屋根修理の大幅値引きのカラクリと悪徳業者の見極め方法

「大幅な値引き」のカラクリ

工事会社の中には営業テクニックの一つとして「屋根修理の大幅な値引き」を持ちかけて早めの契約を迫る会社があります。

定番のセールストークが「今すぐ(本日中あるいは今週中に)契約していただけるなら○○万円値引きします」というものです。

大幅な値引きを提示して、それと引き換えに契約を急かせる典型例な「値引き営業」です。お客様としては値引きで得したい気持ちより、どちらかと言えば「この機会を逃したら損してしまう」と考えてしまうのです。行動経済学でプロスペクト理論と言いますが、人間は「得したい」という気持ちより、「損したくない」という気持ちのほうが強く作用するのです。そのため営業マンたちは「値引きで得ですよ」というスタンスではなく「今すぐ契約しないとせっかくの値引きのチャンスを失い大損しますよ」というスタンスで迫ってきます。

この手の営業手法を使う業者は、驚くような値引き額を提示してきます。2~3割の値引きは当たり前です。約300万円の見積金額から100万円以上の値引きを提示する業者もいます。いきなり1/3の値引きなど、冷静に考えればおかしい話だとわかります。最初の見積金額はいったい何だったの?と、疑問に思うのが普通です。しかし相手の営業マンはあの手この手でお客様を信用させます。彼らの騙しのテクニックとして、よく使われる代表的なセールストーク(手法)を三つほどご紹介します。

①広告塔営業

「これらの地域で初めて営業活動をするので、まずはこちらの建物の屋根工事することで広告宣伝の代わりにさせてください。大幅な値引き金額は広告宣伝費として考えています」

②モニター営業

「メーカーから提供された最高級の材料をモニター価格で提供します。これらの地域で○○件程度でモニター工事希望者を募集しています」

③偽キャンセル営業

「来週から予定していた工事が急遽キャンセルになったため、職人さんの予定が空いてしまいました。仕事はなくて困っているので、職人さんの仕事を確保するため、赤字覚悟で思い切って値引きします」

このように、それらしい理由を説明しておくことで信用させ、そのうえで「今すぐ契約してくれたら・・・」あるいは「もし今日中にご契約頂けるなら・・・」と、早期の契約を迫ってきます。値引きで何十万円も得できるせっかくの機会を失いたくないという思いから、つい契約してしまうのです。

これは最初から値引きをすることを想定し、その分の金額を上乗せして見積を高めに設定していただけの話です。

「値引きのための値引き」に他なりません。広告塔営業にせよ、モニター営業にせよ、偽キャンセ営業にせよ、古くから使われている典型的な騙しのテクニックです。いかにも本当にありそうな値引きの理由で信頼させるのがポイントです。

断言します。真面目に仕事に取り組んでいる工事業者が「大幅な値引き」を提示することはありません。ましてや「今すぐ契約してくれたら・・・」などと、お客様を急かすようなことは絶対にありません。もし何かしら理由をつけて大幅な値引きを持ちかけたり、今すぐ」とか「今週中に」などと契約を急かして来たら、その工事業者は要注意です。

不安を煽る業者は100%無視して良い

前項で大幅な値引きや、契約を急かす工事業者に要注意とお伝えしてきましたが、もう一つ警戒すべき工事業者の特徴があります。

それは「不安を煽る業者」です。具体的には、「早く工事をしないと建物がどんどん傷んで取り返しがつかないことになりますよ」とか「このままほっとくと建物に深刻なダメージがありますよ」というセールストークで、お客様の不安をあおり、工事の契約に結びつけようとします。リフォーム業界では昔からよく知られているセールススタイルです。ちょっとした外壁のひび割れや、あって当たり前のカビ・コケなどを見つけ、ことさら大げさにその危険性を指摘します。建物をくまなく見まわして粗探しをするのです。ほんの小さな傷や傷みを探し出し、それをきっかけにお客様が不安になるようなセールストークを展開します。

はっきりと断言します。お客様の不安を煽るような業者は100%無視して構いません。マトモな業者は絶対にそのようなことをしないからです。外装工事業者やリフォーム業者は、お客様の不安を解消し、安心して頂くことこそ本来の役割なのです。お客様を不安がられる言動は、その本来の役割と全く真逆です。不安を煽るセールストークを展開する時点で悪徳業者と認定しても差し支えないでしょう。

仮に建物にとって本当に危険な兆候があったとしても、それを大袈裟に指摘したり、お客様を不安にするのはプロして言語道断です。どんな場合でも、つとめて冷静かつ客観的に、あえて淡々と事実を説明し、しっかりと対応策や解決策を提示するのがプロです。お客様の不安をできるだけ小さくすることこそプロである我々の役割なのです。

お医者さんと同じです。患者の悪いところを大袈裟に指摘して不安にさせる医者が良い医者ではないでしょう。建物・屋根の工事も全く同じなのです。建物の悪いところを強調して不安を煽るような業者は100%無視してください。そんな業者で工事をしなくても他に良い業者がいるので安心してください。お客様の不安を煽ることなく、しっかりと解決策や対応策を提示してくれる真面目な業者も世の中にはたくさんいるのです。

悪徳業者をあぶり出す魔法の言葉『三件分の施工実績を見せて貰えますか?』

建物メンテナンス業者の中には、良い仕事をする真面目な業者もいれば、レベルの低い業者や、お客様を騙そうとする悪徳業者もいます。とは言え、それは建物メンテナンス業者に限った話ではありません。どんな業界、業種においても良い業者と悪い業者がいます。外食で利用する飲食店にも美味しい店もあれば美味しくない店もあります。ただ、飲食店であれば、もし美味しくなかった二度と行かなければ良い話です。そして美味しかった店や気に入った店には何度も通えば良いでしょう。

ところが、建物メンテナンスの場合はそうはいきません。外食と違い、日常的な消費活動ではないからです。10~15年に一度ぐらいしか機会がないのです。金額的にも数十万円~数百万円、場合によっては1,000万円を超える工事もあります。けっして安い買い物ではありません。今回の工事が駄目だったら次回は他の会社に頼めば良い、と安易に考えられる金額ではありません。建物メンテナンスの場合は、失敗してからでは遅いのです。失敗したら取返しがつきません。場合によっては数百万円の工事代金が全て無駄になってしまうことすらあります。すべての業者さんが良い業者さんなら問題ありませんが、飲食店の全てが安くて美味しい店ではないのと同じように工事業者も千差万別です。ピンからキリまで、良い業者から悪徳業者まで星の数ほどいるのが現実です。悪徳業者に騙されないためには自分で自分の身を守らないといけません。大切な建物を守るために、業者を見分ける力を身につける必要があるのです。しかし、あの手この手でお客様を騙そうとする悪徳業者のテクニックを見破るのは容易なことではありません。残念ながらお客様の立場で見た目、むしろ真面目で良い業者より悪徳業者の方がイメージが良い場合すらあるのが現実です。

では、悪徳業者やレベルの低い業者を見破るにはどうすれば良いのでしょう。実は悪徳業者をあぶり出す魔法の言葉があります。もちろんこの言葉だけで100%悪徳業者を見破れるとまでは言えません。予防線を張るわけではありませんが、残念ながらこの魔法の言葉だけですべてを解決することはできません。しかしかなり高い確率で悪徳業者や低レベル業者をあぶり出すことができます。真面目な良い業者さんを見つけ出すための有効な方法の一つになるでしょう。

その言葉は「3件分の報告書を見せて貰えますか?」です。もう少し具体的に言います。工事を依頼しようと思っている工事業者に対して、次のようなお願いをしてみてください。

「個人情報に触れない範囲で構わないので、御社が過去に施工した物件の中で、私が依頼する予定の工事内容に近い(似ている)物件の工事報告書を3件ほど見せて貰えますか?」

このお願いに対し、なんだかんだと理由をつけて拒んだり、しっかりと作られた工事報告書を、たったの三件分すら提出できないような工事業者なら、その時点で選択肢から外すことをお勧めします。

そう判断しても良い明確な理由があります。

一般的に、屋根修理やリフォーム工事、外装工事などの建物メンテナンスを請け負った工事業者は、工事完了後、お客様に工事報告書を提出します。標準的な工事報告書は、施工前から施工中、施工後まで、各工程ごとの写真を添付し、誰が見ても工程ごとの作業内容や施工状況がわかるようになっています。専門知識がない人が見ても、建物のどこを見ても、建物のどこをどのように工事したのか理解できるようになっていなければなりません。そもそも工事報告書は、建築に詳しくないお客様に対し、工事内容や作業の様子を説明するためのものだからです。

ですので、真面目に取り組んでいる工事業者であれば、工事報告書を作成してお客様に提出するための当然のことです。その工事報告書を見せられない、つまりお客様に提出するのは当然のことです。その工事報告書を見せられない、つまりお客様に提出するための工事報告書を作成していないのであれば、そのような工事業者は選択肢から外すのが正解です。または、工事報告書がなくても、その工事業者のホームページに施工実績が掲載されているかを確認しましょう。

そのようなものがなければ、プロとして仕事に取り組む姿勢が間違っています。もしかしたら工事の実績そのものが全くない可能性があります。あるいは仮に工事をやっていたとしても現場管理や工程管理がいい加減で、報告書作成のために必要な写真撮影ができていないのかもしれません。いずれにしても、そのような工事業者に大切な屋根・建物を任せない方が無難です。

なお、見せてもらう報告書は、あくまでも自分が依頼する工事内容に近い物件にしてもらいましょう。建物の外装がタイル張りなのに、タイル張りではない物件の報告書を見ても全く参考になりません。あるいは自分の建物が鉄骨造なのにRC造の建物の報告書を見ても、同様に参考になりません。外装材や構造が違えば、工事の内容も仕様も全く違ってくるからです。もし工事内容が近い報告書がないとしたら、その業者さんはあなたの建物にちかい物件の工事をした経験がないと判断することもできます。つまり、あなたが要望した報告書が三件分出せるかどうかで、工事業者に本当の実績や経験があるのか見極めることができるのです。

さらに、三件分の工事報告書を見せて貰ったら、疑問に思った点や、わからなかったことについて、どんどん質問しましょう。どんなことでも遠慮する必要はありません。わからないことは率直に質問し、自分の建物のケースと重ね合わせて相談してみてください。その質問に対する回答や、相談への対応で、工事業者のレベルや仕事に取り組む姿勢がわかる場合もあります。どんな質問に対しても嫌な顔せず、素人にもわかりやすく丁寧な説明をしてくれる工事業者なら失敗する確率は下がります。逆に工事業者の説明が腑に落ちなかったり、あるいは納得できなかったりしたら、慎重に判断した方が良いかもしれません。本当に良い業者なら、誰にでもわかりやすく説明できるものです。もちろん口下手で話が苦手というタイプの業者もいるかもしれません。しかし、工事内容をしっかりと上手く伝えられないで済む話ではありません。本当に理解できるまで、充分に納得できるまで、相手を質問責めにしてください。工事後に後悔しないためにも、ここで妥協しない姿勢が大切です。

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