差しかけ屋根とは?メリットやデメリット、メンテナンス費用などを解説

差しかけ屋根

「差しかけ屋根ってどんな屋根?」と気になっていませんか?街中で見かけることも多い「差しかけ屋根」。もしかすると、あなたの家でも差しかけ屋根が使われているかもしれません。

そこで今回は、差しかけ屋根の特徴やメリットデメリット、メンテナンス費用について詳しく解説していきます。

この記事を読めば、差しかけ屋根の基本情報からメンテナンス方法まで網羅できます。「自分の家に差しかけ屋根が使われているのか知りたい」「差しかけ屋根の最適なメンテナンスを知りたい」という場合には、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

差しかけ屋根とは

差しかけ屋根とは、段違いに設置された「招き屋根」における下側の屋根のことをいいます。段違いに設置された屋根の組み合わせは、モダンな印象を与えます。そのため、差しかけ屋根をデザイン目的で採用するケースも少なくありません。

また、2階建ての建物の最下層に設置される屋根も差しかけ屋根にあたり、通常「下屋」とも呼ばれています。1階部分の広さが2階部分の広さを上回る場合や、2階部分の面積が環境的に制限される場合によく用いられます。

差しかけ屋根のメリット7つ

メリット

差しかけ屋根のメリットは、以下の7つです。

1.屋根裏スペースを広く確保できる
2.通気性が良い
3.耐風性優れている
4.太陽光発電パネルを設置しやすい
5.差しかけ屋根の下を有効活用できる
6.外壁の劣化を防ぐ
7.スタイリッシュなデザインになる

ひとつずつ簡単に見ていきましょう。

(1)屋根裏スペースを広く確保できる

大屋根を段違いに設置した差しかけ屋根の場合、屋根の高低差を利用して屋根裏スペースを広く取ることが可能です。屋根裏スペースを広く取れば、天井を高くしたり、吹き抜け感のある空間を生み出したりできます。差しかけ屋根を採用することで「開放感のある間取り」を実現できるでしょう。

(2)通気性が良い

屋根裏に広いスペースを確保できる差し掛け屋根は、空気の循環がよくなる効果を期待できます。空気の循環がよくなれば、風通しもよくなるので、屋根裏に湿気がこもりづらくなります。断熱材や屋根材の腐食も最低限に抑えられるでしょう。

(3)耐風性に優れている

段違いに設置された差しかけ屋根は、風の影響を分散させます。これにより、屋根の頂上部分が突風に大きくあおられることが少なくなり、風の抵抗が大きくなります。

(4)太陽光発電パネルを設置しやすい

段違いに設置された差しかけ屋根は、屋根の面積を広く取れるため、太陽光発電パネルを設置しやすいというメリットがあります。設置する太陽光発電パネルが多ければ、それだけ発電量も多くなるので、電力の自給自足の生活も実現できるかもしれません。

(5)差しかけ屋根の下を有効活用できる

差しかけ屋根を下屋として設置する場合、差しかけ屋根の下はさまざまな用途に活用できます。たとえば、自転車置き場や洗濯機置き場、庭の道具置き場など、さまざまな用途に活用できます。屋根のある独立したスペースで、この場所を最大限に活用するのは賢い選択と言えるでしょう。

(6)外壁の劣化を防ぐ

下屋として差しかけ屋根を設ける場合、下屋が1階部分の外壁を覆います。下屋は嵐や強風の直撃から外壁を守り、劣化を防ぎます。また、外壁の紫外線による害を軽減する効果もあります。さらに、雨水が屋内に侵入するのを防ぐ効果もあるので、「下屋」として設置される差しかけ屋根は家を守る存在として欠かせません。

(7)スタイリッシュなデザインになる

段違い屋根として設けられた差しかけ屋根の場合、モダンでスタイリッシュな印象を演出できます。最近の新築住宅でも多く採用されている差しかけ屋根。切妻屋根や寄棟屋根にはない「近代的なデザイン」は、多くの層から支持されています。

差しかけ屋根のデメリット2つ

デメリット

差しかけ屋根にはメリットだけでなくデメリットもあるので、きちんと把握しておきましょう。差しかけ屋根のデメリットは、次の2つです。

1.雨漏りのリスクが高い
2.屋根の施工範囲が増える

それぞれ簡単に見ていきましょう。

(1)雨漏りのリスクが高い

差しかけ屋根は、屋根と外壁の接合部分から雨漏りする可能性が高いので注意が必要です。仮に外壁から雨水が浸入すると、屋根材にも腐食が及びます。外壁からの雨水の侵入は発見しづらく、気づいた頃には室内にまで雨漏りが進行していたというケースも少なくありません。

他の屋根と比べて、差しかけ屋根は雨仕舞い処理がより一層重要視されます。したがって、定期的な点検とメンテナンスが必要不可欠であると覚えておきましょう。

(2)屋根の施工範囲が増える

下屋として差しかけ屋根を設ける場合、大屋根とは別にメンテナンスをする必要があるので、施工範囲が増えてしまう点がデメリットとしてあげられます。メンテナンスの施工範囲が増えれば、その分費用も割高になると念頭におきましょう。

差しかけ屋根のメンテナンス方法とその費用

ここでは、差しかけ屋根のメンテナンス方法とその費用について解説します。

それぞれの方法について詳しく掘り下げてみましょう。

なお、上記の費用は劣化状態や使用する材料、面積によって変動するので、あくまでも目安として参考にしてください。

(1)葺き替え

葺き替えとは、既存の屋根を撤去して、屋根の下地材を補修・交換した上で新しい屋根に交換する工法のことです。葺き替えのメリットは下地材まで補修・交換することで、雨漏りのリスクを根本から解決できる点といえます。新しく交換する屋根材にもよりますが、費用が割高になる点には注意しましょう。

ちなみに、葺き替えにおすすめの屋根材は、以下のとおりです。

・ガルバリウム鋼板
・化粧スレート
・アスファルトシングル
・粘土瓦

価格やデザイン性、耐用年数をすべて考慮して、最適な屋根材を選びましょう。

(2)カバー工法

カバー工法とは、既存の屋根はそのままにして、屋根材の下地材と新しい屋根材を被せる工法のことをいいます。カバー工法のメリットは、既存の屋根を撤去する必要がないため、メンテナンスコストを最小限に抑えられる点です。

なお、カバー工法を採用することで、屋根材の重量が増えて建物の耐震性が低下する恐れがあります。また、室内へ雨漏りしている場合、既存屋根の下地材はそのままの状態となり、建物が腐食するリスクも考えられます。あらゆるリスクを考慮した上で、メンテナンスコストを抑えたい場合におすすめです。

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(3)水切り板金の交換

差しかけ屋根と外壁の接合部分には、雨水の侵入を防ぐ「水切り板金」が設置されています。この水切り板金が経年劣化によって腐食したり、何らかの理由で変形したりすると、雨水が建物内部へ入り込んでしまうかもしれません。

室内への雨水侵入を防ぐためにも、水切り板金の不具合を見つけた際は、早めの対処をおすすめします。

また、水切り板金の立ち上げが不十分になっているケースもあります。経年劣化や施工不良など、あらゆる原因が考えられるので、いずれにしても、プロの業者に状態をみてもらい、適切な対処をしてもらうのがおすすめです。

(4)外壁補修

外壁のクラックから雨水が侵入し、その雨水が屋根に伝って、屋根材が腐食するケースも少なくありません。特に、差しかけ屋根は外壁と接している部分が多いので、外壁が雨漏りの要因となるケースは多いでしょう。

外壁にクラックが生じている場合は、雨水の侵入を防ぐために早めに補修しましょう。

(5)換気棟の設置

差しかけ屋根が下屋として設けられている場合、通常の屋根よりも結露が発生しやすく、屋根材が劣化しやすいリスクがあります。下屋がある場合は、換気棟を設置して換気性能を上げる対策を取るといいでしょう。

優良業者を見極める3つのポイント

「差しかけ屋根のメンテナンスを検討しているけど、どの業者を選んだらいいかわからない」と迷う方も多いのではないでしょうか。できるかぎり安くて信頼できる業者に依頼したいですよね。

もし悪徳業者に依頼してしまうと、高額な費用を請求されたり、不十分な修理で済まされてしまったりなど、あらゆる被害を受けるかもしれません。トラブルや被害に遭わないためにも、優良業者を見極めるポイントを把握しておきましょう。

業者を見極めるポイントは、次の3つです。

1.口コミ
2.見積書
3.アフターフォロー

ひとつずつ簡単に見ていきましょう。

(1)口コミ

口コミは、業者を選ぶ上で最も有益な情報です。口コミサイトを見れば、顧客の声を聞けたり、業者の評価を把握できたりします。

なお、口コミサイトを見るときは、その口コミの「投稿者」を確認しましょう。投稿者が不明な口コミは、信ぴょう性に欠けるので要注意です。

また、良い口コミばかりが掲載されている場合も注意しなければなりません。良い口コミばかりが書かれている場合、その口コミは「やらせ」で書かれているかもしれません。良い評判だけでなく悪い評判も把握して、その業者の信頼度を図るようにしましょう。

(2)見積書

業者を選ぶ上で、見積書のチェックも欠かせません。特に、見積書の「内訳」に目を向けて、業者の信頼性を見極めることが重要です。

たとえば、優良業者の場合は金額の内訳を項目ごとに細かく記載しています。一方、悪徳業者の場合は、金額の内訳を「一式」とまとめて書くケースが多くあります。

もし見積書の内容が「一式」とまとめて記載されている場合は、金額ごとの内訳を説明してもらいましょう。もしあいまいな回答が返ってきたら、その業者を信頼しないことが得策です。

また、見積書の「金額の妥当性」も調べておきましょう。金額の相場を把握するには、相見積もりが有効です。相見積もりとは、A社に見積りを依頼して、その見積もりをB社やC社に提示して、価格の交渉をすることです。相見積もりを取れば、複数の金額を比較できるので、高額な費用請求に騙される心配はありません。

(3)アフターフォロー

業者を選ぶ際には、アフターフォローの有無を調べておきましょう。もしアフターフォローのない業者に依頼した場合、修理後に不具合が起きたとしても十分に対応してもらえません。アフターフォローのある業者であれば、万が一不具合が起きても安心です。

アフターフォローの有無を確認するなら、アフターフォローの内容や保証期間についてもあわせて問い合わせましょう。

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まとめ

今回は、差しかけ屋根の特徴やメリットデメリット、メンテナンス費用について解説しました。

差しかけ屋根は、通気性や耐風性に優れているほか、スペースを有効活用できるメリットがあります。一方、屋根と外壁の接合部分から雨漏りしやすいという点がデメリットとしてあげられます。

差しかけ屋根のメンテナンスは、葺き替えカバー工法外壁補修などのあらゆる手段があるので、状況にあわせてベストな方法を見つけることが欠かせません。

最適なメンテナンスを実施するなら、頼れる優良業者に依頼することが求められます。業者をきちんと見極めるには、口コミや見積書を精査したり、アフターフォローの有無を把握したりすることが必要不可欠です。

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