樹脂製屋根部材「エコランバー」の特徴やメリット・デメリット

「エコランバー」という屋根部材をご存知でしょうか?

エコランバーは、フクビ化学工業株式会社が販売する樹脂製の屋根部材です。瓦設置用の瓦桟としての役割、スレート屋根を設置する際の貫板の2種類がラインナップされています。

エコランバーは木材や樹脂のデメリットをカバーする、今後の主流になる屋根部材と期待されています。

そこで今回は、樹脂製の屋根部材エコランバーの特徴やメリット・デメリットについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

「エコランバー」は腐食の心配がない樹脂製の屋根下地材

エコランバーは、フクビ化学工業株式会社が販売する樹脂製の屋根部材です。木製の貫板や瓦桟に比べて大幅な耐久性が期待できます。

▷参考サイト:FUKUVI製品サイト

樹脂製屋根部材「エコランバー」の特徴

エコランバーの特徴は以下の5点です。

  • ・環境にやさしい
  • ・施工性に優れている
  • ・熱に強い設計
  • ・すでに水抜き加工がされている
  • ・耐風や耐震性に優れている

それぞれ解説します。

環境にやさしい

エコランバーの特徴は樹脂製のため、木材のように腐食の心配がありません。エコランバーの素材は、家庭や工業施設から廃棄されるプラスチックを再利用しています。

マテリアルリサイクルと呼ばれるリサイクル方法を利用して、回収されたプラスチックから異物などを取り除いて新たな製品の原料として再利用する方法です。

施工性に優れている

エコランバーは切断加工や釘で固定することができ、これまでの木材と同様の施工手順で設置が可能です。

また、エコランバーには滑り止め加工がされています。これは施工者が足をかけることを考慮した安全に配慮された設計である点も特徴のひとつです。

熱に強い設計

これまでの樹脂製は熱に弱いことがデメリットとして挙げられていました。しかし、エコランバーは熱にも強い樹脂を使用しており、70℃以上にも耐えられる設計となっています。

すでに水抜き加工がされている

木材の瓦桟の場合、ウォーターフォールと呼ばれる雨水を排出する溝を加工して取り付けなければいけませんでした。エコランバーの場合はすでに水抜きの溝が入っているため、加工の手間がかかりません。

耐風や耐震性に優れている

エコランバーは風速40m/sの強風にも耐えられる設計です。また、震度6に相当する地震にも耐える設計になっており、台風や地震が多い日本でも安心です。

エコランバーのラインナップ

スレート屋根用と粘土瓦屋根用の2種類がラインナップされており、用途も細かく分かれています。

粘土瓦屋根用

・瓦桟K1530:瓦桟として使用
・瓦桟H4035:鼻桟・登り淀として使用
・瓦桟HT40100:鼻桟・登り淀として使用
・瓦桟HT4090:鼻桟・登り淀として使用
・瓦桟M4343:棟垂木として使用

化粧スレート屋根用

・瓦桟N1845:棟垂木として使用
・瓦桟M1890:棟笠木として使用

瓦桟とは

「かわらざん/かわらさん」と読み、「桟木(ざんぎ)」と呼ばれることもあります。瓦を固定する木材のことです。この木材は「桟(ざん)」と呼ばれます。

下地材>桟>瓦の順に設置し、瓦を引っ掛けてビスで固定します。瓦桟に使用される木材は腐食に強い杉が使われることが多く、防腐剤を塗って腐食のリスクを軽減させています。

しかし、瓦桟は木材であることに変わりはないため、経年劣化で反りや腐食といった不具合はどうしても起こってしまいます。

そうした問題を解決するために、雨水の影響を受けにくく反りなどの変形も防げる樹脂が注目されています。

樹脂製屋根部材「エコランバー」のメリット・デメリット

樹脂製屋根部材「エコランバー」のメリットとデメリットを解説します。

メリット

メリットは以下の4点です。

  • ・腐食しない
  • ・反りや変形しにくい
  • ・木材と同様に切断やクギ打ちが可能
  • ・安定供給が可能

エコランバーは樹脂でできているため雨水を吸わず、木材のように腐食しません。樹脂製になったことで、これまで木材では手間がかかる防腐処理をしなければなりませんでしたが、そういった取り扱いの不便さも解消されています。

また、木材は時間が経つと反りや変形が起こりますが、樹脂の場合は反りや変形が起こりにくい素材です。

樹脂製は木材と同様に切断加工やクギ打ちも可能なため、施工性も問題ありません。さらに、樹脂の場合は人工的に作られるため品質が一定に保てるため、安定供給も可能な点はメリットです。

デメリット

デメリットは以下の2点です。

  • ・木材に比べて値段が高い
  • ・樹脂製は割れやすい

エコランバーは樹脂製のため、木材に比べて単価が高いことです。製品単価が高くなれば総じて工事の費用も上がってしまいます。

しかし、樹脂製のメリットを考えると、長期的に見てメンテナンス頻度が減ると考えればコストパフォーマンスに優れているといえます。

ほかのデメリットとしては、力が加わると割れやすいことです。そのため、固定する際のビスを打つ角度や場所に気をつける必要があります。

樹脂製屋根部材「エコランバー」への交換方法

エコランバーは粘土瓦用とスレート屋根用の2種類があります。それぞれの交換方法を解説します。

粘土瓦の場合

粘土瓦は、野地板の上に防水シート(ルーフィング)を張ったあと、その上にエコランバーを設置します。

エコランバーは瓦に対して水平(横)に設置するため、屋根の頂上から流れてきた雨水をせき止めてしまう形になります。何の対策もしないと野地板に雨水が染み込み腐食してしまいます。

その対策として、ウォーターフォールと呼ばれる雨水を通す穴をあけて排出対策をします。その後通常の瓦桟と同様に釘を使って固定します。

スレート屋根の場合

樹脂製の屋根部材のエコランバーへの交換方法は、現在取り付けられている棟板金を一度取り外す必要があります。

外した後は野地板や防水シート(ルーフィング)に雨漏りなどの劣化症状がないかを確認してから作業するようにしましょう。

確認後はエコランバーをスクリュー釘を使って固定します。固定後は棟板金を設置し、ビスで固定します。棟板金の設置後は隙間から雨水が浸入しないようコーキング剤で隙間を埋めて作業完了です。

瓦桟や貫板の劣化を放置するとどうなる?

瓦桟や貫板の劣化を放置すると、雨漏りが起こります。

瓦桟や貫板でこれまで長く使われてきたのが木材です。その中でも杉が腐食に強いとして使われてきました。

設置する際は防腐剤を施工して腐食を防いでいましたが、それでも雨水や湿気の影響を受け続けると傷んでしまいます。

木材の貫板や瓦桟が腐食すると、瓦のズレや棟板金のズレが発生し雨漏りにつながることがあります。

瓦のズレや棟板金のズレなどは地震や強風、飛来物、経年劣化などさまざまな原因が考えられます。雨漏りを引き起こさないためにも、定期的に点検やメンテナンスが必要です。

エコランバーの設置を依頼する際の業者選びのポイント

エコランバーの設置を依頼する際の業者を選ぶポイントは以下のとおりです。

  • ・屋根修理を専門とする業者に依頼する
  • ・複数の業者へ相見積もりを取る
  • ・見積もりの内容が明瞭で説明が丁寧か
  • ・地域密着の職人直営の業者を選ぶ
  • ・業者独自の保証やアフターサービスを設定しているか

それぞれ解説します。

屋根修理を専門とする業者に依頼する

瓦桟や貫板は屋根に関係する建材です。エコランバーの設置を依頼する際は、屋根修理専門業者へ依頼するようにしましょう。

屋根に関連する工事はハウスメーカーや工務店、リフォーム専門業者でも工事は可能です。新築で建てた場合、保証期間内であればハウスメーカーの保証制度を利用しないと、のちの保証が継続されない可能性もあるため、この場合はハウスメーカーになります。

上記以外の場合は、屋根修理専門業者がおすすめです。工務店やリフォーム業者の場合、下請けや孫請けへ依頼することも多く、費用が割高になります。また、屋根に精通していない業者の場合は間違った工事をされてしまう可能性もあります。

屋根修理専門業者であれば、屋根の知識に精通しており、施工や修理のスペシャリストです。屋根の状態を判断し、最適な工事を提案してくれ、予算に合った工事をしてくれるでしょう。

複数の業者へ相見積もりを取る

業者へエコランバーの施工を依頼する際は、必ず複数の業者へ見積もりを取って工事価格を比較することをおすすめします。

業者は3社程度が決めやすくておすすめです。複数の業者を比較しないと、余計な工事費用を支払ってしまう恐れがあるためです。

工事価格は家の状況を詳しく調査して、その家の状態に合った価格を割り出します。そのため業者によって、使用する建材や工賃などが異なります。

業者によっては、利益を上乗せして工事相場よりも高く設定してくる業者もいます。本来払わなくてよい費用を支払ってしまう恐れがあるため、必ず工事相場を把握してから決めるようにしましょう。

見積もりの内容が明瞭で説明が丁寧か

見積もりの内容にも注意して見てみましょう。見積もりに記載されている建材のメーカー名や作業工程がしっかりと書かれているかを確認してください。

「エコランバー施工費用一式」などと、まとめている業者は要注意です。本来使用する建材のグレードを低いものにしたり、作業工程を省いて利益を上乗せしている場合もあります。

記載された見積もりの内容についても質問してみましょう。きちんと記載している業者は、なぜその建材や作業工程が必要なのかをしっかりと説明できます。質問に対して明確な答えが返ってきます。

見積書の内容は面倒くさがらずに、しっかりと契約前に確認することをおすすめします。

地域密着の職人直営の業者を選ぶ

瓦桟、貫板の設置を依頼する際は、地域に密着している職人直営店の業者がおすすめです。長く地域で活動している業者は、地域から信頼されています。地域密着型であれば、その土地の特性を理解しており、地域に合った建材や塗料などを提案してくれます。

また、職人直営店であれば適正価格で工事も可能です。職人直営店は実際に作業する職人がお客様とのやり取りや工事作業をするため、中間マージンを取りません。

ハウスメーカーや工務店、リフォーム業者などは下請けに依頼することが多く、中間マージンが発生するため費用が割高になります。

その点、職人直営店であれば自分たちで作業するため適正価格で工事が可能です。相談などの窓口からアフターフォローまで一貫しています。何か不具合があってもすぐに駆けつけてくれ対応も早いです。

業者独自の保証やアフターサービスを設定しているか

優良な業者でも工事後に不具合が起こることもあります。万が一不具合が起こっても、保証やアフターフォローがあれば安心です。

たとえば、雨漏り修理であれば工事後に雨漏りが直っているかを再度調査をしたり、5年や10年といった長期保証を設定しているかです。業者によっては部分保証も設定している業者もいます。

工事後は無償点検や定期点検などのアフターフォローを実施している業者かどうかも確認してみましょう。保証内容などは必ず契約前に確認するようにしましょう。

まとめ

今回は、樹脂製屋根材の「エコランバー」の特徴やメリット・デメリットを解説しました。エコランバーは、フクビ化学工業株式会社が販売する樹脂製の屋根の下地材です。粘土瓦に使用できる瓦桟の役割、スレート屋根の貫板の役割と2種類のラインナップがあります。

エコランバーは樹脂製のため腐食の心配がありません。木材で行っていた防腐処理などの取り扱いの不便さを解消しています。樹脂もマテリアルリサイクルと呼ばれる回収されたプラスチックから再生されているため環境に優しいのも特徴です。

エコランバーのメリットは以下のとおりです。

  • ・腐食しない
  • ・反りや変形しにくい
  • ・木材と同様に切断やクギ打ちが可能
  • ・安定供給が可能

デメリットは以下です。

  • ・木材に比べて値段が高い
  • ・樹脂製は割れやすい

エコランバーは、デメリットにもあるとおり割れやすいこともあり、施工に慣れた屋根修理の専門業者へ依頼することが大切です。

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