で探そう

今回は、塗装不可であるセキスイかわらUの特徴やメンテナンス方法について解説しました。

セキスイかわらUは、かつて日本の住宅屋根を支えたセメント瓦です。その軽量性と耐久性から長年に渡り多くの住宅で採用されましたが、一部の商品に人体に有害なアスベストが含まれていることから、一般的な屋根材とは異なるメンテナンス方法が必要です。

このような特徴からメンテナンスを検討する際は、セキスイかわらUの豊富な知識や施工経験を持つ業者選びがポイントになります。しかし残念ながら、これらの条件を満たす屋根業者が近所にいるとは限りません。

そこでおすすめしたいのが、屋根修理の優良業者が簡単に見つかるサイト「屋根修理の匠」です。

屋根修理の匠なら、各都道府県における屋根修理の専門業者を紹介しているので、セキスイかわらUのメンテナンスを安心して依頼できる業者がすぐに見つかります。セキスイかわらUのメンテナンスを検討する際は、ぜひ一度屋根修理の匠をチェックしてくださいね。

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