法人・大家さん必見!屋根修理を減価償却すると節税になる?

減価償却 屋根修理

事務所や倉庫の屋根修理を行う、または所有するアパートの屋根修理を行う際に「修理費用を経費で計上して節税したい」と考える法人や大家さんは多いのではないでしょうか。屋根の修理費用は高額となるので、経費として計上できれば大きな節税効果が見込めます。

修理費用を経費とする場合は、一括で経費として計上できる「修繕費」と、毎年一定額を減価償却費として計上する「資本的支出」の2パターンがあります。しかし、修繕費と資本的支出の線引きはわかりづらく、どちらで計上したら良いのか判断しづらいものです。

そこで今回は、屋根の修理費用を経費として計上する際の基準や節税ポイントについてわかりやすく解説します。

最善の節税対策を行うためにも、この記事を読んで経費の基準や計上方法をしっかり理解しましょう。

屋根修理を減価償却すると節税になる

屋根修理によって、屋根の耐久性や建物の資産価値が上がった場合は、修理費用を減価償却して、期間中に一定額を経費計上することができます。要するに、費用を一括で計上するのではなく、何年かに分けて経費計上することが可能です。

経費を計上することにより、納めるべき税金額が減るため、法人経営やアパート経営の助け舟となるでしょう。

なお、減価償却した場合は経費を一括で計上することができません。修理費用を一括で経費処理したい場合は「修繕費」として計上する必要があるので注意しましょう。

減価償却とは?

減価償却とは、固定資産や設備を取得する際の費用を、耐用年数に応じた一定期間で分割する会計処理のことを指します。つまり、固定資産や設備の取得でかかった費用を分割して経費計上することができるわけです。

減価償却できる期間は、固定資産や設備の耐用年数によって「償却期間」が定められます。また、保有している固定資産や設備によって、減価償却される方法が異なります。

償却期間について

前述したとおり、償却期間は取得した固定資産や設備の耐用年数によって異なります。ちなみに、屋根修理における償却期間は、建物本体の「法定耐用年数」に応じて決められます。

建物本体の耐用年数は、次のとおりです。

建物 耐用年数
(事務所用)
耐用年数
(住宅用)
木造モルタル 22年 20年
金属造(肉厚3mm超4nn以下) 30年 27年
金属造(肉厚4mm超) 38年 34年
RC造(鉄筋コンクリート)
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)
50年 47年

 

建物の耐用年数は「事務所用」と「住宅用」といった使用用途の違いで異なります。屋根修理を行う際は、この耐用年数が償却期間を決める基準となるわけです。

たとえば、法廷耐用年数が30年の建物で、残りの耐用年数が10年のタイミングで屋根修理をした場合は、屋根の修理にかかる償却期間も10年間となります。

減価償却する方法について

減価償却する方法には「定額法」と「定率法」の2つがあります。方法によって、各年の減価償却費が異なるので、あらかじめチェックしておきましょう。

定額法 毎年一定の金額を減価償却する
定率法 毎年同じ率で減価償却する

 

定額法は、償却期間中に毎年同じ金額で減価償却できます。ちなみに個人経営の場合は、建物や設備など、すべての資産に対して「定額法」が適用されます。

一方の定率法は、年々価値が下がっていく資産に対して、同じ率で減価償却されていく仕組みであるため、初年度の償却費から年々減っていくのが特徴です。定率法が適用されるのは、法人の場合となります。ただし、法人が平成10年4月1日以降に取得した建物に関して計上する場合は「定額法」が適用されます。

保有する建物が定額法なのか、それとも定率法なのかどうかによって、減価償却の計算が変わります。そのため、どちらの方法が適用されるかわからない場合は、税理士に相談してみると良いでしょう。

屋根修理における修繕費と資本的支出の違い

前述したとおり、修理費用を減価償却した場合は、経費をその年で一括計上することができません。しかし「毎年一定額を分割して経費計上するのではなく、一括で経費として計上したい」と考える法人や大家さんが多いのではないでしょうか。

経費をその年で一括計上するには「修繕費」として計上する必要があります。一方、修理費用を減価償却する場合は「資本的支出」と見なされた場合となります。

では「修繕費」と「資本的支出」の違いとは、具体的にどういったものなのでしょうか。この2つの違いは、節税対策の重要なポイントとなるのでしっかり理解しておきましょう。

修繕費になるケース

修繕費と見なされるケースは、建物の現状回復を目的とした工事や建物の機能性を維持する工事が該当します。たとえば雨漏りした場合に、雨漏りした箇所を修理した場合は、その修理費用を修繕費として計上することが可能です。

そのほかにも、以下のような屋根工事であれば「修繕費」と見なされるケースが多いでしょう。

・ひび割れによる雨水侵入を防ぐための防水工事

・建物の機能性を維持する塗装工事

・台風や積雪などの自然災害による補修工事

ただし、現状よりも建物の価値が上がったり機能性が向上したりすると、修繕費と見なされないケースも。たとえば、以前採用した塗料よりも、グレードの高い塗料で塗装工事を行った場合は、修繕費として見なされないケースがあります。

修繕費として見なされるケースは、あくまでも必要最低限の工事であると認識しておきましょう。

資本的支出になるケース

資本的支出と見なされるケースは、建物の価値が上がるほか、機能性を向上させる工事が該当します。たとえば、現在採用しているトタン屋根から、耐久性がアップするガルバリウム鋼板に葺き替える屋根工事は、価値および機能性が向上するため「資本的支出」と見なされます。

また、以下のような工事も資本的支出と見なされるケースが多いでしょう。

・以前よりもグレードの高い塗料で屋根を塗装する

・塗装や装飾により屋根のデザイン性をアップさせる

このように、建物の価値が少しでも高くなったり、機能性が向上したりする場合は修繕費と見なされず、資本的支出と見なされ、減価償却が必要となります。

修繕費と資本的支出の判断に迷ったら?

修繕費と資本的支出の線引きは、正直判断しづらいものです。しかし、経費を一括計上して節税したい法人や大家さんは、修繕費と見なされる基準を知っておくことが重要といえます。ここからは、修繕費の線引きを判断する基準をいくつか紹介します。

修繕費と見なされる場合

・修理費用が20万円未満の工事

・修理の周期が3年以内

・修理費用が60万円未満または前年未取得額に10%以下

 

そのほかにも、修理費用の一部が修繕費と見なされるケースもあります。たとえば屋根の塗装工事をする場合、現状と同じ塗料であれば150万円で済むところ、機能性を向上させるために塗料を変更して200万円かかったとします。この場合は150万円が「修繕費」として認められ、残りの50万円は建物の価値をアップさせるとして「資本的支出」と見なされます。

とはいえ「修理費用のどの部分が修繕費として認められるのかどうかがわからない‥‥」といった場合は、担当の税理士に相談して、修理費用の内訳をはっきりさせるのが得策です。

修繕費と資本的支出のおさえておきたい節税ポイント

修繕費と資本的支出は、どちらも経費として計上することは可能です。しかし、修繕費と見なされた場合は修理費用を一括で計上できるので、節税効果として即効性があります。一方の資本的支出は、償却期間中に一定額を分割して経費計上できるので、長期的な目でみれば節税の恩恵を受けることは可能です。

ここでは、修理費用の計上方法によって、それぞれどういった恩恵を受けられるのかどうかを具体的に見てみましょう。

修繕費について

前述したとおり、修繕費は修理費用をその年に一括で経費計上することができます。したがって、その年に納める税金額を減らして、手元に資金を残しておきたいという法人や大家さんは、修繕費と見なされる工事を行うのが適当です。

また、修理費用の一部を修繕費として計上できるケースもあるので、担当の税理士に問い合わせてみることをおすすめします。

資本的支出について

資本的支出は、耐用年数に応じて決められた償却期間中に、分割して経費計上する必要があります。そのため、長期的な経営での節税効果は見込めますが、経営状態によっては手元に残る資金が少なくなり、厳しい局面を迎えることになるかもしれません。

とはいえ、資本的支出は金融機関から融資を受ける際、有利に働く可能性があります。理由は「資産を減価償却する=長期的な経営戦略が練られている」という印象を与えるからです。

融資を受けて経営を安定させたいという戦略がある場合は、資本的支出として減価償却する方法を検討してみましょう。

まとめ

今回は法人や大家さんに向けて、所有する建物の屋根を修理した際の節税ポイントや計上方法について解説しました。

修理費用を一括で経費化する場合は、建物の現状回復を目的とした必要最低限の工事を行い「修繕費」として認められる必要があります。一方、建物の価値が上がるほか、機能性が向上する工事の場合は、修理費用を「資本的支出」として計上し、減価償却しなければなりません。

修繕費で計上する、それとも資本的支出で計上するのかどうかは、経営状態によって判断する必要があるため、計上方法の線引きが難しい場合は、担当の税理士に相談することをおすすめします。

また、法人や大家さんにとって、どの業者に屋根修理を依頼するかどうかも重要なポイントです。近年、屋根修理に関わる詐欺やトラブルが後を絶ちません。屋根修理の匠では、各都道府県の優良屋根修理業者を探すことができるので「業者選びには不安がある」という方はぜひ活用してみてください。

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