屋根リフォームの種類について

このページでは屋根リフォームの種類について解説します。

屋根リフォームをする動機・ニーズ

1:瓦など重い屋根を下して軽くするメリット(耐震性向上のニーズ)

2:漏水箇所への雨水を止めて、劣化箇所を乾燥させて機能回復(もしくは一部補修)するメリット

3:鋼板屋根の基材の錆やセメント・平板スレート瓦・アスファルトシングルの基材の寿命、または瓦の瓦桟や防水紙の腐食や基材の寿命などに支障をきたしていることを解決するための根本的な屋根材の交換またはカバー工法

4:3を未然に防ぐ処置(いわゆる早め早めのお手入れ)のため。これには塗装工事でのメンテナンスも含まれます。これにより特に屋根材基材の劣化を遅らせることができます。結果的に3を起因とする2を防ぐことができます。

屋根リフォームの種類

1:補修

瓦の割れ・漆喰・棟・その他の屋根の棟や各部板金の交換

2:塗装

セメント瓦。平板スレート・金属屋根塗装工事

3:カバー工法各種

平板スレート・アスファルトシングル・金属横葺き・金属縦葺きの上から軽い屋根をそのまま重ねる、接着する、合板を張って改修する工法

4:葺き替え工事

古い屋根を撤去して新しい屋根を施工する工法

屋根塗装工事

外壁塗装のついでに屋根が塗られることが多く、コストも安いこともあって屋根のリフォームでニーズが高いです。セメント瓦・平板スレート・金属屋根に塗られますが、アスファルトシングルは屋根材上下勘合の排水する箇所が詰まってしまい雨漏りの原因になるので施工できません。陶器瓦は表面がガラス質のものがほとんどですので、これも塗装は避けてください。平板スレートを3回以上塗ると、濡れない屋根の下に隠れた屋根材の部分と塗膜厚で段差が起き、毛細管現象が発生しやすいので、他のリフォームを検討する必要が考えられます。

施工手順

1:高圧洗浄

既存屋根に付着したコケやカビ汚れを高圧洗浄で綺麗に落として塗装に挑みます。

高圧洗浄

2:シーラー塗装

塗装のなくなった平板スレートやセメント瓦はたくさんの水分を吸うためいきなり塗料を塗ると吸い込みが激しく、塗料の色むらが発生する恐れがあります。シーラーはその激しい吸い込みを防ぐために塗装工事前に塗布する下地調剤です。

シーラー塗装

3:板金(鉄部)塗装

鋼板の塗装はケレンと言ってやすりなどで塗面に傷をつけて塗料が乗りやすいようにしてから錆止めを下地調整材として塗布してから塗装とします。鋼板屋根材の工程も同じです。

4:屋根面塗装

シーラー塗布後屋根面を塗装します。屋根面の塗装にはローラーで施工するようにしてください。吹き付けは基本的に塗膜厚が厚くなってしまうので、様々な不具合が想定されるため。一度乾かして2回~3回塗ることが多いです。

塗料はアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの塗料が普及していて、上から順番に下の方が耐久性がある塗料と言われコストが高いです。

屋根面塗装

5:上下勘合の縁切

平板スレートは左右勘合から一度屋根材と屋根材の中を通った雨水を上限勘合から排水する雨仕舞いです。

塗装工事の時に右真ん中の写真のように塞ぐと雨漏りを起こしますためです。右下の写真のように塗装後上下勘合がちゃんと開くように縁切りという工程を行います。

縁切り

カバー工法(釘・ビス留め工法)

古い平板スレート・金属横葺き・アスファルトシングルなど屋根の上下の段差の少ない屋根材は古い既存の屋根を撤去せずにその上から下地防水紙を敷き、その上から金属屋根葺き・アスファルトシングル等の新しい屋根材を取り付けていく屋根のリフォームの工法を、カバー工法と呼ばれています。古い屋根を撤去せずそのまま施工するので撤去費用が掛からず、葺き替えと呼ばれる撤去してから新しい屋根を施工する工法と比較するとコストダウンになります。

1:古い棟・隅棟の板金を撤去します。

棟・隅棟板金部は段差が10mm以上あるので木下地と一緒に撤去して屋根面の段差を10mm以内になるようにします。

古い棟・隅棟の板金撤去

2:古い屋根の上に下地防水紙を施工します。

古い屋根の上に下地防水紙を施工しますが、平板スレートや金属横葺きの場合は新築のようにタッカーで下地防水紙が留められません。上の写真のように粘着式の防水紙で貼るか、下の写真のように防水紙を一段一段張りながら屋根材を施工していくか、釘などで防水紙を仮止めして張るかの方法で施工していきます。

下地防水紙

3:ケラバと軒先板板金取り付け

カバー工法の際には以下の注意点に気を付けながら板金部材を考慮する必要があります。

ケラバと軒先板金取り付け

新規ケラバ捨板

既存ケラバ捨て板を隠す形状でなければなりません。

新規軒先板金

既存平スレートの軒先は釘が打てないので、軒先が風に煽られずに破風の下地が釘に打てるような形状でなければならない。

4:新しい屋根材の施工

下地防水紙上に新しい屋根材を釘またはビスで留めて付けていきます。(金属横葺き・アスファルトシングル等)基本的に平板スレートとの流れ方向の働き寸法と一致している屋根材は少ない。

カバー工法の注意点

・屋根下地がバラ板の場合は合板を上張り

既存屋根が金属横葺きや一部の平板スレートの場合に該当しますが右写真のように板の隙間には釘やビスが効かないため、施工前に確認してください。(合板が腐っている場合も直接張らない)

バラ板

・必ず新規下地防水紙を張る

既存屋根の下の既存下地防水紙は10年近く経過すると、既に硬化が始まっており、既存屋根のビス穴は止水していますが、新木釘・ビスの穴は十分に止水できません。

・カバー工法の下地防水紙の施工は丁寧に行う

既存屋根は少なからず数ミリの段差があるので構造用合板に張る場合と違いうまく馴染みにくいため、たわみなど無いようにしっかりと張る必要があります。

・既存屋根の段差はせいぜい10mくらいまで

カバー工法はフラットデザインの屋根に何でもできるわけではありません。下図のように厚みのある屋根にカバーすると既存屋根の段差で新規屋根の通りがガタガタになります。この場合は合板を一度上張りして施工してください。

・金属縦葺き系のカバー工法

金属縦葺き系の屋根材の上にカバー工法する場合は以下の方法で施工を行います。

  

カバー工法(平板スレート専用ボンド接着金属屋根材)

古い平板スレートの上に専用ボンドを塗布して金属屋根材を接着させる工法。既存屋根に穴をあけずに、周辺の板金役物が塗装で処理するので、一般的な釘やビスで止める工法よりもコストが安いです。

1:既存周辺板金を塗装

高圧洗浄後ケレン→錆止め→塗装の工程

2:専用ボンドを塗布

3:屋根材本体を接着

葺き替え工事(瓦撤去から合板張りまで)

合板貼り

日本瓦の和形や平板瓦・セメント瓦等を新しい屋根に交換する場合には古い瓦を一度おろしたあとに、古い屋根下地の上から新しい屋根下地を張ります。そこから先の工程はほぼ新築施工と同じになります。(既存の屋根下地が構造用合板の場合はそのまま使用することもあります)

図は日本瓦の工程ですが、平板スレート・金属屋根材もカバー工法ばかりではなく古い屋根を剥がして新しい屋根材を施工することも多いです。

古い屋根をおろして新しい屋根に載せ替える工事を葺き替え工事と言います。瓦おろしの途中で雷雨などの豪雨に合うと被害甚大なので、施工雨に気象情報をチェックして場合によっては延期する勇気も必要です。

1:棟・のし(壁際)瓦の撤去

まず最初に棟・隅棟と壁際ののし瓦を撤去します。のし瓦は図のように重ねて瓦上げ機でおろします。葺き土と漆喰はガラ袋に入れておろします。

2:桟瓦・袖瓦・軒先瓦の撤去

次に桟瓦と袖瓦を同時に撤去します。桟瓦も図のように重ねておろします。軒先瓦は他のごみの落下防止として一度屋根を清掃した後に撤去します。

3:既存下地木材の撤去

続けてと言いますが、2とほぼ同じ工程で瓦桟を外します。

4:既存下地防水紙の撤去

再び屋根を清掃して、下地防水紙を撤去します。(くるくる巻いてからちょうど良い大きさで折りたたむ)

5:新規屋根下地の施工

既存屋根の上から新規の屋根下地を上張りします。新規屋根下地の横の継ぎ目は必ず垂木上で継ぎます。

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