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屋根材「オークリッジスーパー」とは？特徴やメリット・デメリットを解説
屋根材の選定は、住まいの快適性や安全性、さらには建物の寿命に大きな影響を及ぼす重要なポイントです。中でも近年注目されているのが、アメリカ・オーウェンスコーニング社製の高性能アスファルトシングル材「オークリッジスーパー」です。
本記事では、オークリッジスーパーの特徴やメリット・デメリット、日本国内での使用実績、耐久性・防水性・耐風性などの性能、さらにカラーバリエーションやリフォームへの適応性について詳しく解説します。屋根リフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
オークリッジスーパーとは？
「オークリッジスーパー」は、アメリカの大手建材メーカー「オーウェンスコーニング社」が製造するアスファルトシングル屋根材です。同社は1938年に創業し、ガラス繊維のトップメーカーとして世界的な信頼を得ています。
そのガラス繊維を芯材とした「ファイバーグラスシングル」は、北米住宅の8割以上に採用され、極寒のアラスカ、ハリケーンが多発するフロリダ、高温多湿なミシシッピなど、過酷な自然環境下でも長年使用され続けている実績があります。
日本国内でも2002年に初登場して以降、年間約50万坪に使用されるなど、全国的に広く普及。地震・台風の多い日本の環境でも信頼されている屋根材です。
オークリッジスーパーの7つの特長
1. 高耐久・高防水性
オークリッジスーパーは、ガラス繊維を芯材とすることで高い耐久性と防水性を実現しています。吸水率は約1%と非常に低く、雨水の侵入をしっかり防ぎ、腐食や雨漏りのリスクを軽減します。
さらに、特殊なセルフシーラント（自己接着材）によって屋根材同士を強固に密着させ、雨水や強風から建物をしっかり守ります。
2. 高い耐風性（瞬間最大風速50m/秒に対応）
屋根材において重要な性能のひとつが「耐風性」です。オークリッジスーパーは、独自開発のスーパーシーラントを全面に塗布することで、最大瞬間風速50m/秒の強風にも耐える驚異の耐風性能を発揮。日本の台風にも十分に対応できる性能です。
3. 軽量で地震に強い
オークリッジスーパーの重量は1m²あたり約12kgで、日本瓦の約1/4、スレート屋根の約1/2と非常に軽量です。建物の重心を下げることで耐震性が向上し、地震時の揺れによる建物への負荷を軽減できます。
大地震への備えとして、軽い屋根材の採用は今や重要な選択肢となっています。
4. 高い意匠性と豊富なカラーバリエーション
天然石にセラミックコーティングを施した粒状石を表面に使用しているため、色彩に深みと立体感があり、美しい外観を長期間維持できます。
以下のような豊富なカラーバリエーションも魅力です。
・オニキスブラック
・シャトーグリーン
・ブラウンウッド
・テラコッタブレンド
・エステートグレー
・ハーバーブルー
・デザートタン
どの色も落ち着いた雰囲気と高級感を兼ね備えており、住宅の外観デザインに幅広く対応できます。
5. メンテナンス性と耐久性に優れる
ガラス繊維を芯材とし、天然石にセラミックコーティングを施しているため、20年以上経っても褪色しにくく、藻の発生も抑制。長期間美しい屋根を維持できます。
また、柔軟性がある素材のため施工中の割れや損傷リスクが低く、寒冷地における凍害にも強い構造です。
6. 環境にやさしい
オークリッジスーパーは、環境負荷にも配慮した屋根材です。国際規格ISO14040に基づくLCA（ライフサイクルアセスメント）では、CO₂排出量がわずか17.8kg/㎡。瓦（約47.7kg）や金属屋根（約62.8kg）と比べても圧倒的に低い数値を実現しています。
住まいの環境性能を高めたい方にも適した選択肢です。
7. 雨音や雪にも強い
素材にアスファルトと粒状石を使用しているため、雨音が室内に響きにくいという遮音性も兼ね備えています。
さらに、表面の天然石の凹凸により摩擦が生まれ、8寸勾配以下であれば雪止め金具が不要なレベルの雪止め性能を発揮。寒冷地にも適した仕様です。
オークリッジスーパーのデメリットと注意点
高性能でデザイン性にも優れるオークリッジスーパーですが、どんな建材にもメリットとデメリットは存在します。採用前に知っておくべき注意点をしっかり把握しておきましょう。
施工には専門技術が必要
オークリッジスーパーは、アスファルトシングル特有の柔軟性を活かしながらも、独自の接着構造や釘打ちラインによって高い耐風性能を実現しています。そのため、適切な施工を行うには、製品特性を理解した専門的な技術と知識が欠かせません。
経験の浅い業者が施工を行った場合、剥がれ・浮き・雨漏りなどのトラブルが発生するリスクも。せっかくの高性能を活かすためにも、オークリッジスーパーの施工実績が豊富な信頼できる屋根業者に依頼することが非常に重要です。
「屋根修理の匠」では、オークリッジスーパーに精通した職人が、正しい工法で丁寧に施工いたします。安心してお任せください。
▼屋根修理の匠に掲載業者が行った施工実績
保証の条件に注意
オークリッジスーパーには、最大40年の製品保証や最大15年の耐風保証など、長期にわたるサポートが用意されています。ただし、これらの保証を受けるためには、
・正規代理店での購入および保証書の取得
・所有権の移転がないこと（名義変更の際は要申請）
・適切な施工がされていること
など、いくつかの条件を満たしている必要があります。これらを知らずに施工してしまうと、万が一の際に保証を受けられないケースもあるため、事前確認が欠かせません。
「屋根修理の匠」では、正規ルートでの仕入れと、保証取得に必要な手続きを適切にサポートしております。初めての方でも安心してご相談いただけます。
アスファルトシングル材特有の注意点
オークリッジスーパーはアスファルトシングル材のため、次のような素材特有のデメリットにも注意が必要です。
鋭利なものや強い衝撃に弱い
アスファルトシングルは柔軟性のある素材ですが、その反面、枝が落ちたり、強く踏みつけたりすると破損する可能性があります。屋根に登る際は特に注意が必要です。
高温下でやや変形しやすい
直射日光や高温状態が続く環境では、材質が軟化しやすく、他の屋根材に比べて若干の変形が起きることがあります。ただし、これは適切な下地処理と通気設計を行うことで抑制できます。
重ね貼りには制限がある
カバー工法が可能なオークリッジスーパーですが、既存の屋根が著しく劣化していたり、通気性や勾配に問題がある場合には施工できないことがあります。事前の現地調査と診断が不可欠です。
リフォームに最適な理由｜屋根カバー工法に対応
屋根のリフォームを検討する際、費用や工期、生活への影響などが気になる方も多いでしょう。そんな方におすすめしたいのが、「カバー工法（重ね葺き工法）」によるリフォームです。
オークリッジスーパーは、このカバー工法に対応している屋根材の一つであり、特に既存の屋根材がスレートやアスファルトシングルなどの平板屋根の場合には非常に適しています。ここでは、なぜオークリッジスーパーがリフォームに最適なのか、カバー工法のメリットと注意点を詳しく解説します。
カバー工法とは？
カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せず、その上から新たな屋根材を被せる工法です。下地の状態によっては、防水紙（ルーフィング）を新たに敷き直してから施工するため、雨漏りのリスクも抑えながら、建物の屋根機能を強化することができます。
オークリッジスーパーはその軽さと柔軟性から、屋根下地への負担が少なく、カバー工法に非常に適した屋根材です。特に、耐震性を意識する日本の住宅事情においては「軽さ」は大きな利点となります。
カバー工法の主なメリット
1. 住みながらリフォームが可能
カバー工法では既存の屋根を剥がさず施工できるため、建物内部に影響が出にくく、引っ越しや仮住まいの必要がありません。工事中も普段通りの生活が送れるため、ご高齢の方や小さなお子様がいるご家庭にも適した工法です。
2. 解体・撤去費が不要でコストを抑えられる
既存の屋根材を撤去するには、廃材処理費用・人件費・運搬費などのコストがかかります。カバー工法ではそれらが不要になるため、トータルの工事費用を大幅に抑えることができます。オークリッジスーパーのように高性能ながらコストパフォーマンスに優れた屋根材を用いることで、コスパの高いリフォームが実現できます。
3. 工期が短く、騒音や粉じんが少ない
屋根材の撤去作業がないため、工期が大幅に短縮されます。また、既存屋根の解体がない分、騒音や粉じんの発生も抑えられ、近隣への配慮という点でもメリットがあります。オークリッジスーパーは施工性に優れており、職人の作業効率も高いため、スムーズな施工が可能です。
4. 防水性の向上
カバー工法では既存の屋根の上に防水紙（ルーフィング）を新たに設置してから屋根材を施工するため、屋根全体の防水性能が格段に向上します。特にオークリッジスーパーは防水性が高く、耐風圧にも優れているため、雨漏りリスクを最小限に抑えながら屋根の寿命を延ばすことができます。
すべての屋根に適用できるわけではない
非常に魅力的なカバー工法ですが、どの屋根にも適用できるわけではありません。以下のようなケースでは、まず専門業者による詳細な調査が必要です。
・既存屋根材の劣化が激しく、下地が腐食している場合
・瓦屋根のように凹凸が大きく、重ね葺きに適さない構造の場合
・屋根の構造強度がカバー工法に耐えられない場合
このようなケースでは、既存屋根の撤去が必要になることもあります。だからこそ、事前に現地調査を行い、最適な工法を提案してくれる信頼できる業者の存在が重要です。
オークリッジスーパーはこんな方におすすめ！
屋根材の選定は、住まいの快適性や安全性、そして美観に直結する重要なポイントです。オークリッジスーパーは、次のようなお悩みやご希望をお持ちの方に特におすすめできる屋根材です。
地震・台風に強い軽量屋根をお探しの方
日本の住まいは、地震や台風といった自然災害への備えが欠かせません。オークリッジスーパーはアスファルトシングル材のため非常に軽量で、地震時の揺れを受けにくく、建物の構造体にもやさしい設計です。また、風速約60m/秒の耐風性能を誇るため、台風時にも屋根材が飛散しにくく、安心感が違います。
屋根の色褪せや藻の付着に悩んでいる方
「屋根がまだ新しいのに、もう黒ずんできた…」という声は少なくありません。オークリッジスーパーには、藻やカビの発生を抑える「防藻剤」が標準で配合されており、美しい屋根色を長期間キープできます。さらに、表面の天然石グラニュールが紫外線から屋根を守り、色褪せの進行も防いでくれます。
美しい外観を長く保ちたい方
住まいの印象は、屋根のデザインに大きく左右されます。オークリッジスーパーは陰影のある立体的なデザインと、自然な色合いのカラーバリエーションが魅力です。まるで高級感のある瓦屋根やスレート屋根のような外観を演出しながら、耐久性・メンテナンス性にも優れており、美しい外観を長く維持できます。
リフォームで屋根を一新したい方
既存の屋根に重ねて施工できる「カバー工法」に対応しているため、屋根の全面リフォームを低コスト・短工期で実現できます。施工中も普段通りの生活が送れるため、住み替えや仮住まいの必要がなく、リフォームのハードルを大きく下げてくれます。
環境負荷を減らしたいと考えている方
オークリッジスーパーは、製造時のエネルギー消費を抑え、リサイクル可能な素材を使用している点でも注目されています。さらに、優れた断熱性によって冷暖房効率が向上し、エネルギー消費の削減にもつながります。環境への配慮と経済性を両立したい方にもぴったりの屋根材です。
他の屋根材との比較
屋根材はそれぞれに特徴があり、何を重視するかによって最適な選択肢が異なります。ここでは、代表的な屋根材と「オークリッジスーパー」の性能を比較し、選定の参考になるよう整理しました。
| 屋根材 | 耐久性 | 重量 | 断熱性 | メンテナンス性 | デザイン性 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| スレート | 約20～30年 | 軽量 | 普通 | 定期塗装が必要 | 標準的 | 比較的安価 |
| ガルバリウム鋼板 | 約25～35年 | 非常に軽量 | やや低い | 錆や塗膜の劣化に注意 | シャープ系 | 中価格帯 |
| SGL鋼板 | 約30～40年 | 非常に軽量 | やや低い | 高耐食でメンテ少 | スタイリッシュ | 中～やや高価格帯 |
| 瓦（和瓦・洋瓦） | 約40～60年 | 重量あり | 高い | 基本不要 | 重厚感あり | 高価格帯 |
| オークリッジスーパー | 約30～40年 | 軽量 | 高い | メンテナンスほぼ不要 | 多彩で立体感ある外観 | 中価格帯 |
屋根材選びは、住宅の耐久性や快適性、そして外観に大きく影響を与えます。ここでは、スレート・ガルバリウム鋼板・SGL鋼板・瓦と「オークリッジスーパー」の違いを、それぞれの特徴や性能面から詳しく解説します。
スレートとの違い
スレート屋根（化粧スレート）は、日本国内で多くの住宅に使われてきたポピュラーな屋根材であり、施工費用が比較的安価なのが特徴です。しかし、その一方で耐久性はおおむね20～30年程度と短めで、10～15年ごとに塗装メンテナンスが必要になります。塗膜が劣化すると、防水性が失われ、雨漏りやひび割れなどの不具合につながる可能性もあります。
一方、オークリッジスーパーは表面に特殊な無機質のセラミック粒をコーティングしており、色あせや紫外線による劣化に強く、再塗装の必要がほとんどありません。このため、長期的に見た際のメンテナンスコストが抑えられ、結果的にトータルコストでも優位となる場合があります。
さらに、スレートは雨音が直接室内に響きやすい構造ですが、オークリッジスーパーはアスファルト層とグラスファイバー基材の多層構造により遮音性が高く、静かな住環境を実現できる点も大きな違いです。
ガルバリウム鋼板との違い
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンからなる合金メッキを施した鋼板で、軽量かつ高い耐久性を持つことから、近年非常に人気のある屋根材です。特に金属特有のシャープでモダンな外観は、スタイリッシュな住宅に多く採用されています。
しかしその一方で、金属屋根は断熱性や遮音性が低いというデメリットがあります。例えば、夏場は屋根からの熱が伝わりやすく、エアコン効率が下がったり、雨天時には雨音が室内に響いて生活の快適性を損なう場合も。
これに対して、オークリッジスーパーはアスファルトとグラスファイバーの中間層による優れた断熱・遮音効果を発揮。外気温の影響を受けにくく、室温を安定させやすい構造となっています。見た目においても、立体感のあるデザインが特徴で、金属屋根とは異なる柔らかな印象を与える外観に仕上がります。
SGL鋼板との違い
SGL鋼板（スーパーガルバリウム鋼板）は、ガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えて耐食性を向上させた最新鋭の金属屋根材です。従来のガルバリウムに比べて約3倍の耐食性能を持ち、沿岸地域や酸性雨が多い地域でも長期間の使用が可能とされています。
ただし、SGL鋼板も金属屋根である以上、結露しやすい・熱や音が伝わりやすいといった構造的な弱点は共通しています。これらを補うには、別途断熱材の追加施工などが必要になるケースもあり、工事費用がかさむ可能性もあります。
一方、オークリッジスーパーは金属を使用していない非金属系の屋根材で、熱伝導率が低く、断熱性・遮音性・結露対策において優れた性能を発揮します。見た目も金属屋根のような冷たさがなく、洋風・和風問わず幅広い住宅スタイルに調和する点でも選びやすい屋根材といえます。
瓦との違い
瓦屋根は日本の伝統的な屋根材で、陶器瓦やセメント瓦など種類もさまざまです。特に陶器瓦は高い耐久性（50年以上）と断熱性を持ち、塗装メンテナンスも不要な点が魅力です。また、重厚感と格式ある見た目で、和風建築には欠かせない存在です。
しかしながら、瓦は非常に重量があるため、屋根構造への負荷が大きく、地震時の揺れにも弱くなるという懸念があります。そのため、耐震性を重視する近年の住宅では、軽量屋根材への葺き替え需要が増加しています。
オークリッジスーパーは、瓦の約1/4の軽さながら、表面に立体感のある意匠を施すことで瓦に近い重厚感を演出。特にカバー工法でのリフォームにも対応できるため、現代の住宅性能と美観のバランスを重視したい方に最適な選択肢となっています。
まとめ
「オークリッジスーパー」は、優れた耐久性・防水性・耐風性に加え、美しい外観、環境配慮など、屋根材として理想的な要素を多数備えています。軽量で施工性も高く、地震や台風といった自然災害にも強いことから、リフォームを検討する多くの方にとって最適な選択肢となるでしょう。
とはいえ、どれだけ優れた屋根材でも、適切な施工が行われなければ本来の性能を発揮できません。だからこそ、信頼できる施工業者の存在が不可欠です。
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