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「入母屋屋根って何?」と疑問に思っていませんか?屋根の種類が多い中、あまりメジャーではない入母屋屋根のメリットやデメリットなど、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、入母屋屋根とは何か、そのメリットとデメリットを解説します。さらに、入母屋屋根における雨漏りのリスクやメンテナンスにかかる費用についても解説していきます。
「昔から住んでいる家で入母屋屋根を採用している」「入母屋屋根のメンテナンスを検討している」という場合には、今後のメンテナンスを考える際の参考にしてください。
Contents
入母屋屋根とは、「切妻屋根」の上部と「寄棟屋根」の下部が重なりあったような構造の屋根です。伝統的な日本建築に見られる屋根の構造の一種で、一般住宅だけでなく寺院や神社でも多く使われています。
一般住宅で使われることが少なくなった入母屋屋根ですが、劣っているという理由で採用されなくなったわけではありません。代表的な入母屋屋根のメリットは、次の4つです。
・重厚感と高級感のある外観
・高い耐久性がある
・通気性に優れている
・断熱性に優れている
では、ひとつずつ簡単に見ていきましょう。
入母屋屋根は、重厚で高級感のある外観が特徴です。入母屋屋根の優美さを演出する屋根のラインは、住宅に優雅さと高級感を与えてくれます。また、屋根の起伏は縁起が良いとされ、古来より神社仏閣にも使用されてきました。
高い耐久性にある入母屋屋根は「入母屋」と呼ばれる特殊な瓦材でできています。この素材は、雨や雪、風などの異常気象に強く作られています。そのため、他の素材よりも長持ちし、台風などの自然災害にも耐えることができるでしょう。
また、屋根が4方向に下りている形状は、風の影響を受けにくいほか、雨が外壁に当たるのを防ぎ、腐食を抑制する効果があります。
入母屋屋根は、高低差のある屋根裏を広く取ることができます。屋根裏を広く取ることで、空気が効率よく循環し、カビやダニの発生、生活臭を抑制します。
特に、湿気のこもりやすい屋根裏の空気循環がよくなることで、屋根材が傷みづらくなるという点は大きなメリットです。
優れた通気性が特徴の入母屋住宅の屋根は、下から上に向かって換気できるように設計されています。そのため、適度な空気の循環と換気ができ、夏は涼しく、冬は暖かい家を実現します。季節にかかわらず、エアコンの光熱費を削減できる点も見逃せないメリットです。
入母屋屋根にかぎらず、メリットだけでなくデメリットもあります。入母屋屋根の採用を検討しているなら、デメリットもあわせて把握しておきましょう。入母屋屋根のデメリットは、次のとおりです。
・コストがかかる
・屋根の重量がある
・雨漏りのリスクが高い
それぞれ簡単に解説していきます。
入母屋屋根は頑丈で耐久性に優れているため、コストに見合うだけの価値はありますが、入母屋屋根の設置費用は他の素材に比べて非常に高くなります。また、複雑な形状である理由から、工期が長引くほか、その分の人件費が余計にかかることも想定されます。さらに、入母屋屋根を施工できる職人が減少していることから、施工費が高くつく点には注意したいところ。
入母屋屋根を採用する際、初期費用はもちろん、将来的に必要なメンテナンスコストも高くつくので覚悟しておきましょう。
伝統的な入母屋屋根は、陶器瓦や木製の本瓦などの重い材料で作られているため、屋根が非常に重くなります。また、切妻屋根と寄棟屋根が複合した形状であるため、他の屋根の形状と比べてどうしても重くなります。
古い家屋では、この重さが壁や基礎に大きな負担をかけることになり、建物が倒壊したり、屋根材が崩れ落ちたりするリスクがあるかもしれません。耐震性能も著しく低下し、大地震の際は倒壊リスクが高まるので、入母屋屋根を設置する際は細心の注意を払いましょう。
入母屋屋根は構造が不規則なため、軒先の取り付けが難しく雨漏りしやすいと言われています。また、屋根の棟や軒先には多くの接合部分があるため、隙間ができて水が入り込んだり、水がうまく流れなかったりすることがあります。
もし雨漏りが発生した場合、入母屋屋根の構造が複雑であることから、原因を特定するのは難しいでしょう。雨漏り調査にかかる費用に関しても、シンプルなデザインの屋根と比べて割高になるので、定期的なメンテナンスで雨漏りを発生させないことが肝となります。
入母屋屋根の雨漏りしやすい箇所は、以下の2つとなります。
・降り棟と隅棟が交差する箇所
・漆喰が剥がれた箇所
では、それぞれの特徴とともに原因を見ていきましょう。
「降り棟」とは、切妻屋根部分の軒先に向かって伸びている棟を指します。一方の「隅棟」とは、寄棟屋根部分の4方向の軒先に伸びる棟を指します。
この降り棟と隅棟が交差する箇所は、屋根の形状が切り替わる部分であるため、接合部分から雨漏りが発生するリスクが高まります。また、接合部分には水が溜まりやすくなることから、内部に雨水が侵入して雨漏りが発生することもあるでしょう。
なお、降り棟と隅棟が交差する箇所以外でも、屋根の谷部には注意が必要です。谷部は水が溜まりやすく、内部への雨水侵入に加え、屋根材の錆や劣化に直結するので注意しましょう。
入母屋屋根では、瓦の隙間を埋めるために漆喰を使います。隙間に漆喰を埋めることで、防水性能を高めて雨漏りのリスクを抑えることができますが、その漆喰が剥がれてしまうことも少なくありません。
漆喰が剥がれてしまうと、屋根下地となる葺き土が流れ出てしまい、建物内部に雨漏りが発生するので、漆喰が剥がれる前にメンテナンスすることが重要です。
入母屋屋根のメンテナンスを検討している場合にはもちろん、これから入母屋屋根を採用する場合は、入母屋屋根のメンテナンス方法とその費用についてチェックしておきましょう。
メンテナンス方法 | 費用 |
屋根塗装 | 50〜100万円 |
葺き替え | 150〜300万円 |
カバー工法 | 150〜300万円 |
部分補修 | 20〜50万円 |
なお、入母屋屋根で瓦屋根を使う場合、カバー工法はおすすめできません。カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根を被せる工法なので、瓦屋根を二重に被せることで建物の耐震性能が著しく低下します。
一方、屋根のメンテナンスを行う際は、足場の設置も必要となります。屋根のメンテナンスをすると同時に、外壁・雨戸・窓のメンテナンスなど、足場が必要な工事を同時に行うといいでしょう。
入母屋屋根の施工・メンテナンスを検討する際は、どの業者に依頼するか精査することも重要なポイントです。業者選びに失敗してしまうと、「施工内容が不十分であるのに、最後まで対応してもらえない」「前払いで高額な金額を請求された」といったトラブルを招くかもしれません。
そういったトラブルに巻き込まれないためにも、あらかじめ業者に依頼するときのポイントを押さえておきましょう。ポイントは、次の3つです。
・見積書の金額と内容
・実績や評価
・アフターフォローの有無
ひとつずつ簡単に紹介します。
業者を選ぶ際は、見積金額の妥当性をしっかり見極めましょう。金額が妥当かどうかを知るには、相見積もりが有効です。相見積もりとは、A社に見積もりを依頼して、その見積書をB社に提示して価格交渉をすることです。複数の業者の見積もりを比較すれば、料金相場がわかるので、妥当性を見極められるでしょう。
一方、見積金額だけでなく、見積書の内容にも目を向けなければなりません。たとえば、項目ごとに金額が記載されていて、丁寧に作り込まれた見積書であれば問題ありません。ただし、見積書の内容が「一式」と大まかに書かれている場合は注意が必要です。
金額を明記しないということは、何かしらの理由があるのか、もしくは対応が大雑把であるかのどちらかになります。そのような業者に対しては、より厳しい基準で良し悪しを見極めるようにしましょう。
業者に依頼するときは、その業者の実績や評価をあらかじめチェックしておきましょう。実績や評価をチェックするときにいちばん有効なのは、業者の口コミを見ること。口コミでは顧客からの正直な評価が紹介されているので、業者選びの参考になること間違いありません。
なお、参考にしている口コミは誰によって投稿されたのかという「情報元」もあわせて確認するようにしてください。情報元が明記されていない口コミは、信ぴょう性に欠けるので注意しましょう。
業者の良し悪しを見極めるときは、アフターフォローの有無を確認しましょう。アフターフォローのない業者を選んだ場合、修理後に不具合が起きても十分に対応してもらえず、結果的に修理費用が二重になるケースも少なくありません。
アフターフォローがあれば、万が一修理後にトラブルが起きたとしても安心です。アフターフォローの有無とあわせて、保証期間や保証内容についても説明を受けておきましょう。
今回は、入母屋屋根のメリットやデメリット、メンテナンス費用について解説しました。
入母屋屋根は、重厚感のある見た目であるほか、耐久性や通気性に優れたメリットの多い屋根です。なお、雨漏りのリスクが高い点やメンテナンスコストがかかる点には注意したいところ。特に、入母屋屋根の形状が複雑であることから、接合部分の雨漏りには十分注意する必要があります。
また、入母屋屋根を施工・メンテナンスする場合は業者選びにも注力しなければなりません。修理に関するトラブルや金銭的なトラブルに巻き込まれないためにも、業者選びのポイントをあらかじめ把握しておきましょう。
屋根修理の匠では、各都道府県の優良屋根修理業者を探すことができるので「ひとりで業者を選ぶのは自信がない」「屋根のメンテナンス方法を相談したい」という場合には、ぜひ活用してみましょう。
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