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「軽量瓦」と「軽量屋根材」の違い
本来、屋根材というのは雨風から建物を守るためのものであり、防水性や耐久性が重要視されていました。
しかし、多発する地震、そして30年以内に高確率で発生すると言われる東南海トラフ地震に備えて、近年では「耐震性」も重要視されるようになっています。
その中で注目されているのが、「軽量瓦」、そして「軽量屋根材」です。
一見すると同じようなものに見えますが、実は「軽量瓦」と「軽量屋根材」は別物です。
一般の方があまり知らない「軽量瓦」と「軽量屋根材」の違い、そしてその注意点をご説明します。
まず、「軽量瓦」とは一体どのようなものを指すのでしょうか?
瓦は粘土を焼いて作られるというのはご存知かと思いますが、「軽量瓦」とは素材が従来の粘土よりも軽い粘土で作られた瓦になります。
つまり、姿形や製法は従来通りの瓦ですが、素材が軽い粘土で作られているという事ですね。
一方、「軽量屋根材」とは何でしょう?
簡単に言えば、昔からあるスレート系の素材に樹脂と繊維を混ぜて作られた屋根材に塗装をしたものになります。
つまり、軽量屋根材は瓦とは全くの違うものなのです。
日本では昔から屋根材には瓦が多く使われ、屋根材といえば瓦というイメージがありますが、瓦よりも軽量な屋根材を総称して「軽量屋根材」と呼んでいるのです。
具体的に重量を見てみましょう。
瓦:約45㎏ / ㎡
軽量瓦:約38.5 / ㎡
化粧スレート:約20㎏ / ㎡
金属屋根:約5㎏ / ㎡
樹脂繊維セメント複合材:約20㎏ / ㎡
上記のように「軽量瓦」と「軽量屋根材」は呼び名こそ似ているものの、全く違うものというのがお分かりいただけたかと思います。
しかし、「ではどちらにしますか?」と聞かれても、何を基準に選べば良いのかわからないのではないでしょうか。
「軽量瓦」と「軽量屋根材」の特徴を端的にまとめると次のようになります。
耐久性を重視するなら「軽量瓦」
耐久性が非常に高く、施工後のメンテナンス費を抑えることができる。
初期費用はかかるが、長い目で見ると屋根にかけるトータルコストが安価になる。
軽さを重視するなら「軽量屋根材」
とにかく軽いので耐震性に優れるが、メンテナンスとして再塗装の必要がある。
初期費用は抑えることができるが、トータルコストは高価になる。
「軽量屋根材」はその軽さ、耐震性の高さが魅力的ではありますが、全て塗装品となります。
塗装には寿命があり、およそ10年毎の再塗装が必要となります。
再塗装をしなければ、屋根材表面は色褪せしてしまい、防水性などの屋根材に必要な機能も大きく損なわれてしまいます。
一方、瓦は耐用年数が50年と屋根材の中でも圧倒的に長く、10年程度では色褪せも起こらず機能も全く損なわれません。
屋根の再塗装の費用は、施工面積にもよりますが平均で80〜90万円程度です。
施工時と同等か、もしくは施工時より高額な再塗装が10年毎にやってくる、これは屋根材選びにおいて非常に重要なポイントとなります。
軽さや耐震性も重要ですが、長い目で見た場合のトータルコストも十分検討して屋根材を選びましょう。
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