瓦屋根修理における「ラバーロック工法」とは?

ラバーロック工法

近年、台風や地震などの自然災害が頻発しており、強風や地震に強い屋根への関心が高まっています。瓦屋根は耐久性の高い屋根材として知られていますが、経年劣化によって瓦がズレたり落下したりするリスクがあります。

そこで今回は、瓦屋根の修理・補修方法のひとつである「ラバーロック工法」について解説します。ラバーロック工法の特徴を理解して、大切な屋根を守りましょう。

ラバーロック工法とは

ラバーロック工法とは、瓦屋根の修理・補修方法のひとつです。瓦同士の隙間をコーキング材で埋めて固定することで、強風や地震による瓦のズレや落下を防ぐ効果が期待できます。

瓦屋根におけるラバーロック工法のメリット

メリット

瓦屋根においてラバーロック工法には、どのようなメリットがあるのでしょうか。瓦屋根におけるラバーロック工法のメリットは、以下のとおりです。

  • 強風や地震に強い
  • 防水性の向上
  • 軽量で施工が容易
  • コストを抑えられる

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

【メリット1】強風や地震に強い

ラバーロック工法は、瓦同士をコーキング材で固定することで、強風や地震による瓦のズレや落下を防ぎます。

特に、台風や地震などの自然災害が多い地域にお住まいの方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。

【メリット2】防水性の向上

ラバーロック工法は、瓦の隙間をコーキング材で埋めることで、雨漏りの原因となる雨水の浸入を防ぎます。

築年数が経過した瓦屋根は、経年劣化により瓦同士の隙間が広がり、雨漏りのリスクが高くなります。ラバーロック工法は、こうした雨漏りのリスクを低減する効果が期待できます。

【メリット3】軽量で施工が容易

ラバーロック工法は、ほかの補修方法に比べて軽量で、施工が容易という特徴があります。そのため、屋根への負担が少なく、短期間の施工が可能です。

また、足場が必要な場合でも、軽量な材料を使用するため足場設置費用を抑えられます。

【メリット4】コストを抑えられる

ラバーロック工法は、葺き替えなどの大規模な屋根修理に比べて費用を抑えられるケースが多く見られます。

瓦屋根のメンテナンスには、屋根の葺き替えやカバー工法、塗装などさまざまな方法があります。その中でもラバーロック工法はこれらの方法に比べて比較的安価なため、リフォーム予算に制限がある場合にも選択肢のひとつとなり得ます。

瓦屋根におけるラバーロック工法のデメリット

デメリッ

メリットの多い印象のあるラバーロック工法ですが、残念ながらデメリットも存在します。そこでここでは、瓦屋根におけるラバーロック工法のデメリットについて解説します。

瓦屋根におけるラバーロック工法のデメリットは、以下のとおりです。

  • 瓦屋根を再利用できない
  • 将来的にメンテナンス費用が増える
  • 屋根下地が傷みやすい
  • 自然災害への懸念

ひとつずつ丁寧に見ていきましょう。

【デメリット1】瓦屋根を再利用できない

ラバーロック工法は、瓦同士をコーキング材で固定するため、一度施工すると瓦を再利用できません。

そのため、将来的に屋根の葺き替えを検討している場合には、ラバーロック工法は適切な修理方法とは言えない可能性があります。

【デメリット2】将来的にメンテナンス費用が増える

ラバーロック工法は、コーキング材の劣化により定期的なメンテナンスが必要になります。コーキング材は経年劣化によりひび割れたり、剥がれたりすることがあります。そのため、定期的に補修を行い、防水性を維持する必要があります。

なお、コーキングの打ち替えは、10〜15年が目安とされています。

【デメリット3】屋根下地が傷みやすい

ラバーロック工法は、瓦同士を固定することで、屋根全体に負荷がかかります。そのため、施工方法によっては、屋根下地が痛みやすくなる場合があります。

特に、築年数が経過した屋根や、もともと脆弱な屋根下地の場合には注意が必要です。

【デメリット4】自然災害への懸念

ラバーロック工法は、強風や地震に一定の効果はありますが、台風による強風や地震などによる瓦のズレや落下、または雨漏りなどが発生する可能性があります。

特に、強風や地震の頻度が高い地域にお住まいの方にとっては、リスクを考慮しなければなりません。

瓦屋根におけるラバーロック工法の施工手順

ここでは、瓦屋根におけるラバーロック工法の施工手順を見ていきましょう。

瓦屋根におけるラバーロック工法の施工手順は、以下のとおりです。

  • 足場組立
  • 既存屋根瓦の確認・補修
  • 棟瓦のコーキング
  • 平瓦のコーキング
  • コーキングの乾燥
  • 足場解体

それぞれ簡単に解説します。

【手順1】足場組立

安全に作業を行うために、まず足場を組み立てます。足場は、屋根の形状や高さ、建物の立地条件などに合わせて設置されます。

【手順2】既存屋根瓦の確認・補修

既存の屋根瓦の状態を確認し、割れや欠けなどの破損箇所があれば補修します。屋根瓦の破損を放置すると、コーキング材の接着力が弱くなり、雨漏りの原因となる可能性があります。

【手順3】棟瓦のコーキング

棟瓦は、屋根の頂点部分に設置されている瓦です。棟瓦の隙間をコーキング材で埋めて、雨水の侵入を防ぎます。

具体的な手順は、以下のとおりです。

  • 棟瓦の隙間を清掃
  • マスキングテープで養生
  • プライマーを塗布
  • コーキング材を充填
  • ヘラで均等に仕上げる

【手順4】平瓦のコーキング

平瓦は、棟瓦以外の瓦です。平瓦の重なり部分にコーキング材を塗布することで、雨水の侵入を防ぎます。

なお、具体的な手順は、棟瓦のコーキングと同様です。

【手順5】コーキングの乾燥

コーキング材が完全に乾燥するまで、養生テープを貼り付けたままにします。乾燥時間の目安は、天候や気温によって異なりますが、一般的には1〜2日程度です。

【手順6】足場解体

コーキング材が十分に乾燥したことを確認した後、足場を解体します。

瓦屋根におけるラバーロック工法の費用相場

コスト

瓦屋根におけるラバーロック工法の費用相場は、1㎡あたり約3,000円〜5,000円です。

ただし、以下の要素によって費用は大きく変動します。

  1. 屋根の面積:屋根の面積が広くなるほど、費用は高くなります。
  2. 瓦の種類:瓦の種類によって必要なコーキング材の種類や量が変わるため、費用が変動します。
  3. 施工業者:施工業者によって、費用は異なります。
  4. オプション:棟瓦の漆喰補修や屋根の塗装など、オプションを追加すると費用は高くなります。

なお、ラバーロック工法の費用を抑えるポイントは、以下のとおりです。

  • 複数の業者から見積もりを取る
  • オプションを減らす

瓦屋根のラバーロック工法を検討する際の注意点

注意

ラバーロック工法は、瓦屋根の修理・補修方法として有効な手段ですが、いくつかの注意点があります。そこでここでは、瓦屋根のラバーロック工法を検討する際の注意点について解説します。

瓦屋根のラバーロック工法を検討する際の注意点は、以下のとおりです。

  1. 業者選びを慎重に行う
  2. 費用相場を事前に確認する
  3. メリット・デメリットをよく理解する
  4. 保証内容を確認する

それでは、順番に見ていきましょう。

【注意点1】業者選びを慎重に行う

ラバーロック工法は、施工方法によって仕上がりが大きく左右されます。そのため、経験豊富な専門業者に依頼することが重要です。

瓦屋根のラバーロック工法における業者選びのポイントは、以下のとおりです。

  • 資格や実績を持っているか
  • 適切な施工方法を提案してくれるか
  • 費用が明確
  • アフターサービスが充実している

また、業者選びの際は、悪徳業者に注意しましょう。悪徳業者の特徴は、以下の通りです。

  • 安すぎる見積もりを提示する
  • 必要以上に工事を勧める
  • 契約内容を曖昧にする

【注意点2】費用相場を事前に確認する

ラバーロック工法の費用相場は、屋根の面積や瓦の種類、施工業者などによって異なります。複数の業者から見積もりを取ることで、ラバーロック工法の適正価格を把握できます。

なお、見積を比較する際のポイントは、以下のとおりです。

  • ㎡あたりの単価
  • 屋根全体の費用
  • 足場費用
  • 諸経費

【注意点3】保証内容を確認する

瓦屋根のラバーロック工法は、施工業者によって保証内容が異なる場合があります。そのため、保証の期間や内容、免責事項などを確認し、納得してから契約することが重要です。

【まとめ】瓦屋根のラバーロック工法は専門業者におまかせ!

今回は、瓦屋根の修理・補修方法のひとつである「ラバーロック工法」について解説しました。

瓦屋根におけるラバーロック工法は、瓦屋根の寿命を延ばし、安全性を高める効果が期待できます。ラバーロック工法を検討する際は、適正価格を知るために複数の業者から見積を取りましょう。

ラバーロック工法の業者選びなら「屋根修理の匠」がおすすめです。「屋根修理の匠」では、各都道府県における屋根修理の専門業者を紹介していますので、信頼できる専門業者が簡単に見つけられます。

瓦屋根におけるラバーロック工法の業者探しなら、ぜひ「屋根修理の匠」をチェックしてみてくださいね。

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