積水ハウスで使用される屋根材の種類を屋根の専門家が解説!

積水ハウスで家を建てたいと考えたときどのような屋根材が使えるのか、気になったことはありませんか?

積水ハウスでは屋根材や屋根の形状など、さまざまな組み合わせから選ぶことができます。

そこで今回は、積水ハウスで使用される屋根材の種類について解説します。ほかにも選べる屋根の形状やメンテナンスにかかる費用相場についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

積水ハウスで使用される屋根材の種類と特徴

積水ハウスで使用される屋根材の種類は主に以下の2つです。

・スレート屋根
・陶器瓦

それぞれ解説します。

スレート屋根

スレートは主に木造住宅シャーウッドで標準装備となっています。セメントを主材料とした厚さ5mm程度の板を屋根材として加工したものです。

フラットな形状で一般的な住宅に古くから使用されており、価格が安く軽量で耐震性に優れた特徴があります。加えて、スレート材は薄く加工のしやすさから幅広く人気を集めています。

また、屋根の形状も寄棟屋根や切妻屋根、片流れ屋根、陸屋根などさまざまな形状から選択もでき、いずれも太陽光パネルが標準装備です。屋根の勾配(傾斜)も選択することができ、一般的な5寸に対し、シャーウッドでは2.5寸にも対応しています。

陶器瓦

積水ハウスの鉄骨住宅で標準仕様なのが陶器瓦です。陶器瓦は粘土で成形されたのち、釉薬(ゆうやく・うわぐすり)と呼ばれるガラスの層を作って瓦表面をコーティングしています。

古くから住宅の屋根材として使われており、和風タイプや洋風、スパニッシュなど種類も豊富です。陶器瓦は高温で焼き上げるため硬く耐久性に優れており、耐用年数は50年以上とも言われています。

釉薬のガラス層は耐候性や耐水性に優れているだけでなく、色やツヤも付けられるため塗装が必要ありません。塗装が必要なく、手間やメンテナンスコストの削減にも貢献しています。

また、積水ハウスで提供する陶器瓦には太陽光パネルの取り付けも可能です。陶器平瓦の形状となりますが、平瓦のサイズに合わせて瓦の代わりに配置する設計です。

平瓦の形状に太陽光パネルの形を合わせることで、一体感が生まれ屋根のシルエットを壊さずに機能的に使うことができます。寄棟屋根にも配置できる設計により、方位を気にせず街並みにも調和するデザインを実現しています。

高耐久ルーフィングで長期間の防水にも対応

ルーフィングとは屋根材の下に敷く防水シートのことです。屋根は土台となる野地板・ルーフィング(防水シート)・屋根材の順に構成されており、屋根材だけでは防ぎ切れなかった雨水をルーフィングによって雨漏りを防いでいます。

積水ハウスでは改質アスファルトルーフィングを敷いており、雨水が浸入しやすい箇所にはゴムシートを増し貼りをして雨漏り対策を強化しています。

また、軒樋には積水ハウス独自の形状に加工し、表面に特殊な樹脂を用いることで経年劣化による色あせも防ぐ工夫をしています。

積水ハウスで選べる屋根の形状

積水ハウスで選べる屋根の形状は主に以下の4種類です。

・片流れ屋根
・切妻屋根
・寄棟屋根
・陸屋根

それぞれ解説します。

片流れ屋根

片流れ屋根

片流れ(かたながれ)屋根は一方向のみに傾斜がある形状の屋根です。オシャレなデザインや太陽光パネルを設置しやすいといったメリットがあり人気の屋根の形状です。

そのほか、天井が高くなるため開放感のある室内空間にできたり、ロフトも設置しやすかったりといったメリットもあります。

一方で、片方のみの傾斜になるため雨樋(あまとい)に雨水やゴミが溜まりやすくなり、定期的に清掃を行わないと雨水を正しく排出できなくなるため雨漏りに繋がりやすいデメリットもあります。

また、傾斜の反対部分は外壁を守る軒の部分がなく、直接紫外線や雨水が当たる範囲が多くなり外壁への負担も大きく劣化も早くなります。

切妻屋根

切妻屋根

切妻(きりづま)屋根は三角屋根とも呼ばれ、2つの傾斜がある山形の屋根です。昔からある一般的な屋根の形状です。

切妻屋根は単純な形状からコストが安くすむだけでなく、水はけもよいことから雨漏りにも強い屋根でもあります。

ただし、単純な形状から個性を出しにくく、デザイン性を求める人には物足りなさを感じる屋根です。

寄棟屋根

寄棟屋根

寄棟(よせむね)屋根は四方向に傾斜がある形状をした屋根です。寄棟屋根は4方向それぞれに軒があるため、すべての面の外壁を紫外線や雨風からしっかりと保護できます。

切妻同様、派手さはありませんが落ち着いた印象になり、飽きが来ない受け入れやすい屋根の形状です。

デメリットとしては、屋根が4面あるため屋根材が多くなり設置コストが高くなります。また、屋根裏のスペースを取りにくかったり、太陽光パネルの設置面積が少なくなったりといったことが挙げられます。

陸屋根

陸屋根は「ろくやね」または「りくやね」と呼ばれており、屋根の傾斜がほとんどない屋根です。陸屋根は屋根が平らなことで屋上として活用できることや、屋根裏がないため天井が高く、室内空間を広く取れるといった特徴がある屋根です。

陸屋根は傾斜がほとんどないため、水はけが悪くなり雨漏りしやすくなります。雨漏り防止で防水塗装や防水シートを施工しますが、定期的な防水工事が必要となります。

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一般的な住宅で使用される屋根の種類

一般的な住宅で使用される屋根の種類は主に以下の4つです。

  • 瓦(陶器瓦)
  • 金属(ガルバリウム、SGL)
  • スレート
  • アスファルトシングル

それぞれ解説します。

瓦にもいくつか種類があり、上の章で紹介した色ツヤがある陶器瓦、耐久性が高く瓦の主流といえる粘土瓦、燻(いぶ)して焼き上げるいぶし瓦があります。

粘土瓦は産地の名前が付いているものがあり、愛知県三河の三州瓦、島根県石見の石州瓦、兵庫県淡路島の淡路瓦があります。これらの瓦は日本三大瓦と呼ばれており、その中でも三州瓦は流通している粘土瓦の約6割を三州瓦が占めています。

また、素焼きで仕上げる素焼き瓦、セメントを主成分とするセメント瓦、セメントに砂利を混在させたモニエル瓦があります。

金属(ガルバリウム・SGL)

金属製の屋根として、近年はガルバリウム鋼板、SGL鋼板がよく使われています。これまでの金属製の屋根といえばトタンがありましたが、サビやすく断熱性や遮音性も低いのがデメリットでした。

トタンに代わるものとして、サビに強く耐久性のあるガルバリウム鋼板やSGL鋼板が主流となっています。断熱材と一体になったケイミュー社が販売するスーパーガルテクトが有名です。

SGLはガルバリウムをベースにマグネシウムの防腐性能や耐食性を向上させたものです。腐食が起こりやすい塩害地域にはとくにおすすめできる屋根材です。

スレート

スレートは上でも解説したとおり、セメントを主材料とした屋根材で、積水ハウスのシャーウッドでも標準装備となっている屋根の素材です。

スレートには粘板岩(ねんばんがん)とよばれる天然石を使った天然スレートと、セメントに繊維質を混ぜて固めて作る化粧スレートの2種類の素材があります。

一般的な住宅で使用されるのは化粧スレートの方です。

アスファルトシングル

アスファルトシングル

主材料となるアスファルトにガラス繊維(グラスファイバー)をコーティングして、表面を砂粒でコーティングした屋根材です。防水性が高く、表面にコーティングした砂が雨音を拡散する効果があり遮音性にも優れています。

また、軽量のため耐震性にも強く、カッターやハサミで簡単にきれるため施工性にも優れた屋根材です。

デメリットは、表面の砂粒が経年劣化で剥がれてしまうことや軽いため突風などの強い風で飛ばされやすいことです。

積水ハウスの屋根材のメンテナンス方法と費用相場

積水ハウスの屋根材のメンテナンス方法は、主に以下の4つです。

・再塗装
・部分交換
・カバー工法
・葺き替え

それぞれ解説します。

再塗装

屋根の劣化状況が軽度であれば再塗装が可能です。ただし、雨漏りしていたり、屋根の寿命を延ばしたりする用途では塗装はできません。

再塗装は使用する塗料の種類にもよりますが、40〜60万円程度です。

部分交換

瓦屋根やスレート屋根は部分的な交換が可能です。部分的に欠けや割れが発生していたら、破損した部分のみ交換が可能です。

カバー工法

カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を覆う(カバー)するメンテナンス方法です。既存の屋根材を撤去する必要がないため、廃材や撤去費用などが抑えられます。断熱性や防水性の向上も期待できます。

ただし、屋根が二重になり重量が増してしまうため耐震性は落ちてしまいます。カバー工法は使用する屋根材にもよりますが、100〜160万円程度です。

葺き替え

葺き替えは既存の屋根材をすべて撤去して、新しい屋根材に交換する方法です。屋根材や防水シートなどの傷みが激しい場合や、雨漏りしている場合はこの葺き替えになります。

葺き替えは既存屋根の撤去費用や廃棄費用が別途発生するため、費用は180〜200万円程度です。

積水ハウスの屋根のリフォームを専門業者へ依頼する際のポイント

積水ハウスで建てた家の屋根を、屋根修理専門業者へ依頼する際のポイントは以下のとおりです。

・複数の業者で見積もりを比較する
・屋根のリフォームを専門とする業者へ依頼する
・業者の保証やアフターサービスがあるかを確認する

それぞれ解説します。

複数の業者で見積もりを比較する

屋根のリフォームをする際、複数の業者から見積りを取ってリフォーム費用相場を把握することが大切です。

1社のみだと工事費用の相場が把握できずに、提示された見積もりが高いか低いかの判断ができません。悪徳業者に当たってしまった場合、業者の利益となる余計な費用を取られてしまったり、本来使用するべき塗料からグレードの低い塗料へすり替えられたりする可能性があります。

悪徳業者に騙されないためにも、見積もり価格と合わせて業者のサービス品質も確認することが大切です。

屋根のリフォームを専門とする業者へ依頼する

屋根のリフォームをする際は、屋根に関するリフォームを専門とする業者へ依頼することが大切です。屋根や外壁などはそれぞれ専門分野があります。屋根板金(修理)業者、塗装業者、瓦修理業者などさまざまです。

もちろん、ハウスメーカーや工務店でも修理はできるでしょう。しかし、屋根のリフォーム業者は屋根に関するスペシャリストです。屋根の劣化状況に合わせて最適なアドバイス、工事を提案、修理をしてくれます。

業者の保証やアフターサービスがあるかを確認する

業者の保証やどのようなアフターサービスがあるかは、契約時に確認しておきましょう。実際に、工事保証やアフターフォローがない業者も存在します。

そのような業者に当たってしまった場合、工事後に何か不具合が起きても対応してくれません。屋根のリフォーム後に雨漏りするケースもあります。

施工手順が間違っていたり、取り付けるべき建材が取り付けられていなかったりする場合は、もちろん業者の責任です。

しかし、雨漏りの場合、すぐに気付けるとは限りません。実際に雨漏り調査をしなければ施工不良だったという結果もわかりません。時間が経過してしまった場合は「うちの責任ではない」と逃げられるケースもありますので、そのようにならないためにも、工事保証は大事です。

修理後の保証やアフターフォローがある業者を必ず選ぶようにしましょう。

まとめ

今回は、積水ハウスで使用される屋根材の種類を解説しました。積水ハウスで使用される屋根材は以下の2つです。

・スレート屋根
・陶器瓦

また、積水ハウスで選べる基本の屋根の形状は以下のとおりです。

・片流れ屋根
・切妻屋根
・寄棟屋根
・陸屋根

積水ハウスでは、高耐久のルーフィングを用意しており屋根材の耐用年数を合わせて、長期間の防水にもしっかり対応しています。

屋根材の劣化が見られた場合は、軽度な劣化であれば再塗装、部分交換、劣化が進行しているようであればカバー工法や葺き替えといったリフォームも検討する必要があります。

屋根材の汚れや色あせ、剥がれなどの症状が見られた場合、なるべく早く屋根の専門業者へ点検することをおすすめします。

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