屋根の遮熱方法とは?屋根の遮熱リフォームを徹底解説

2階の部屋が暑くて困った経験をしたことはありませんか?屋根を遮熱リフォームすれば、屋根の温度上昇を抑えられるので、同時に2階の暑さを和らげることができます。しかし遮熱リフォームと言われても、未経験の方にはわかりにくいですよね。そこで今回は、屋根における遮熱リフォームの方法や価格相場などについて解説します。遮熱リフォームを理解すれば、あなたに合った屋根の遮熱方法がわかりますよ。

屋根における遮熱リフォームの方法3つ

屋根の遮熱性能を上げるリフォームには、大きく3つの方法があります。

・遮熱塗装

・遮熱機能付き屋根材へ葺き替え

・遮熱シート貼り

ここでは、これら3つの遮熱リフォームについてくわしく解説します。

遮熱塗装

「遮熱塗装」とは、屋根に「遮熱塗料」を塗装して遮熱性能を高めることをいいます。屋根に遮熱塗装をすることで、屋根材における熱エネルギーの吸収が軽減されるため、温度上昇を抑えられます。

特に、陸屋根の建物では、屋根に近い最上階において遮熱効果を実感できるでしょう。しかし、屋根が著しく劣化している場合は、遮熱塗装が不可能な場合もあるので、屋根の葺き替えやカバー工法(重ね葺き)などを検討しましょう。

遮熱機能付き屋根材へ葺き替え

築20年以上の建物なら「遮熱機能付きの屋根材への葺き替え」も遮熱リフォームとして非常に有効です。

遮熱機能付きの屋根材は、遮熱性能の高さだけでなく耐久性の高いものも多いため、リフォーム予算や今後のライフスタイルに合わせて屋根材を選択しましょう。

なお、屋根のカバー工法(重ね葺き)に遮熱機能付きの屋根材を採用する場合は、建物の耐震性が低下しないよう事前に構造計算をおすすめします。

遮熱シート貼り

前回のメンテナンスから日が浅く、屋根の状態が良い場合には、屋根表面または屋根裏に遮熱シートを貼ることで、屋根の遮熱性能を向上させることができます。

また、遮熱シート貼りは遮熱塗装に近い遮熱効果が期待できます。しかし一方で、勾配屋根などへの遮熱シート施工は、屋根裏に熱がこもりやすくなり、屋根裏の換気対策が必要といったデメリットもあります。

屋根の遮熱リフォームで使用する材料の特徴

屋根の遮熱リフォームで使用する材料は、次の3つがあります。

・遮熱塗料

・遮熱機能付き屋根材

・遮熱シート

ここではこれら3つの材料について、それぞれ特徴を解説していきます。

遮熱塗料

遮熱塗料とは、太陽光を反射させて屋根の温度上昇を抑制する塗料のことをいいます。

屋根に遮熱塗料を塗装すると、屋根の表面温度を最大で15〜20℃低下させる功があると言われており、これにより暑い時期におけるエアコンなどの電気代削減も期待できます。

遮熱機能付き屋根材

遮熱機能付き屋根材とは、文字通り遮熱機能を持っている屋根材のことをいいます。耐久性が高いため、一度遮熱機能付き屋根材に葺き替えてしまえば、その後の屋根におけるメンテナンスが楽になります。

前述のとおり、遮熱塗料による塗り替えのできない場合には、遮熱機能付き屋根材を用いた屋根の葺き替えやカバー工法(重ね葺き)を検討しましょう。

遮熱シート

遮熱シートとは、表面のアルミ箔によって輻射熱を反射するシートのことをいいます。屋根の表面や屋根裏などに遮熱シートを貼るだけというシンプルな施工方法で、夏場はもちろん冬場でも遮熱効果が期待できます。

屋根の遮熱リフォームにおすすめの商品

ここでは、先ほど解説した遮熱リフォームで使用する3つの材料において、各メーカーが販売しているおすすめの商品を紹介していきます。

遮熱塗料のおすすめ商品3選

屋根の遮熱リフォームにおすすめの遮熱塗料は、次の3つです。

・ガイナ(日進産業)

・サーモアイシリーズ(日本ペイント)

・クールタイトシリーズ(エスケー化研)

それでは、それぞれ見ていきましょう。

ガイナ

メーカー 日進産業
価格目安/㎡(施工費含む) 3,500〜4,000円
耐候年数 15年〜

ガイナは、遮熱性能だけでなく断熱性能も併せ持っているため、屋根に塗装すれば「夏涼しく、冬暖かい」を実現できます。

サーモアイシリーズ

メーカー 日本ペイント
価格目安/㎡(施工費含む) 2,500〜3,500円
耐候年数 サーモアイSi 10〜15年
サーモアイF 15〜20年

サーモアイシリーズは、上塗りだけでなく下塗りにも遮熱機能があるため、他の遮熱塗料に比べて高い遮熱性能を誇ります。カラーバリエーションも40色と豊富なため、屋根のデザインにこだわることができます。

クールタイトシリーズ

メーカー エスケー化研
価格目安/㎡(施工費含む) 2,500〜3,000円
耐候年数 クールタイトSi 6〜8年
クールタイトF 8〜10年

クールタイトシリーズは、特殊セラミック成分を配合し汚れがつきにくいため、長期にわたり塗料の遮熱機能を保てます。41色の豊富なカラーバリエーションも魅力の一つといえるでしょう。

遮熱機能付き屋根材のおすすめ商品3選

屋根の遮熱リフォームにおすすめの遮熱機能付き屋根材は、次の3つです。

・アスファルトシングル(田島ルーフィング)

・遮熱グラッサシリーズ(ケイミュー株式会社)

・横暖ルーフシリーズ(ニチハ株式会社)

それでは、それぞれ見ていきましょう。

アスファルトシングル

メーカー 田島ルーフィング
価格目安/㎡(施工費含む) 10,000〜13,000円
耐候年数 10〜20年

アスファルトシングルは、ガラス繊維の基材にアスファルトを含浸させ、さらに砂で着色してできた屋根材です。遮熱性能に加えて防水性能もあり、さまざまな形状の屋根に対応できます。

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遮熱グラッサシリーズ

メーカー ケイミュー株式会社
価格目安/㎡(施工費含む) 10,000〜13,000円
耐候年数 30年前後

遮熱グラッサシリーズは、特殊な顔料を配合し赤外線を反射するため、屋根の色褪せを抑制できます。7色のカラーバリエーションがあるため、外壁など家のイメージに合わせて屋根材を選べます。

横暖ルーフシリーズ

メーカー ニチハ株式会社
価格目安/㎡(施工費含む) 10,000〜13,000円
耐候年数 10〜20年

横暖ルーフシリーズは、全部で5種類の中から希望の耐久性や屋根材に合った商品を選択できます。和洋どちらの住宅にもマッチするデザインとなっており、高い耐久性のみならず長期保証も充実しています。

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遮熱シートのおすすめ商品3選

屋根の遮熱リフォームにおすすめの遮熱シートは、次の3つです。

・アストロフォイール(プレイリーホームズ株式会社)

・サーモバリアシリーズ(株式会社ライフテック)

・遮熱シートLite(ケイミュー株式会社)

それでは、それぞれ見ていきましょう。

アストロフォイール

メーカー プレイリーホームズ株式会社
価格目安/㎡(施工費含む) 非公開
耐候年数 10〜15年

アストロフォイールは、アルミ純度99%の遮熱シート。反射率は97%を誇り、侵入する熱量を35〜50%前後もカットするため、省エネ効果に優れています。

サーモバリアシリーズ

メーカー 株式会社ライフテック
価格目安/㎡(施工費含む) 非公開
耐候年数 10〜15年

サーモバリアシリーズは、屋外施工から室内施工まで幅広い遮熱シートを取り揃えています。断熱効果を併せ持つ遮熱シートを採用しており、建物の状況に合った施工箇所が選択できます。

遮熱シートLite

メーカー ケイミュー株式会社
価格目安/㎡(施工費含む) 10,000〜13,000円
耐候年数 10〜15年

遮熱シートLiteは、ケイミュー株式会社製の屋根材との同時施工が条件となるため、汎用性の狭さが欠点です。しかし、遮熱と同時に屋根裏にこもりがちな熱気や湿気を排出できるといった他にはない性能面のメリットがあります。

屋根の遮熱リフォームの価格相場

ここでは、屋根の遮熱リフォームの価格相場について、リフォームの工法別に解説していきます。屋根の遮熱リフォームの価格相場は、以下のとおりです。

リフォーム工法 価格相場(円)/㎡
遮熱塗装 2,500〜4,000円
(施工費含む)
遮熱機能付き屋根材へ葺き替え 10,000〜13,000円
(施工費含む)
遮熱シート貼り 500〜1,000円(※)
(材料費のみ)

※ ケイミュー株式会社製の「遮熱シートLite」は、ケイミュー株式会社製の屋根材との同時施工が条件となるため、10,000円〜13,000円(施工費含む)

なお、上記価格には以下の費用が含まれていないため、注意が必要です。

・仮設足場

・高圧洗浄

・既存屋根撤去・処分

・屋根下地補修

・工事諸経費

・材料運搬費

また、屋根の面積や形状、建物の立地条件などによってリフォーム価格が変動することもあるため、工事を検討の際には再度正式な見積の取得をおすすめします。

屋根の遮熱リフォームがおすすめの人

ここでは、屋根の遮熱リフォームがおすすめの人を、リフォームの工法別に紹介します。

遮熱塗装

遮熱塗装は、次のような人におすすめです。

・築20年以下

・メンテナンス時期を迎えている

遮熱塗装は、住まいの築年数が浅く、塗装などのメンテナンス時期を迎えている人におすすめです。屋根の遮熱塗装だけでなく、外壁塗装なども同時に施工すれば、別々に施工するよりも足場費用などを抑制できます。

遮熱機能付き屋根材へ葺き替え

遮熱機能付き屋根材への葺き替えは、次のような人におすすめです。

・築20年以上でこれからも住み続ける

・屋根に劣化があり遮熱塗装ができない

・雨漏りをしたことがある

遮熱機能付き屋根材への葺き替えは、屋根が著しく劣化しており遮熱塗装ができない人におすすめです。

遮熱性能だけでなく耐久性も高いため、屋根が良い状態でも築20年以上であったり、雨漏りの経験があったりする場合には遮熱リフォームの選択肢に入れましょう。

遮熱シート貼り

遮熱シート貼りは、次のような人におすすめです。

・リフォームのコストを抑えたい

・屋根裏側で遮熱リフォームをしたい

遮熱シートは、遮熱リフォームにかかるコストを抑えたい人におすすめです。また、屋根裏側からも施工可能な遮熱シートもあるのも特徴の一つです。

屋根の遮熱リフォーム施工事例2つ

ここでは、屋根修理の匠で紹介可能な業者が施工した、屋根の遮熱リフォームの施工事例を2つ紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

【事例1】屋根のメンテナンスと同時に遮熱リフォーム

工事のきっかけ 屋根のメンテナンス
築年数 20年
遮熱リフォーム工法 カバー工法(重ね葺き)
新規屋根材 スーパーガルテクト
工事場所 京都府京都市

 

築20年。既存屋根の状態が良く下地も問題なかったため、カバー工法(重ね葺き)にて屋根のメンテナンスと同時に遮熱リフォーム。

新規屋根材には、断熱材入り遮熱塗料鋼板である「スーパーガルテクト」を採用し、屋根の遮音性能向上を図りました。

【事例2】遮熱リフォームでひび割れや欠損がある屋根の防水性アップ

工事のきっかけ 屋根の劣化
築年数 25年
遮熱リフォーム工法 カバー工法(重ね葺き)
新規屋根材 横葺NSPro
(二スク販売)
工事場所 京都府長岡京市

 

築25年を経過し既存屋根は色褪せ、ひび割れや欠損なども見られたため、カバー工法(重ね葺き)にて遮熱リフォーム。

スレート屋根の上にルーフィングシートを施工、その上に新規屋根材を重ねて葺いたため、遮音性はもちろん屋根の防水性もアップしました。

選択肢の多い遮熱リフォームにはプロのアドバイスが必須

今回は、屋根における遮熱リフォームの方法や価格相場などを、事例も交えて解説しました。

屋根の遮熱リフォームとは、屋根の温度上昇を抑制し、住まいを快適にするためのリフォームのことをいいます。遮熱リフォームには大きく3つの方法があり、住まいの築年数やリフォームの予算などにより、自分に合ったリフォーム方法を選択することが大切になります。

遮熱リフォームでは、リフォームの方法やリフォームに使用する商品の選択肢が多いため、プロのアドバイスが必須となります。屋根修理の匠では、遮熱リフォームに精通した全国の優良な屋根業者をご紹介可能。屋根の遮熱リフォームを検討する際には、ぜひ一度屋根修理の匠をのぞいてみてください。

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