新築の屋根工事単価について徹底解説!

新築の家を建てる際に、必ず必要な工程が屋根工事です。

陸屋根以外の場合は基本的に勾配を付けて屋根材を葺いていきます。

屋根には様々な種類がありますが、昨今よく選ばれる屋根材は瓦屋根とガルバリウム鋼板です。

その二つを中心に、特徴や単価などを解説します。

新築の屋根工事の単価

瓦屋根の特徴

瓦屋根は、粘土を必要な形に成形した上で、瓦窯で焼いた屋根材です。元々日本では檜皮と呼ばれるヒノキの樹皮などを重ねて屋根に葺いた茅葺き屋根が多かったのですが、6世紀から7世紀ごろ、中国から朝鮮半島を経由して瓦屋根が伝わり、その後日本全土に広まっていきました。

瓦屋根には大きく本葺き瓦と桟葺き瓦があります。本葺き瓦は主に山瓦と谷瓦で構成されています。軒先は巴付きの軒先瓦を使用します。重厚な見栄えが特徴ですが、本葺き瓦は部材が多く製造にも施工にも手間がかかるため、現在では一部の寺院や城郭など歴史的建造物で採用される程度であり、一般的な住宅ではほとんど使用されていません。

一般的な建物で使用されることが多い和瓦や洋瓦は、桟葺き瓦に分類されます。メーカーや製品によって産地やサイズ、施工方法などに違いはありますが、ここでは一般的な陶器瓦の平均的な仕様を想定して解説をします。

瓦屋根のメリット

瓦屋根のメリットは、まず耐久性があり塗装のメンテナンスが必要ないことです。

耐用年数はおよそ30年~50年です。またメンテナンスにおいても、一部が破損した場合、その部分だけの取り替え工事も可能です。

綺麗に並んだ瓦屋根は美しく、意匠性にも優れていると言えます。

瓦屋根には厚みがあり、自然素材なので断熱性も高いです。夏場の直射日光の熱にも強く、遮音性が高く、雨の音もほぼ吸収しますので、屋内で雨音が響きません。色あせも少ないですが、色あせしても風味や風情が出ます。

チタン屋根の場合、あえて色褪せさせた瓦に似せて施工を行うことがあるほど風情があります。

(例)浅草寺(引用サイト↓)

http://www.caname-jisha.jp/sensouji/hozomon/04.html

瓦屋根のデメリット

瓦屋根のデメリットは、重量があるため屋根が重くなり、家の耐震性が下がることです。

瓦は1枚あたり2~3キロの重さがあり、家一軒になると数トン規模の単位になります。ヒトでも重心を下げたほうが倒れないように、家も屋根が重く、重心が高いと倒れやすいのです。

ただ、近年ではなるべく葺き土の使用を減らして軽量化を図るなどの努力が続けられています。

また、台風や地震のときに、瓦が落下する危険性もデメリットの一つです。万が一人に当たった場合、例え1枚の瓦屋根でも重さがあるため、非常に危険です。瓦屋根を撤去するときは、大量の廃棄物を出すことになり、運搬・処分費用も掛かることもデメリットの一つとして挙げられます。

ガルバリウム鋼板の特徴

ガルバリウム鋼板は、鋼板をアルミニウムと亜鉛とシリコンでメッキしたもので、「アルミ亜鉛合金メッキ鋼板」とも呼ばれます。

30年ほど前から少しずつ普及し、現在では屋根材としてもっとも採用されている人気の屋根材です。

日本では「屋根といえば瓦屋根」というイメージがありますが、ガルバリウム鋼板の普及によって金属屋根が注目されました。銅板やチタンという金属屋根もあります。

ガルバリウム鋼板以前の金属屋根といえばトタンがありました。しかしトタンは錆びやすいという決定的な弱点があり、それを克服したのがガルバリウム鋼板です。

ひと口にガルバリウム鋼板といっても、塗装の仕様にはカラーやフッ素などがあり、葺き方も縦葺きや横葺きなどパターンが様々にあります。縦葺きは複雑な屋根には向いていませんが安く、横葺きは複雑な屋根にも対応できますが費用が高くなります。

ガルバリウム鋼板のメリット

ガルバリウム鋼板のメリットの一つは、屋根材本体が軽量であることです。

瓦屋根は重量があるため、家の耐震性が低くなります。反対にガルバリウム鋼板のように軽いと耐震性も上がります。また、軽いということは施工時の運搬や荷揚げの負担も減らすことができます。(=施工費のコストカット)

更に割れや、クラックが入る心配がありません。瓦にはないメリットです。将来的に解体するときも、瓦屋根は廃棄物になりますが、ガルバリウム鋼板は金属素材なのでリサイクルが可能であり、処分費用も掛かりません。買取り業者に売ることで現金化ができることさえもあります。焼却せず、リサイクルをすることで環境負荷も減らせる、地球に優しい素材のひとつとして今後も推進されそうです。好みに合ったカラーも選ぶことができます。また縦葺きには、太陽光発電の設置に向いた葺き方があります。

ガルバリウム鋼板のデメリット

ガルバリウム鋼板のデメリットは、塗装品であることが挙げられます。お好みの色が選べるメリットはありますが、塗膜は15年~20年程度の耐用年数です。そのため塗り替えのメンテナンスが必要になります。塗装や仮設足場などの費用がかかりますが、適切なタイミングでメンテナンスを行えば、2~3回の塗り替えによって40年を超える寿命も維持できる場合もあります。

また、瓦屋根と比較して雨音が気になることがあります。ガルバリウム鋼板は薄いため、強い雨の日はバタバタと雨音が響きやすくなります。ただし、近年は遮音シートや断熱材の一体型という製品も登場し、少しずつ改善されています。

また、ガルバリウム鋼板は割れない反面、凹むことはあります。木の枝などが飛来して穴が開いたケースもあります。もし部分的に交換する必要がある場合、縦葺きなどの葺き方によっては、かなりの面積をめくって交換しなくてはならないケースがあるため、多額の費用が必要になるリスクもあります。

新築時の屋根材の価格、単価について

前提として、新築は家全体コミコミで金額が捻出されますので、工務店によってのサービスや、環境によって単価の金額は前後します。あくまで下記に記載あるものはおおよその相場ですので、詳しくは新築工事を依頼するお店に確認する必要があります。

新築時の瓦屋根の単価

瓦屋根には多くの種類がありますが、おおよその平均的な単価は、1㎡あたり、8,000円~10,000円程度です。これは屋根の平面部分の平瓦の価格です。プラスで下記の施工費用が掛かります。

  • 軒先の長さに応じた軒先瓦
  • ケラバの納め
  • 各種の棟瓦・熨斗棟
  • 鬼瓦
  • 軒先や面戸などの漆喰
  • 谷部の納め

ガルバリウム鋼板の価格・単価

ガルバリウム鋼板にも仕様が様々ですが、おおよそ平均的な単価は、1㎡あたり、5,000円~8,000円程度です。こちらも屋根の平面部分の価格ですので、これに、瓦屋根同様の項目を板金で加工し仕上げる作業が必要がなります。瓦屋根との違いは漆喰工事はないことです。

屋根材以外にかかる費用

これらの屋根材以外にかかる費用は決して安くありません。総額で計算すると、屋根材本体に近い価格を想定しておく必要があります。特に屋根が複雑な形をしているケースでは、割高になります。

主には屋根職人の人件費です。屋根職人の日当は全国平均で25,000円程度です。各箇所の包みや棟板金など、加工作業が発生する量に応じて日数がかさみ、費用が膨らみます。その他には金物費、運搬費などがあります。

屋根の維持コストは新築時だけで考えない

上記の通り、相場の単価では瓦屋根の方がガルバリウム鋼板よりやや割高ですが、製品の仕様や屋根の大きさや形などの条件によって変動します。また、このような新築時の施工費用の他に、今後のメンテナンス費用も考えて計算しておくのが吉です。

瓦屋根は、基本的には大きなメンテナンス工事の必要がありません。漆喰の劣化チェックが必要な程度です。

ガルバリウム鋼板は、15年~20年程度で塗膜のメンテナンス、塗り替え工事が必要になります。塗装工事自体の単価は高くはありませんが、仮設足場を建てるなどの費用も考えると決して安い金額ではありません。

新築の屋根の形状パターン

勾配屋根には、いくつかのパターンがあります。屋根の形は複雑で立体的なほうが見栄えはいいのですが、反面、施工に手間が掛かる(=割高になる)とともに、防水面でも脆弱になります。雨漏りのリスクの観点から考えると、シンプルな屋根の方経済的にはお得です。

主な屋根の形状には、下記が挙げられます。

  • 切妻(きりつま)
  • 寄棟(よせむね)
  • 入母屋(いりもや)
  • 片流れ(かたながれ)

最もシンプルな形状は片流れです。ただし外壁の防水性は低く、見栄えも良いとは言えません。屋根をガルバリウム鋼板などの縦葺きにし、太陽光発電を行う方にはおすすめの形状です。

最も一般的、かつシンプルなデザインは切妻です。瓦屋根はもちろん、ガルバリウム鋼板の縦葺きにも向いています。

寄棟は棟が長くなるため、切妻よりやや複雑で手間もかかり、ガルバリウム鋼板の縦葺きには向いていません。横葺きか瓦になります。見た目は立派な家によくある、重厚感がある仕上がりになります。

入母屋は現在の一般住宅で使われることは少ないです。古い家や、寺社建築で使われることが多いです。寄棟をさらに複雑にしたもので、見た目も良いのですが、手間が掛かる分工事費も高くなります。

家の設計では、間取りによって屋根形状が左右されます。間取りがキレイな四角形であれば、屋根もシンプルに収まりますが、デコボコができると、谷ができたり下屋根が多くなり、雨漏りのリスクが上がっていきます。

新築屋根工事の工程

屋根工事は新築時の工程の中で早い時期に行います。

上棟、小屋組みができると、屋根形状に合わせて野垂木を施工します。

その後は下記の工程にて屋根が完成されます。

  1. 野地板
  2. ルーフィング(防水シート)
  3. 屋根葺き
  4. 各部役物

基本的には屋根リフォームと同じ工程です。

新築だからこそ?銅板屋根という選択

ここまで、主に一般的に人気の瓦屋根とガルバリウム鋼板を想定して解説させて頂きました。

近年は金属屋根の需要が伸びており、瓦屋根やスレート系の屋根材は今後も減少していく流れが予想されます。

現在、金属屋根の主流はガルバリウム鋼板ですが、他には銅板という選択もあります。

ガルバリウム鋼板の最大のデメリットは塗装品であることですが、銅板は塗装品ではありません。つまり塗り替えメンテナンスなしで大丈夫です。重量的にもガルバリウム鋼板と変わりませんので、耐震性も心配がありません。耐用年数は50~100年と瓦を超える非常に優れた耐久性があります。

ただ銅という高級な金属ですので、材料費が高く、1㎡あたり10,000~15,000円と、ガルバリウム鋼板と比較すると倍近い費用が掛かります。特に現在は建値の上昇で単価が上がっている時期です。しかし数年周期でみると、安くなっている時期も見受けられます。

屋根リフォームの葺き替えの際に、銅板を選択することはメリットが少ないですが、新築の場合は銅板を選ぶメリットはあります。何故なら新築であれば、これから何十年と住むわけですので、ガルバリウム鋼板のように15年や20年ごとに塗り替えしていくならトータルで見ると賢い選択なのかもしれません。

さらに、銅板には金属としての価値が落ちにくいという特性があります。将来的に廃棄する際にも、新品同様とは言いませんが、それなりの金額にて買取が可能な金属です。初期コストはかかりますが、長期的に見て検討する価値は充分あるのではないでしょうか。

まとめ

新築の屋根工事について、屋根材の特徴や単価などについて解説させて頂きました。

屋根は建物の中でも重要な構造の一つです。実は住み始めてからのメンテナンスで最も費用が掛かると言われている箇所が屋根です。瓦屋根もガルバリウム鋼板も、それぞれに違った特性があり、メリットデメリットがあります。

ご自身のイメージする新築の家で、視覚的にどのような屋根材か、予算はどのくらいか?同時に、性能的、長期的にもしっかりと検討することが大切です。この屋根材が最もお得で間違いない!ということはありません。

余談ですが、瓦屋根は弱点を克服するために、できる限りの軽量化を進めているようです。

ガルバリウム鋼板もSGL・エスジーエル鋼板や焼き付け塗装などの工夫を凝らし、より錆びにくく、耐用年数を延ばそうと開発を進めています。

屋根材メーカーの努力により、今後もどんどん良い屋根材は出てきます。

コストパフォーマンスを含め、総合的にバランスの取れた、ご自身のライフプランにとって最も良い屋根材はどれか?

という観点で、屋根職人さんとも相談して良い屋根材を選択することが大切なのです。


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