大雨・台風前に雨漏り対策!屋根のチェック事項を確認しよう

近年、日本では大型台風の発生頻度が増加し、それに伴い住宅被害も深刻化しています。特に屋根の損傷や雨漏りは、放置すると建物全体の劣化につながるため、事前の点検と対策が不可欠です。

屋根は普段あまり気にすることのない部分ですが、台風や大雨の影響を最も受ける箇所のひとつです。強風による飛来物の衝突や、豪雨による水の侵入が発生しやすいため、適切な準備が重要になります。

そこで今回は、台風や大雨に備えるために事前に行うべき屋根のチェックポイント、台風通過後の点検方法、そして信頼できる屋根修理業者の選び方について詳しく解説します。

台風シーズン前にやるべき屋根チェックリスト

台風が近づく前に、まずは屋根の状態を点検しましょう。屋根の小さな損傷を放置すると、台風の影響で一気に被害が拡大する可能性があります。

チェックリスト

屋根材の割れ・ズレ

瓦やスレート、金属屋根のひび割れやズレがあると雨水が侵入する原因になります。

棟板金の浮き・劣化

棟板金が固定されている釘が緩んでいたり、サビが発生している場合は補修が必要です。

漆喰の剥がれ(瓦屋根)

瓦屋根の漆喰がひび割れたり剥がれていると、そこから水が入り込む可能性があります。

コーキングの劣化

屋根や外壁の継ぎ目部分のコーキングが劣化すると、隙間から雨水が侵入しやすくなります。

雨樋の詰まり・破損

雨樋に落ち葉やゴミが詰まると、雨水が正常に排水されずにオーバーフローし、屋根や壁にダメージを与えます。

屋根塗装の劣化

塗膜が剥がれると、防水機能が低下し、屋根材の劣化が加速します。苔やカビが生えている場合も要注意です。

チェックの際の注意点 屋根の上に登って点検するのは非常に危険です。無理をせず、安全が確保できる範囲で地上から確認し、気になる箇所があれば専門業者に依頼しましょう。

台風直後にやるべきこと

台風が過ぎ去った後は、一見大きな被害がないように見えても、屋根や建物にダメージが残っている可能性があります。小さな損傷を放置すると、後々大きなトラブルにつながるため、早めに確認し、適切な対応を行いましょう。

以下のポイントを参考に、台風後の点検と対策を実施してください。

屋根の破損状況を目視で確認

台風の強風や大雨の影響で屋根が損傷している場合があります。まずは、自宅の外から屋根の様子を目視で確認しましょう。

屋根材(瓦・スレート・金属屋根)のズレや飛散

強風によって瓦やスレートが浮いたり、飛ばされたりすることがあります。ズレが生じている場合、そこから雨水が侵入し、雨漏りの原因となるため注意が必要です。

棟板金(むねばんきん)の浮きや剥がれ

スレート屋根や金属屋根では、屋根の頂上部分に棟板金が設置されています。この棟板金が浮いたり剥がれたりすると、そこから雨水が侵入し、屋根下地の腐食を招く可能性があります。

雨樋(あまどい)の破損や詰まり

台風の際に飛んできたゴミや葉っぱなどが雨樋に詰まると、排水が正常に行われず、雨水が屋根や壁に流れ込む原因になります。また、強風で雨樋自体が変形してしまうこともあるため、しっかりと確認しましょう。

アンテナやソーラーパネルの異常

テレビアンテナやソーラーパネルを設置している場合、それらが倒れたりズレたりしていないか確認してください。アンテナが倒れるとテレビの受信障害が発生するだけでなく、落下すると二次被害を引き起こす恐れがあります。

室内の雨漏りチェック

屋根の外観に異常がなくても、屋根材の下にある防水シートが損傷している場合、室内へ雨水が浸入していることがあります。

天井や壁にシミがないか

雨漏りが発生している場合、天井や壁に茶色っぽいシミができることがあります。特に、過去に雨漏りしたことがない場所にシミができていたら、新たな雨漏りの兆候かもしれません。

窓枠やドアの隙間からの水漏れ

強風を伴う豪雨の際には、窓枠やドアの隙間から水が吹き込むことがあります。これを放置すると、カビの発生や木材の腐食につながるため、タオルや防水テープなどで早めに対処しましょう。

押入れやクローゼットの湿気の有無

押入れやクローゼットなどの閉め切った空間は、湿気がこもりやすく、気づかないうちに雨水が侵入していることもあります。特に、壁際や床の隅にカビ臭さを感じた場合は注意が必要です。

電気設備の異常

雨水が天井裏や壁の内部を伝って電気配線に影響を与えることがあります。照明がチカチカしたり、コンセント周りが湿っている場合は、感電や火災の危険があるため、ブレーカーを落とし、専門業者に相談しましょう。

必要に応じて応急処置を行う

大きな損傷がある場合は、すぐに専門業者へ連絡するのが最善ですが、応急処置ができるケースもあります。以下の対策を行うことで、被害の拡大を防ぐことができます。

屋根材のひび割れやズレの補修

ひび割れた瓦やスレートは、防水コーキング材を使って一時的に補修することができます。ただし、これはあくまで応急処置であり、本格的な修理が必要な場合は早めに業者に依頼しましょう。

ブルーシートによる屋根の保護

大きな破損がある場合、雨水の侵入を防ぐためにブルーシートを使って覆うのが有効です。シートの端を土嚢やテープでしっかり固定し、強風で飛ばされないように注意してください。

雨樋の詰まりの除去

落ち葉やゴミが詰まっている場合、手袋をして取り除き、水がスムーズに流れるかを確認しましょう。高所作業が必要な場合は、無理せず専門業者に依頼することをおすすめします。

窓やドアの隙間を塞ぐ

隙間風や雨水の侵入が気になる場合、防水テープやシリコンシーラントを使って隙間を埋めることで、一時的に被害を抑えられます。

専門業者に相談するタイミング

応急処置では完全に修復できない場合や、損傷が広範囲に及んでいる場合は、できるだけ早めに専門業者に相談しましょう。

業者に依頼すべきケース

・瓦やスレートが複数枚飛ばされている
・棟板金が完全に剥がれている
・天井や壁からの雨漏りが止まらない
・雨樋が大きく破損し、機能していない
・屋根全体が歪んでいるように見える

また、台風後は屋根修理業者への依頼が殺到するため、早めの連絡が肝心です。「屋根修理の匠」のような優良業者を紹介するサイトを活用し、信頼できる業者を見つけましょう。

屋根修理業者の選び方

台風や強風の後は、屋根修理の需要が急増します。しかし、それに便乗して高額請求や手抜き工事を行う悪徳業者も増えるため注意が必要です。焦って契約してしまうと、後からトラブルに発展することも。信頼できる業者を選ぶために、以下のポイントを押さえておきましょう。

悪徳業者の特徴

悪徳業者は、不安を煽ったり、強引な手口で契約を迫ったりすることが特徴です。以下のような業者には注意しましょう。

1. 突然訪問し、「このままだと危険です!」と不安を煽る

台風後、「たまたま近くで工事をしていた」「屋根を見たら危険な状態だった」と言って訪問してくる業者は要注意。

本当に危険な状態かどうかは、詳細な点検をしなければ分かりません。

2. 「今すぐ契約しないと大変なことになる」と急かす

「今日中に契約すれば割引します」や「すぐに直さないと雨漏りがひどくなります」などと急かす業者は危険です。

信頼できる業者は、契約を急がせることはありません。

3. 口頭説明だけで、見積書や契約書を出さない

正式な見積もりや契約書なしで工事を進める業者は悪徳業者の可能性が高いです。

あとから「追加料金がかかる」と言われるケースもあります。

4. 相場より極端に高額、または「今なら半額」と不自然な割引を提示する

「通常100万円の工事を、今日契約すれば50万円にします!」といった不自然な値引きをする業者は危険です。

逆に、相場より極端に安い場合も手抜き工事の可能性があるため注意が必要です。

優良業者の選び方

悪徳業者に引っかからないために、以下のポイントをチェックしましょう。

1. 無料点検・見積もりを行ってくれる

信頼できる業者は、事前にしっかり点検し、詳細な見積もりを提示してくれます。

また、「無料点検」と言いながら、契約を強要する業者には注意しましょう。

2. 実績・口コミが豊富な業者を選ぶ

ホームページや口コミサイトで、施工実績や利用者の評判を確認しましょう。

「口コミが全くない」「悪い口コミが多い」業者は避けるのが無難です。

3. 相見積もりを取って適正価格を確認する

1社だけの見積もりではなく、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。

相場より極端に高い・安い業者は避けるべきです。

4. 資格や許可証を持っているか確認する

信頼できる業者は、以下のような資格や許可証を持っています。

・建設業許可(国土交通大臣許可・都道府県知事許可)
・かわらぶき技能士
・雨漏り診断士
・リフォーム瑕疵保険の登録業者

許可証や資格を持っているかどうか、事前に確認することが大切です。

まとめ

台風シーズンの屋根対策は、お住まいを守るために欠かせません。適切な対策で雨漏りや建物の劣化を防ぎ、長期的な維持管理コストを抑えることができます。重要なポイントは以下の3つです。まず、台風前には屋根のチェックリストを使って瓦のズレや棟板金の状態を確認し、事前点検を行いましょう。次に、台風通過後は速やかに屋根や室内の状態を確認し、必要な応急処置を施すことで、二次被害を防ぎます。最後に、修理が必要な場合は、資格や実績のある信頼できる業者を選び、複数の見積もりを取ることで適正価格での修理を実現できます。

異常を感じたら迷わず専門家に相談することをお勧めします。早期発見・早期対応こそが、大切な住まいを守る最善の方法です。

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