屋根の耐震リフォームにはどんな方法がある？

近年、巨大地震や台風などの自然災害による建物被害の拡大を受けて、築年数の古い建物を中心に屋根の耐震リフォームの需要が増えています。特に、屋根に昔ながらの日本瓦が載っている住宅では、地震などに対する屋根の不安材料が多いため、屋根の耐震リフォームの緊急性がさらに高まっています。
そこで今回は、屋根の耐震リフォームのメリット・デメリットや、具体的な方法などについて解説していきます。屋根の耐震リフォームに関する正しい知識を身につけて、自然災害から建物や家族を守りましょう。

屋根の耐震リフォームとは

屋根の耐震リフォームとは、地震や風などの自然災害による建物の被害を減らすために、屋根部分における耐震性を向上させるためのリフォームのことをいいます。 屋根は、地震や強風の影響を受けやすい建物の部位です。 地震による揺れや強風などによって、屋根材や構造に負荷がかかり、建物全体に被害が及ぶことがあります。
そのため、屋根の耐震性を高めることは、建物の耐久性向上に重要な要素になります。 屋根の具体的な耐震リフォームの方法としては、屋根材を軽量化したり、屋根に補強材を追加したりすることが挙げられます。 屋根材を軽量化することで、地震や風の影響による建物への負荷を軽減することができます。
また、補強材を追加することで、屋根の強度を強化できます。 これらの方法により、屋根部分における耐震性を高め、建物全体の耐久性を向上させることが可能です。
また、新築時には耐震性能が高い材料や構造を選択することができますが、経年劣化した建物においては耐震性を高めるためのリフォームが必要になるケースがあります。
耐震リフォームは、地震や風の影響による建物への被害を軽減するだけでなく、建物の耐久性を向上させるためにも重要な工事です。 建物の所有者は、定期的な点検やメンテナンスを行い、状況に応じて耐震リフォームを実施することで、建物の耐久性を維持できるでしょう。

屋根の耐震リフォームが必要な理由

屋根の耐震リフォームが必要な理由は、自然災害によって屋根部分に大きな負荷がかかった場合に、屋根が崩壊する可能性があるためです。 地震や強風、豪雨、積雪などの自然災害によって、建物にかかる負荷は大幅に増大します。
この負荷が屋根に集中してしまうと、屋根だけでは耐えきれず崩壊してしまう恐れがあります。このような状況が発生すると、住宅内部に被害が拡大して人命にかかわる危険性が高まります。
また、屋根材や構造が老朽化している場合には、巨大地震などの災害が起きた場合に建物全体の耐震性が低下するため、あらかじめ屋根の耐震リフォームによる対策が欠かせません。
建物全体の耐震性を高めることで、被害を最小限に食い止めることができます。 そのため、屋根の耐震リフォームは、家屋の耐震性を図る上でもはや欠かせないものとなっています。

屋根の耐震リフォームをするメリット

屋根の耐震リフォームをするメリットは、以下の4つです。

・耐震性が向上する

・住人の安全を確保できる

・建物の資産価値が向上する

・優れた断熱性能が得られる

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

【メリット1】耐震性が向上する

屋根の耐震リフォームにおける最大のメリットは、建物の耐震性が向上することです。
屋根の耐震リフォームによって、地震などの自然災害が発生した際、建物全体の安全性を高めることができます。 建物の屋根部分が強固になることで、屋根の崩壊を防げるだけでなく、建物全体の耐震性が向上するため、被害の軽減にもつながります。
また、屋根の軽量化によって建物の耐震性が向上するため、地震発生時における負荷を軽減することにもつながります。

【メリット2】住人の安全を確保できる

屋根の耐震リフォームは、地震が発生した際に住人が安全に脱出することにつながるため、重要な対策のひとつといえます。 建物全体の倒壊や崩壊を防ぎ、屋根が安定していることを確認し、自分自身や大切な家族が避難する時間を確保することができます。
さらに、屋根の耐震リフォームによって、建物全体の耐震性が向上するため、十人の安全確保だけでなく、家屋の被害も最小限に抑えられます。
特に、今後巨大地震の発生が予想される地域では、屋根の耐震リフォームを行うことが、家族の命を守るためにも重要です。

【メリット3】建物の資産価値が向上する

耐震性の高い建物は、将来建物を売却する際の評価ポイントのひとつになるだけでなく、資産価値の維持にもつながります。 建物が老朽化し、地震や風雨などの自然災害に対する耐性が低下した場合、修繕やリフォームにかかる費用が膨大になってしまう恐れがあります。
それに対して、耐震性の高い建物は長期的にみてもメンテナンスコストが抑えられるため、施工管理技士が維持される傾向にあります。 したがって、屋根の耐震リフォームは将来の投資としても魅力的な選択肢となるでしょう。

【メリット4】優れた断熱性能が得られる

屋根の耐震リフォームは、断熱性能の向上にもつながります。 新築から年数が経過した建物の中には、屋根内部にある断熱材が不十分であったり、断熱材自体が老朽化したりしているものがあります。
そのため、屋根のリフォーム時に断熱材の入れ替えを行うことで、室内の温度をより安定的に保つことができます。 また、屋根全体に断熱材を設置すれば、熱の逃げ道を減らし、光熱費の削減にもつながります。
このように屋根における断熱性能の向上は、快適な住環境をつくるためにも重要な要素のひとつといえます。

屋根の耐震リフォームのデメリット

屋根の耐震リフォームをするデメリットは、以下の4つです。

・コストが高い

・工期がかかる

・建物全体の印象が変わる

それでは、くわしく見ていきましょう。

【デメリット1】コストが高い

屋根の耐震リフォームには、専門的な技術や材料が必要なため、その分コストが高くなってしまいます。
特に、建物の形状や高さなどによっては、工事に必要な材料や作業量が多くなる場合には、耐震リフォームのコストが高くなる傾向があります。
このようなことから、万が一リフォームの予算に余裕がない場合は、工事内容などを慎重に検討しなければなりません。

【デメリット2】工期がかかる

屋根の耐震リフォームでは、専門的な技術が必要なだけでなく、工事が天候にも左右されるため、工期が長くなる傾向があります。 特に、雨天や強風の日は工事が中断されることがあり、工期が予定よりも長引くことも考えられます。
また、工事中は建物内での生活が制限される場合もあります。
たとえば、仮設足場を組む際に開口部を塞がれてしまったり、勝手口ドアからの出入りができなくなったりすることもあるでしょう。 このため、工事期間中の生活についてもあらかじめ計画を立てておくことが大切になります。

【デメリット3】建物全体の印象が変わる

屋根の耐震リフォームでは、工事の内容によって建物全体の印象が変わってしまうことがあります。 そのため、施工前には事前にCGを用いたシミュレーションなどを行い、施工後の建物全体のイメージを確認することが大切です。
また、屋根の耐震リフォームだけでなく、リフォームの範囲を建物全体に広げることで、統一感のある建物の外観にすることができます。

屋根の耐震リフォームにかかる費用

耐震補強工事の平均施工金額は、およそ163万円とされています。 なお、耐震診断や耐震補強工事については、1981年5月の新しい耐震基準になる前に建築された木造住宅であれば、自治体から補助金を受けることが可能です。
また、自治体によっては、耐震診断費用が全額、工事費用は半額まで補助されるケースもあるので、地域の役所などに一度問い合わせてみましょう。

屋根の耐震リフォームの費用が変動する要因

屋根の耐震リフォームにかかる費用は、以下のような要因によって変動します。

・屋根の材質

・施工業者

・施工時期

・屋根の形状や面積

・耐震リフォームに必要な補強や改修の範囲

このように、屋根の耐震リフォームにかかる費用は、さまざまな要因によって変動します。そのため、リフォームの必要性や費用の詳細については、信頼できる専門業者に相談しましょう。 それでは、ひとつずつ解説します。

【1】屋根の材質

屋根の材質によっては、リフォームに必要な費用が大幅に異なります。これは、屋根の材質によって必要な工程や材料が異なるためです。 たとえば、瓦屋根の場合は、古い瓦を取り外す必要があるため、瓦を再利用できるかどうかや、新たに瓦を購入する必要があるかどうかによっても費用が変わります。
一方、金属屋根の場合は、屋根の下地に合わせて金属板を切り出し、加工する費用があるため、その分費用が高くなります。 また、屋根の材質によって必要な施工技術や施工方法も異なるため、それに伴って施工業者の費用も変動します。
屋根の材質によって、施工に必要な職人の技術や知識が異なるため、施工業者の選択も重要になってきます。

【2】施工業者

施工業者によって屋根の耐震リフォームの費用が変動する理由には、以下の2つが挙げられます。

1.施工業者の規模や技術力

施工業者の規模や技術料によっては、同じ工事管理でも費用が大きく異なることがあります。 規模が大きい施工業者は、大量の資材を調達できるため、割安で仕入れることができる場合があり、その分費用を抑えて工事を請け負うことができます。
また、技術力が高い業者は、高品質な工事を迅速に行えるため、その分費用が高くなる場合があります。

2.地域差

施工業者の地域によっても、費用に違いが生じる場合があります。この理由としては、建築資材における調達ルートのちがいが挙げられます。
また、地域ごとに工事に必要な許可や手続きが異なる場合もあり、その分の費用が異なることもあります。さらに、地域によって労働力の需要と供給のバランスが異なるため、人件費が異なることも理由として挙げられます。
このように、施工業者によって屋根の耐震リフォームの費用は異なる場合があるため、複数の業者から見積もりを取って比較権とすることが大切です。

【3】施工時期

施工時期によっても、屋根の耐震リフォームの費用は変動します。 建築業界では、施工業者の仕事量が増える春や秋には、リフォームの需要が高まる傾向にあります。 そのため、施工業者側はこのような顧客の需要に応えるため人員を増やし、その分の人件費がかかることから、費用が高くなる場合があります。
一方、施工業者によっては、需要が少ない夏や冬に割引価格を設定しているケースもあります。

【4】屋根の形状や面積

屋根の形状や面積によっても、屋根の耐震リフォームの費用は変動する場合があります。 たとえば、屋根の形状が複雑な場合には、施工に必要な工程や時間が増えるため、費用も高くなる傾向があります。
また、屋根の面積が広い場合には、材料の使用量が多くなり、それに伴って耐震リフォームの費用も高くなることがあります。
さらに、屋根の形状や面積が大きく異なる場合には、屋根の耐震リフォームに欠かせない仮設足場にも時間とコストがかかることが考えられます。

【5】耐震リフォームに必要な補強や改修の範囲

屋根の耐震リフォームでは、屋根の補強や改修の範囲によっても費用が変動します。 屋根の耐震性を高めるためには、屋根だけでなく建物全体の構造を見直し、適切な補強や改修を行うことが必要不可欠です。
例えば、築年数の経過した古い建物の場合には、屋根の構造や材料に劣化が見られることが予想されるため、補強や改修の範囲が大きくなる傾向があります。
また、建物の高さや地域の地盤条件によっても、補強や改修の範囲が異なり、費用に影響を与えるケースも見られます。 一方で、比較的新しい建物の場合や、すでに十分な耐震性がある建物の場合には、補強や改修の範囲を最小限に抑えられるため、それに伴って費用を抑えることができます。
このように、屋根の耐震リフォームの費用は、必要な補強や改修の範囲によって変動するため、専門業者によって事前に建物の構造や状態をくわしく調査し、補強や改修が必要な箇所を明確にすることが大切です。

屋根の耐震リフォームにかかる期間

屋根の耐震リフォームにかかる期間は、屋根の部分修理の場合はおよそ2日間、また屋根全体のリフォームはおよそ7日間ほどが目安になります。 これに加えて、仮設足場の組み立てと解体でそれぞれ二日間ずつかかり、雨天による工事の順延などを踏まえると、屋根の部分修理でおよそ1週間、屋根全体のリフォームでおよそ2週間ほどの期間を想定しておきましょう。
ちなみに屋根の耐震リフォームに適した時期は、3月から9月、10月から2月とされています。 これらの時期は気候面が安定しているため、多くのリフォーム会社が施工することが予想されるため、あらかじめ早い段階で業者に相談したほうがよいでしょう。

屋根の耐震リフォームの種類

屋根の耐震リフォームは、建物の年式や状態、地域における地震の発生頻度などによって、最適なリフォーム方法が異なります。 そのため、屋根の耐震リフォームを検討する際には、専門業者に相談して適切なリフォーム方法を選ぶことが欠かせません。 なお、屋根の耐震リフォームには、大きく分けて3つの種類があります。

・屋根の補強

・屋根材の軽量化

・屋根の形状改修

それでは、順に見ていきましょう。

【1】屋根の補強

屋根の補強は、屋根の耐震リフォームの中でも重要な工事のひとつです。 屋根は建物全体を支える役割を担っているため、地震の発生時には大きな力がかかります。 そのため、屋根の補強を行うことで、屋根だけでなく建物全体の耐震性を高めることができます。 屋根の補強には、さまざまな方法があります。
たとえば、屋根と壁の接合部を強化するためにアンカーボルトを取り付けたり、屋根の骨組みに鋼製の補強材を取り付けたりすることがあります。
また、築年数が経過した建物の場合には、建物自体の荷重に耐えられない場合もあるため、建物の基礎や柱などの構造部材を補強することで屋根の補強につなげることができます。
なお、屋根の補強には、建物の耐震性を向上させるというメリットがありますが、その分費用が高くなる場合があるため、事前にコスト面も含めて検討する必要があります。

【2】屋根材の軽量化

屋根材の軽量化とは、屋根に使用される材料の重さを軽くすることで、地震などの自然災害による被害を軽減する耐震リフォームのひとつです。 屋根材の重量が軽いほど、地震などの自然災害時に建物の負担が少なくなり、建物の倒壊や損壊を防ぐことができます。
また、屋根材の軽量化によって建物全体の重心が下がるため、地震時に建物が揺れる程度が少なくなり、耐震性の向上も期待できます。 屋根材の軽量化における具体的な方法には、屋根材自体を軽量化する方法や、屋根材の厚みを薄くする方法などがあります。
また、金属屋根などの軽い材料に屋根を葺き替えるのも有効です。 屋根材の軽量化は建物の耐震性を高めることが期待できますが、一方で屋根材の強度が低くなる場合があるため、適切な強度を確保しながら軽量化を検討しなければなりません。
また、屋根材の軽量化によって耐久性が低下する恐れも考えられるため、素材の選択や設置方法などにも注意が必要です。

【3】建物の形状改修

建物の形状改修とは、建物の構造を強化することで、地震などの自然災害に強い建物にする耐震リフォームのことをいいます。 建物の形状改修では、建物の構造を見直し、強度を高めることがポイントになります。
具体的には、以下のようなリフォームが挙げられます。

・建物における骨組みの強化

・厚みのある壁への入れ替え

・柱の配置変更

このような建物の構造を改善することで、地震時に建物が揺れる程度を抑え、建物の倒壊や損壊を防止することができます。 また、建物の形状を変更することで、耐震性を向上させることも可能です。
たとえば、現状より建物の高さを低くしたり、幅広い基礎を設置したりすることで、地震の揺れに対して建物が安定するようになります。 建物の形状改修は、建物の構造に応じたリフォームが必要であり、専門家のアドバイスなしでは適切な計画はできません。
また、建物の形状改修には一定のコストが必要になるため、費用やリフォーム期間についても事前にしっかりと検討する必要があります。

屋根の耐震リフォームの施工方法

屋根の耐震リフォームには、大きく4つの施工方法があります。

・鉄筋の追加

・軸組の補強

・剛性壁の設置

・支柱の追加

それぞれの施工方法について、簡単に解説していきます。

【1】鉄筋の追加

鉄筋の追加とは、建物の耐震性を高めるために、屋根に鉄筋を追加する施工方法のことをいいます。屋根に鉄筋を埋め込むことで、地震発生時に鉄筋が建物の重心を支え、屋根の崩壊を防ぐことができます。 ここで使用される鉄筋は、建物の中に埋め込まれるため、見た目にはわかりにくい施工方法ですが、その効果は高いとされています。
このように屋根に鉄筋を追加することで、屋根の自重に耐えられる強度を持たせることができます。 また、鉄筋は強度が高く、曲げやすいため、地震発生時に建物が揺れを吸収し、建物の変形を防ぐことが可能です。屋根に鉄筋を追加する際は、屋根の形状や構造によって、鉄筋の本数や太さ、埋め込む位置などを決定する必要があります。
また、施工には専門知識や技術が必要であり、施工前には建物の診断や耐震性の計算が必須になります。 一方で、鉄筋を追加することによって建物の重量が増加するため、建物の基礎や柱などの構造強化が不十分な場合には、建物全体の耐震性を下げてしまう恐れがあります。 そのため、事前に建物全体を細かく調査し、鉄筋の追加に合わせて必要な補強工事を実施することが欠かせません。

【2】軸組の補強

軸組の補強とは、屋根の軸組を強化することで、屋根の重量や形状に耐える強度を高める施工方法のことをいいます。屋根の軸組は、建物全体の構造を支える非常に重要な要素であり、地震などの自然災害に対しては、特に耐震性を高める必要があります。
軸組の補強では、金物や針金などを使用した補強方法が一般的です。 金物を使用した補強方法には、軸組に金物を取り付ける方法と、軸組同士を連結する方法があります。 軸組に金物を取り付ける場合には、ビスや釘で固定し、屋根の強度を高めます。 また、軸組同士を連結する場合は、ボルトや金具などを使用して接合します。 軸組の補強では、補強が必要な箇所を正確に把握し、補強部材の種類や強度を正しく選定することが重要になります。
また、施工前には建物の診断や耐震性の計算が欠かせません。 このような計画的な耐震診断や耐震改修は、地震による被害を最小限に抑え、家族の命を守るためにも非常に大切です。
なお、屋根材の種類や厚さなどによっては、軸組の補強だけでは不十分なケースがあります。 そのため、屋根材の軽量化や建物の形状改修など、複数の施工方法を組み合わせて検討することがポイントになります。

【3】剛性壁の設置

剛性壁とは、建物の地震時における水平方向への動きを制限するための壁のことをいいます。屋根の耐震リフォームにおいては、剛性壁を屋根裏に設置することで、屋根の支持力を高めることができます。
また、屋根裏に剛性壁を設置することにより、屋根裏が強固な構造となり、地震時も安心して避難できるでしょう。 なお屋根裏に剛性壁を設置する際には、建物の構造や地震時の力の伝わり方を考慮した適切な設計が欠かせません。
施工前に建物の構造を十分に調査し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

【4】支柱の追加

支柱の追加は、屋根の耐震性を高めるためによく採用される方法のひとつです。屋根の形状や重量に応じて、適切な位置に支柱を追加することで、屋根の荷重を分散し、屋根全体の安定性を確保できます。
なお、支柱の追加には、木材や鉄材を使用するのが一般的です。 木材を使用する場合は、建物の構造に合わせた太さや長さの木材を選び、建物の骨組みに組み込みます。 一方、鉄材を使用する場合には、建物の構造に合わせたサイズの鉄剤を選び、支柱を立てて屋根の鉄骨や梁に固定することで屋根の強度を高める効果が期待できます。
このような支柱の追加にあたっては、建物の構造や屋根の形状、地盤の状況などを考慮した設計が必要不可欠です。 また、施工には専門的な知識や技術が必要になるため、かならず専門の施工業者に依頼するようにしましょう。

屋根の耐震リフォームにおける注意点

屋根の耐震リフォームには、以下のような注意点があります。

・建物の構造を正確に把握する

・適切な補強材を使用する

・耐震性のバランスを考慮する

・施工技術の確認

・定期的な点検とメンテナンス

それでは、ひとつずつ解説します。

【1】建物の構造を正確に把握する

建物の構造を正確に把握することは、屋根の耐震リフォームにおいて非常に重要です。 なぜなら、建物の構造を把握していないと、必要な耐震補強の種類や範囲を正確に判別できないからです。 建物の構造を正確に把握するためには、建物の図面から、建物の基礎・柱・梁・屋根などの各構造部材を確認することが必要です。
また、実際の建物の状態を確認するために、屋根裏や床下などを点検することも欠かせません。 このように、建物の構造を正確に把握することで、適切な施工方法を選定できるため、屋根の耐震リフォームにおいては非常に重要なポイントとなります。

【2】適切な補強材を使用する

屋根の耐震リフォームにおいて、適切な補強材を使用することは最低条件になります。 適切な補強材を選定するためには、建物の構造や条件に合った補強材を選ぶことが必要です。
たとえば、木造住宅場合には、金属製の補強材が一般的には使用されますが、軽量の建物に対して重量のある補強材を使用すると、建物の耐震性を損なう恐れがあります。
また、補強材の設置方法や位置も重要なポイントになります。 補強材の設置位置が適切ではない場合には、本来補強すべき部位が補強されず、建物の耐震性を十分に高めることができません。 そのため、適切な補強材を選定するだけでなく、正確な設置方法や位置についても確認する必要があります。

【3】耐震性のバランスを考慮する

耐震性のバランスを考慮することは、耐震補強を行う上で非常に重要になります。 あくまで建物の耐震性を高めることが主目的であるため、補強箇所や補強材の選定において、過剰な強度を求めすぎたり、逆に必要な補強が不足したりしないように注意が必要です。
また、耐震補強によって建物の構造や強度が損なわれることもあるため、耐震性の向上と同時に建物の構造や強度を維持するためのバランスも考慮しましょう。 特に、補強箇所や補強材の配置は慎重に検討する必要があります。 さらに、建物の用途や地域における地震の発生頻度や規模によっても、耐震性のバランスは異なります。 そのため、耐震補強をする際は、事前に建物の構造や強度、用途、地震の発生頻度や規模などを踏まえた上で、耐震性のバランスを考慮することが重要です。

【4】施工技術の確認

屋根の耐震リフォームにおいて、施工技術は非常に重要な役割を果たします。 正しい知識や技術のない施工業者が耐震リフォームを施工してしまうと、多神補強の効果が低くなったり、建物自体に損傷が生じたりする恐れがあります。 施工業者の施工技術を確認するには、信頼できる専門業者に工事を依頼することが必要不可欠です。 専門業者は、建物の構造や耐震性を正確に把握した上で、最適な施工方法を選ぶことができます。
また、施工時には、適切な作業環境を整備し、安全に作業を進められます。 屋根の耐震リフォームにおいては、施工技術だけでなく、適切な材料や道具の選定、使い方なども重要なポイントになります。 専門業者は、これらの点にも十分に配慮した上で作業を行い、耐震補強の効果を最大限に引き出すように努めてくれます。そのため、屋根の耐震リフォームを検討する際には、信頼できる専門業者に相談し、施工時技術や材料などをしっかりと確認することが大切です。

【5】定期的な点検とメンテナンス

屋根の耐震リフォーム後も、建物の耐震性を維持するためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。 定期的な点検は、補強材や施工箇所に問題がないかを確認するために非常に重要な役割を果たします。
また、点検によって問題を早期発見することができれば、大規模なメンテナンスが必要になる前に対処できる可能性も高まるでしょう。 点検の結果に基づいて適切なメンテナンスを施すことで、耐震補強によって追加された部分や施工箇所の劣化を防ぎ、長期にわたって建物の耐震性を維持することができます。 このように、定期的な点検とメンテナンスは、建物の耐震性を維持するために欠かせない重要なポイントです。

【まとめ】屋根の耐震リフォームは専門業者に相談しよう

今回は、屋根の耐震リフォームのメリット・デメリットや、具体的な方法などについて解説しました。 屋根の耐震リフォームとは、地震や風などの自然災害による建物の被害を減らすために、屋根部分における耐震性を高めることを目的としたリフォームのことをいいます。 屋根の耐震リフォームをすることで、建物の耐震性が上がり、住人の安全を確保できるといったメリットがあります。
しかし一方で、屋根の耐震リフォームは、通常の屋根リフォームよりもコストがかかり、高い施工技術が必要になるため、検討する際には屋根の耐震リフォームの経験豊富な専門業者へ相談すべきと言えます。 屋根の耐震リフォームの経験が豊富で、高い施工技術を持った専門業者を探すなら「屋根修理の匠」がおすすめです。 「屋根修理の匠」なら、都道府県別に「屋根修理のプロ」を簡単に探すことができるので、屋根の耐震リフォームにくわしいお近くの専門業者がすぐ見つかります。

屋根の耐震リフォームを検討する際には、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。