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屋根に苔が生える原因と対策を解説!放置するとどうなる?

屋根にうっすらと緑色の苔が広がっているのを見つけたとき、「見た目が悪いだけでは?」と思う方も多いでしょう。しかし屋根の苔は単なる汚れではなく、防水性能の低下や劣化のサインであることが少なくありません。放置すれば屋根材の寿命を縮め、雨漏りへと発展する可能性もあるのです。

この記事では、屋根に苔が生える原因、放置した場合のリスク、正しい対策方法、屋根材別の注意点まで解説します。

屋根に苔が生えるのはなぜ?主な原因を解説

屋根に苔が生える背景には、単なる経年劣化だけでなく、環境条件や屋根材の状態が複雑に関係しています。苔は湿気を好む植物であり、一定の水分と日陰があれば繁殖していきます。つまり、屋根の苔は「湿気が逃げにくい環境」と「防水性能の低下」が重なった結果なのです。

湿気がこもりやすい環境が最大の要因

北側の屋根や隣家との距離が近い住宅では、日当たりが悪く乾燥しにくい傾向があります。屋根は本来、日光によって自然乾燥することで健全な状態を保ちますが、日照時間が短いと水分が長時間残りやすくなります。近くに大きな樹木がある場合も、落ち葉や湿気が滞留しやすく、苔の発生条件が整ってしまうのです。

特に梅雨時期や台風後に苔が広がるケースは少なくありません。屋根表面に残った水分が乾ききらず、苔の胞子が定着しやすくなるからです。環境要因は変えにくい部分もありますが、苔が出やすい家かどうかを知ることは重要でしょう。

屋根材の防水性能低下

屋根材には本来、雨水を弾く「塗膜」が施されています。この塗膜が紫外線や雨風によって劣化すると、表面がざらつき、水を吸いやすくなります。スレート屋根では特に顕著で、塗膜が劣化すると吸水しやすい状態になり、苔が根付きやすくなるのです。

防水層(ルーフィング)は屋根材の下に敷かれる防水シートで、二次防水の役割を担います。しかし屋根表面の劣化が進むと、この下地にも負担がかかります。苔はその劣化の「結果」であり、同時に「加速要因」でもあるというわけです。

築年数とメンテナンス不足

築10〜15年を過ぎると、多くの屋根で塗膜の劣化が始まります。点検や塗装メンテナンスを行わないまま放置すると、苔の発生は時間の問題です。苔は突然生えるのではなく、徐々に条件が整った結果として現れます。つまり苔が出ているということは、屋根がメンテナンス時期を迎えている可能性が高いのです。

屋根の苔を放置するとどうなる?

苔が生えていても雨漏りしていないから大丈夫、と考える方もいるでしょう。しかし苔は水分を保持する性質があり、屋根材を常に湿らせた状態にします。これが劣化を加速させる大きな原因なのです。

屋根材の劣化が加速する理由

苔はスポンジのように水分を含みます。晴れても完全に乾燥しきらず、夜間や朝露で再び湿ります。この吸水と乾燥の繰り返しが、屋根材の表面を徐々に傷めていくのです。特にスレート屋根では割れや反りが起こりやすくなります。

瓦屋根でも安心はできません。瓦自体は耐久性がありますが、漆喰や下地は別です。苔が広がることで漆喰の劣化や水分滞留が進み、内部への浸水リスクが高まります。

雨漏りリスクの上昇

屋根材が劣化すると、下に敷かれたルーフィングへ負担がかかります。ルーフィングは20年前後で寿命を迎えるといわれていますが、苔による湿気が続くと劣化が早まる可能性があります。やがて野地板(屋根下地の木材)に水が回り、腐食が始まるでしょう。

雨漏りは天井にシミが出たときにはすでに進行しているケースが多いのです。苔を軽視することは、将来的な大規模修理につながりかねません。

資産価値の低下

屋根に苔が広がっている住宅は、どうしても管理状態が悪く見えます。売却時の査定にも影響する可能性がありますし、購入希望者にとっても不安材料となるでしょう。外観は住まいの第一印象を左右する重要な要素なのです。

屋根材別|苔が与える影響と注意点

屋根に苔が生えたとき、その影響は屋根材によって異なります。どの屋根でも「水分が滞留する」という点は共通していますが、素材ごとの弱点に直結するため、劣化の進み方が変わってくるのです。ここでは代表的な屋根材ごとに、苔が与える影響と注意点を詳しく解説します。

スレート屋根の場合

スレート屋根(コロニアル・カラーベストとも呼ばれます)は、セメントを主成分とした薄い板状の屋根材です。この屋根材にとって最も重要なのが「塗膜」です。塗膜とは、表面を保護する塗装の層のことで、雨水の吸収を防ぐ役割を担っています。

しかし紫外線や雨風の影響により、築10〜15年ほどで塗膜は徐々に劣化します。塗膜が薄くなると表面がざらつき、水を吸いやすい状態になります。そこに苔の胞子が付着すると、湿気を含んだまま定着し、繁殖していくのです。つまり、苔は塗膜劣化の結果であると同時に、劣化の進行を知らせるサインでもあります。

苔が広がると、屋根材は常に湿った状態になります。乾燥と吸水を繰り返すことでスレートは反りやひび割れを起こしやすくなります。ひび割れた部分から雨水が侵入すると、下に敷かれた防水シート(ルーフィング)へ負担がかかり、やがて雨漏りにつながる可能性があるでしょう。

スレート屋根で苔が目立ち始めた場合は、「見た目の問題」ではなく「再塗装の検討時期」と考えるのが適切です。洗浄だけで終わらせるのではなく、防水性能を回復させるメンテナンスが重要なのです。

瓦屋根の場合

瓦屋根は耐久性が高く、50年以上もつケースも珍しくありません。そのため「瓦は丈夫だから苔が生えても大丈夫」と思われがちです。しかし注意すべきなのは、瓦そのものよりも周辺部材や下地なのです。

瓦屋根には、棟部分を固定する漆喰(しっくい)や、瓦の下に敷かれた葺き土、防水シートなど複数の部材が使われています。苔が瓦の表面や隙間に広がると、水分が長時間滞留しやすくなります。その結果、漆喰が劣化したり、瓦の下に湿気がこもったりする可能性があるのです。

特に寒冷地では、吸収された水分が凍結と融解を繰り返すことで「凍て割れ」が発生することがあります。凍て割れとは、内部に含まれた水分が凍る際に膨張し、瓦を内側から割ってしまう現象です。苔によって水分が抜けにくい状態になると、このリスクが高まるでしょう。

また、瓦の重なり部分に苔が入り込むと、乾燥を妨げるだけでなく、微細なズレを引き起こすこともあります。ズレた隙間から雨水が侵入すれば、下地への影響は避けられません。瓦屋根で苔が目立つ場合は、瓦そのものだけでなく、漆喰や棟の状態もあわせて点検することが重要です。

金属屋根の場合

ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、防水性が高く軽量で耐久性にも優れています。しかし「金属だから苔とは無縁」というわけではありません。表面には必ず塗膜が施されており、この塗膜が劣化すると水分が残りやすくなります。

特に北側や日陰部分では、水分が乾きにくく、苔が発生することがあります。苔自体が直接金属を腐食させるわけではありませんが、水分を長時間保持することでサビの発生リスクを高めます。塗膜が傷んだ箇所から赤サビが広がると、穴あきにつながる恐れもあるでしょう。

金属屋根は比較的メンテナンス周期が長いものの、塗膜の劣化サインを見逃してはいけません。苔が生えているということは、防水塗装の性能が低下している可能性があります。洗浄後に再塗装を行い、防水性能を回復させることが再発防止につながるのです。

屋根の苔の正しい対策方法とは?

屋根に苔が生えた場合、「とにかく落とせばいい」と考えてしまいがちです。しかし苔はあくまで“結果”であり、原因は屋根の防水性能の低下や湿気環境にあります。見た目だけをきれいにしても、根本的な対策をしなければ再発する可能性が高いのです。ここでは、代表的な対処法とその注意点を整理していきます。

高圧洗浄は本当に安全?

高圧洗浄は、屋根に付着した苔やカビ、汚れを物理的に洗い流す方法です。短時間で広範囲をきれいにできるため、多くの現場で採用されています。ただし「強い水圧=効果的」とは限らないのです。

特に劣化が進んだスレート屋根では、強すぎる水圧が屋根材の隙間から内部に入り込み、防水シート(ルーフィング)や下地を傷める恐れがあります。また、塗膜がすでに弱っている場合、必要以上に削り取ってしまう可能性もあります。表面がさらにざらつき、逆に苔が再発しやすくなるケースもあるでしょう。

適切な水圧調整、洗浄角度、作業手順を理解していないと、屋根をきれいにするどころか寿命を縮めてしまうこともあります。高圧洗浄は有効な手段ではありますが、屋根の状態を見極めたうえで慎重に行う必要があるのです。

バイオ洗浄という選択肢

苔やカビの再発を抑える方法として注目されているのが「バイオ洗浄」です。これは専用の薬剤を使用し、苔やカビの根まで分解・除去する洗浄方法を指します。水圧だけに頼る洗浄よりも、再発防止効果が期待できる点が特徴です。

苔は表面を削るだけでは完全に除去できないことがあります。胞子や根が残っていれば、湿気条件が整えば再び繁殖します。バイオ洗浄では微生物の細胞を分解する成分を用いるため、目に見えない部分まで処理できるのです。

ただし薬剤は適切な希釈や取り扱いが必要です。周囲の植栽や外壁への影響も考慮しなければなりません。誤った使い方をすると変色や素材劣化の原因になる場合もあります。効果的な方法であるからこそ、専門知識を持つ業者による施工が望ましいでしょう。

塗装による防水性能の回復

苔が発生している屋根の多くは、すでに塗膜の劣化が進んでいます。塗膜とは、屋根材を紫外線や雨水から守る保護層のことです。この塗膜が失われると吸水しやすくなり、苔が定着しやすい環境が生まれます。

そのため、洗浄だけで終わらせるのではなく、再塗装によって防水性能を回復させることが重要です。塗装は単なる色の塗り替えではありません。下地処理、下塗り、中塗り、上塗りといった工程を経て、屋根材を保護する機能を取り戻す作業なのです。

また、近年は低汚染性や防カビ・防藻性能を持つ塗料もあります。これらを適切に選定することで、苔の再発リスクを抑えることが可能になります。ただし屋根材の状態によっては塗装では対応できず、カバー工法や葺き替えが必要なケースもあるでしょう。まずは屋根全体の状態を診断し、最適な方法を選ぶことが大切なのです。

自分で除去しても大丈夫?

屋根の苔を自分で落とそうと考える方もいるでしょう。しかし屋根は高所作業であり、転落事故のリスクがあります。さらに市販洗剤を使うと屋根材を傷めることもあります。

軽微な苔であっても、屋根の状態を見極めるのは難しいものです。無理をせず、専門業者に相談することが安全といえるでしょう。

屋根の苔を予防するためにできること

屋根の苔は、発生してから慌てて対処するよりも、あらかじめ生えにくい状態を保つことが重要です。苔は「湿気」と「防水性能の低下」が重なったときに広がります。つまり予防の基本は、屋根を乾きやすく保ち、防水機能を維持することなのです。

予防の基本① 定期点検で劣化を早期発見する

最も効果的な予防策は、定期的な屋根点検です。理想は年に一度、少なくとも数年に一度は専門業者による確認を行うことが望ましいでしょう。とくに台風や強風、大雨のあとには、屋根材のズレや塗膜の傷みが生じていることがあります。

屋根は普段目に見えない場所だからこそ、劣化が進行しても気付きにくいのです。早期に異常を発見できれば、洗浄や部分補修といった軽微な対応で済む可能性が高まります。結果的に修理費用の抑制にもつながるというわけです。

予防の基本② 塗装メンテナンスで防水性能を維持する

築10年をひとつの目安として、屋根塗装の検討を始めることが重要です。塗膜は紫外線や雨風によって徐々に劣化します。塗膜が弱くなると屋根材が水を吸収しやすくなり、苔の発生条件が整ってしまいます。

再塗装は単なる色の塗り替えではなく、防水性能を回復させるための工事です。下地処理を丁寧に行い、適切な塗料を選ぶことで、苔の再発リスクを抑えることができます。苔は「塗り替え時期のサイン」と考えると分かりやすいでしょう。

予防の基本③ 周辺環境を整えて湿気をためない

屋根周辺の環境も、苔の発生に大きく関わります。近くに大きな樹木がある場合、落ち葉が屋根に溜まりやすくなります。落ち葉は湿気を保持するため、苔の温床になりやすいのです。

定期的な剪定によって日当たりと風通しを改善することで、屋根が自然乾燥しやすくなります。湿気をため込まない環境を整えることは、長期的な予防策として非常に有効です。苔対策は屋根単体ではなく、住まい全体の環境づくりでもあるのです。

屋根修理が必要なサインとは?

苔が見つかった場合でも、すぐに大規模修理が必要とは限りません。大切なのは、苔が表面的な問題か、それとも構造的な劣化の兆候かを見極めることです。症状の進行度によって、適切な対応方法は変わります。

軽度の場合|洗浄と塗装で対応できるケース

苔が薄く広がっている程度で、屋根材に割れや反りが見られない場合は、洗浄と再塗装で対応できることが多いでしょう。防水性能を回復させることで、再発防止にもつながります。

この段階で手を打てば、比較的費用を抑えられる可能性があります。早期対応こそが、もっとも経済的な選択といえるのです。

中度の場合|カバー工法が適しているケース

屋根材にひび割れや反り、塗膜の著しい劣化が見られる場合は、塗装だけでは不十分なことがあります。そのような場合には、既存屋根の上から新しい屋根材をかぶせるカバー工法が選択肢になります。

カバー工法は下地が健全であることが前提です。既存屋根を撤去しないため工期が比較的短く、費用も抑えやすい方法といえるでしょう。

重度の場合|葺き替えが必要なケース

雨漏りが発生している、下地の野地板が腐食しているといった場合は、葺き替え工事が必要になります。葺き替えは屋根材と防水シートをすべて撤去し、新しいものに交換する工事です。

費用は高くなりますが、構造からリセットできるため、長期的な安心につながります。苔が広範囲にわたり、屋根材の崩れや沈みが見られる場合は、この段階を疑うべきでしょう。

業者選びで失敗しないポイント

苔対策や屋根修理は、業者選びによって仕上がりや耐久性が大きく変わります。単にきれいにするのではなく、再発を防ぐ施工ができるかどうかが重要なのです。

確認すべきポイント① 写真付き報告の有無

屋根は普段確認できない場所です。施工前後の写真を提示してくれる業者であれば、工事内容を客観的に把握できます。説明が具体的であるかどうかも重要な判断材料になります。

確認すべきポイント② 保証内容の明確さ

塗装や防水工事には保証がつくのが一般的です。保証期間や対象範囲が明確かどうかを確認しましょう。保証があるということは、施工品質に自信がある証ともいえます。

確認すべきポイント③ 相見積もりと比較検討

複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく内容を比較することが大切です。診断の丁寧さや説明の分かりやすさも重視しましょう。安さだけで選ぶと、必要な工程が省略されている可能性もあります。

まとめ

屋根の苔は、単なる見た目の問題ではありません。湿気がこもり、防水性能が低下していることを知らせるサインであり、放置すれば屋根材の劣化を加速させ、やがて雨漏りや下地腐食へと発展する可能性があります。スレート、瓦、金属屋根といった素材ごとに影響の出方は異なりますが、「水分をため込む状態」が続くことが共通のリスクなのです。

対策としては、高圧洗浄やバイオ洗浄による除去だけでなく、塗装による防水性能の回復が重要になります。また、定期点検や周辺環境の改善といった予防策を取り入れることで、苔の再発を抑えることができるでしょう。症状の進行度によっては、カバー工法や葺き替えといった本格的な修理が必要になる場合もあります。

大切なのは、苔を見つけた段階で「まだ大丈夫」と放置しないことです。早めに屋根の状態を把握し、適切な判断をすることが、結果的に住まいを長持ちさせ、修理費用を抑えることにつながります。

屋根の苔が気になる方は、まずは専門家による点検を検討してみてください。「屋根修理の匠」では、地域ごとの信頼できる屋根修理業者の情報を掲載しています。ご自宅の状況に合った業者探しにぜひお役立ていただき、大切な住まいを安心して守っていきましょう。

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