ベランダの屋根修理は業者に依頼するべき?修理方法や費用について

ベランダ屋根は部屋への直射日光を遮ったり、雨の日でも洗濯物を干せたりといったメリットがあるので、重宝している方も多いのではないでしょうか。

しかし、ベランダ屋根は長い間放置すると、雨風や紫外線が原因で著しく劣化します。ベランダ屋根の劣化は部材に錆が発生するほか、破損したパネルが飛散する恐れもあるため、早急に対処する必要があります。修理する場合は、高所作業による危険を伴うので業者に依頼することがベストです。

本記事ではベランダ屋根の修理方法や費用、さらには修理費用を安く抑える方法をわかりやすく解説します。

「長年ベランダ屋根をメンテナンスしていない」「費用を安く抑えてベランダ屋根を修理したい」といった場合は、ぜひ参考にしてください。

ベランダ屋根の劣化症状

はじめに、ベランダ屋根が劣化した際に見られる症状を紹介します。長い間ベランダ屋根をメンテナンスしていない方は、ご自身で確認できる範囲をチェックしてみると良いでしょう。

ベランダ屋根の劣化症状は、次のとおりです。

・剥がれや破損が見られる

・固定部分の外壁材にひびがある

・支柱や固定金具に錆が発生している

順に解説していきます。

剥がれや破損が見られる

経年劣化や強風の影響により、ベランダ屋根のパネルがバタバタと動いている、または一部が割れているといったケースがあります。特に、風向きによって強風の影響を受けやすい環境である場合は要注意です。また、積雪によってベランダ屋根のパネルが破損することもあります。

固定部分の外壁材にひびがある

ベランダ屋根は外壁にビスで固定されているケースが一般的です。ベランダ屋根が経年劣化すると、ビスが抜けたり、ビス穴付近の外壁にひびが入ったりするリスクがあるので注意しましょう。

支柱や固定金具に錆が発生している

金属製の支柱が使われているベランダ屋根は、錆に注意する必要があります。また、柱を固定する金具も同様です。金属部分は雨水の水分によって錆が発生しやすいため、錆の発生による腐食が起きやすいといえるでしょう。

ベランダ屋根の劣化を放置するとどうなる?

ベランダ屋根は雨風や紫外線の影響により劣化しやすく、あらゆる症状が見られるようになります。もしひとつでも当てはまる症状があれば、早期に対処しなければなりません。ベランダ屋根をメンテナンスせずに放置してしまった場合は、以下のようなことが危惧されます。

・強風による倒壊

・近隣への被害

・外壁材からの雨漏り

それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

強風による倒壊

ベランダ屋根のパネルがバタバタと動いていたり、固定しているビスが緩んでいたりする場合は、強風による倒壊が懸念されます。特に、台風接近時には倒壊するリスクが高まるでしょう。

また、支柱が錆の発生で腐食している場合は一定の強度を保てず、本体ごと倒れる危険性も考えられます。

近隣への被害

ベランダ屋根は、近隣へ被害を及ぼす危険性があります。たとえば「破損したパネルが飛散して、隣家の屋根にぶつかってしまった」「ベランダ屋根が支柱ごと倒れて落下し、近隣の車を傷つけてしまった」というケースは少なくありません。

また、倒壊したベランダ屋根が落下し、通行人にケガをさせてしまうという最悪のケースも危惧されます。

このように、ベランダ屋根の劣化は近隣トラブルの引き金となりかねないので、細心の注意を払う必要があると心得ておきましょう。

外壁材からの雨漏り

前述したとおり、ベランダ屋根は外壁にビスで固定されているため、ビスが抜けたり、ビス穴付近の外壁が割れたりするリスクがあります。もしビスが抜けている、あるいは外壁にひびが入っている場合は、雨水の侵入リスクが懸念されます。

外壁から雨水が侵入すると、室内の壁や天井に雨漏りが発生し、大規模な雨漏り修理をしなければなりません。また、雨漏りの発生はシロアリや漏電事故といった二次被害にも発展する恐れもあるので注意しましょう。

ベランダ屋根の修理方法と費用目安

ベランダ屋根の劣化を放置すると、近隣トラブルを引き起こすほか、大規模な雨漏り修理を必要とするリスクがあるので、できるかぎり早い段階で対処することが必須です。しかし「修理にはどれくらいの金額がかかるのだろう‥‥」と不安に思う方も多いでしょう。

そこで、ベランダ屋根の修理方法と合わせて費用の目安を紹介します。なお、修理費用に関してはベランダ屋根の状態や周辺の劣化状況、立地によって異なるので、あくまでも目安として参考にしてください。

屋根を部分的に交換する

ベランダ屋根のパネルが部分的に破損している場合は、一部のパネル交換で修理を済ませることが可能です。パネルの交換費用は、1枚につき3万円が相場となります。

ただし、パネルの損傷箇所が複数あったり、屋根本体に経年劣化が見られたりするケースでは、ベランダ屋根を丸ごと交換するほうが得策でしょう。

一方、場合によっては作業の安全性を確保するために足場の設置を必要とします。足場が必要なら、あらかじめ費用を確認しておきましょう。

屋根を全体的に交換する

ベランダ屋根のパネルが複数の箇所で破損している場合は、全体的な交換がおすすめです。全体交換は処分費も合わせて10万〜20万円が目安となりますが、足場が必要な場合は追加で費用が発生するので気をつけましょう。

支柱も含めて交換する

ベランダ屋根のパネルだけでなく、支柱にも経年劣化が見られる場合は、支柱も含めた交換が必須です。もし支柱を固定するビスが抜けていたり、ビス穴付近にひびがあったりした場合は、ビス穴付近の外壁を補修する手間もかかるでしょう。

ちなみに、支柱ごと交換する費用は、20万〜50万円が目安となります。

ベランダ屋根を撤去する

今後の住まい方を考えたうえで、ベランダ屋根を撤去する方法もひとつです。たとえば「洗濯物を干す場所を1階に移した」もしくは「ベランダ屋根に面した部屋は使わなくなった」という住まい方の変化があれば、撤去を検討するタイミングかもしれません。

ベランダ屋根を使わないまま放置しておくと、近隣に危害を及ぼすほか、外壁から雨漏りが発生するリスクもあるので、早い段階での撤去を視野に入れましょう。

なお、ベランダ屋根の撤去費用は5万〜10万円が相場となります。

ベランダで使われる屋根材の種類と価格

ベランダ屋根に使われる屋根材にはあらゆる種類があり、それぞれ単価や耐用年数が異なります。そのため、ベランダ屋根の交換を検討している方は、どの屋根材が適しているのかをあらかじめチェックしておきましょう。

ベランダ屋根に使用される屋根材は、以下3つに大別されます。

・波板

・パネル

・金属

では、それぞれを種類ごとに探ってみましょう。

波板

波板は比較的安価で、加工しやすい特徴があります。また以下のように、波板にも複数の種類があります。

・塩化ビニル樹脂

・ガラスネット

・ポリカーボネート

それぞれの単価と耐用年数は、次のとおりです。

種類 1枚あたりの単価 耐用年数
塩化ビニル樹脂 約500円〜700円 5年
ガラスネット 約700円〜900円 7年
ポリカーボオネート 約700円〜900円 10年

 

費用を安く抑えたいのであれば、安価の「塩化ビニル樹脂」がおすすめです。しかし、長期的な視野で修理するなら、耐用年数が長い「ポリカーボネート」を選んでおけば間違いないでしょう。

パネル

パネルには「アクリル」と「ポリカーボネート」の2種類があります。アクリルは透明度の高さと優れた耐久性が特徴です。

一方、ポリカーボネートはアクリルの約20倍もの耐久性があり、紫外線の影響を受けづらい性質をもっています。そのため、ベランダ屋根だけでなくカーポートやテラス屋根にも多く使われています。

それぞれの単価と耐用年数は、以下のとおりです。

種類 1枚あたりの単価 耐用年数
アクリル 2,000円〜 7年
ポリカーボネート 4,000円〜 15年

 

パネルの価格は比較的高いものの、耐用年数が長いことからコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

金属

ベランダ屋根には「カラートタン」や「ガルバリウム鋼板」といった金属製の屋根材が使われるケースがあります。主に、金属製のベランダ屋根は風が強い地域や積雪の多い地域で採用されることが多く、屋根庇として役割を果たしています。

それぞれの単価や耐用年数は、以下のとおりです。

種類 1枚あたりの単価 耐用年数
カラートタン 700円〜900円 15年
ガルバリウム鋼板 900円〜1,200円 20年

 

なお、どちらも定期的な塗装によるメンテナンスを行い、錆の発生を防ぐことが必要です。

ベランダ屋根はDIYで修理できる?

ベランダ屋根の破損や劣化を発見したら「自分で何とか修理しなければならない」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。また「DIYにより修理代金を抑えたい」と考える方も少なくないでしょう。

ベランダ屋根をDIYで修理する場合は、防水テープを使った一時的な処置程度であれば問題ありません。たとえば、破損しているパネルに防水テープを貼って一時的に飛散を防ぐほか、広がったビス穴を防水テープで塞ぐことは有効です。ただし、高所作業による落下リスクを伴う場合は、応急処置であっても控えましょう。

一方、素人によるDIYの場合はプロが行うような十分な修理ができず、ベランダ屋根の状態が悪化する恐れもあります。

したがって、ベランダ屋根の修理ははじめからプロに任せ、DIYでの修理は控えるようにしましょう。

ベランダ屋根の修理費用を安く抑える方法

ベランダ屋根の修理は、できるかぎり早い段階でプロに依頼することが得策です。ただし、ベランダ屋根の劣化が著しいほど修理費用が高くなるので、予算の確保が難しいケースもあるでしょう。

ここでは、ベランダ屋根の修理費用を安く抑える方法について解説します。修理を検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。

火災保険を適用する

ベランダ屋根の修理を依頼する際は、火災保険の保障対象となるかをあらかじめチェックしましょう。火災保険とは風災や水災、雪災といった「自然災害」が原因で被害を受けた場合に保障をされる制度です。

たとえば「台風の影響でベランダ屋根のパネルが飛散した」「大雪でベランダ屋根の支柱が折れた」というケースでは、火災保険が適用される可能性が高いでしょう。火災保険が適用されれば保険金がおりるので、修理代金の全額または一部をまかなえます。

なお、火災保険の適用は申請期間や修理金額などの制約があるので、必ずしも保障されるとはかぎりません。また、火災保険を利用するためには、被害状況がわかる写真を「修理前後」に撮影する必要があるので、業者に撮影を依頼しておくことが重要です。

相見積もりを取る

修理費用は、依頼する業者によってばらつきがあります。そのため、依頼する業者を検討する際は「相見積もり」を取って適切な価格を見極めなければなりません。

相見積もりとは、A社に見積書をお願いして、その見積書をB社に提示して価格交渉することをいいます。相見積もりによって各業者の修理費用がわかるだけでなく、営業スタイルや対応も比較できるので、業者選びには有効な手段であるといえるでしょう。

一方、やたらと値引きを仕掛ける業者には要注意です。たとえば「修理費用が50万円のところ、今契約すると20万円になります」と提案された場合、最初に提示していた50万円は適正な価格ではない可能性が浮上します。

また「火災保険を使って無料で修理できます」と宣伝している業者にも注意したいところです。先ほど述べたとおり、火災保険は必ずしも適用されるとはかぎりません。もし、火災保険がおりなかった場合は全額自己負担となるので、修理費用をめぐってトラブルが発生するでしょう。

高額な修理費用を請求されないためにも、あらかじめ適性な価格を見極めることが重要です。また、業者とのトラブルに巻き込まれないためにも、怪しい値引きや営業には注意を向けるようにしましょう。

まとめ

今回はベランダ屋根の修理方法や費用の目安、修理方法を安く抑える方法について詳しく解説しました。

ベランダ屋根の劣化を放置すると、屋根材が倒壊したり、近隣に危害を及ぼしたりするリスクがあるので、劣化が見られた際は早急な対応が必要です。ベランダ屋根に破損箇所が複数あるほか、全体的な経年劣化が見られる場合は支柱ごと交換すると良いでしょう。

また「洗濯物をベランダではなく1階に干すようになった」「ベランダ屋根に面する部屋は使わなくなった」など、生活スタイルの変化でベランダ屋根が不要となれば、思い切って撤去する方法も検討しましょう。

一方、ベランダ屋根の修理をDIYで行う場合は、防水テープを使ったパネルの飛散防止やビス穴からの雨漏り防止に留めるのが得策です。ベランダ屋根の修理は高所作業による危険を伴うので、はじめからプロに依頼しましょう。

屋根修理の匠では、各都道府県の優良屋根修理業者を探すことができるので「業者選びには不安がある」「適切な修理方法を提案してほしい」という方はぜひ活用してみてください。

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