屋根材「コロニアルNEO」とは?特徴やメンテナンスを解説

近年、築10〜20年の住宅で、屋根材の劣化による雨漏りが増加傾向にあります。特に、2001年から2008年頃にかけて販売されていた「コロニアルNEO」と呼ばれる屋根材については、経年劣化による損傷が多く報告されています。

そこで今回は、コロニアルNEOの特徴や問題点、メンテナンス方法などについてくわしく解説します。コロニアルNEOについて知りたい方や、今後のメンテナンスを検討している方はぜひ参考にしてください。

コロニアルNEOとは?

コロニアルNEOとは、2001年から2008年頃にかけてクボタ(現KMEW)から販売されていたノンアスベストスレート屋根材のことを指します。コロニアルNEOは、従来のアスベストスレート屋根材「ニューコロニアル」の後継品として発売されましたが、アスベスト規制の影響を受けて2008年に製造を終了しました。

コロニアルNEOには、屋根材として多くの特徴を持っていましたが、経年劣化による損傷や塗装における耐久性の低さなど、問題点も少なくありません。また、近年ではコロニアルNEOの劣化による雨漏り被害が増加しており、屋根の葺き替えに代表されるメンテナンスが急務となっています。

コロニアルNEOの特徴

コロニアルNEOには、たくさんの特徴があります。そこでここではコロニアルNEOの特徴について解説します。

コロニアルNEOの特徴は、以下のとおりです。

  • 軽量で耐震性に優れている
  • 遮熱性・断熱性に優れている
  • カラーバリエーションが豊富
  • 塗装が容易である
  • 比較的安価である

それでは、ひとつずつ特徴を見ていきましょう。

【特徴1】軽量で耐震性に優れている

コロニアルNEOは、従来のアスベストスレート屋根材よりも約30%軽量です。そのため、地震による建物の揺れを抑え、耐震性の高い住まいを実現します。

具体的には、自重が重いコンクリート瓦葺き屋根と比べて、コロニアルNEO葺き屋根の場合は、地震時の建物の揺れが約半分になると言われています。特に、地震の多い地域にお住まいの方や耐震性を重視する方にとって、非常に魅力的な特徴と言えるでしょう。

【特徴2】遮熱性・断熱性に優れている

コロニアルNEOの表面には遮熱塗料が施されており、夏場の室内温度上昇を抑え、冬場の暖房効率を向上できます。また、このような遮熱効果により、冷暖房費の節約にもつながります。

さらに断熱材と組み合わせることで、さらなる効果が期待できます。断熱材との組み合わせにより、夏は涼しく冬は暖かい、快適な室内環境を実現できます。

【特徴3】カラーバリエーションが豊富

コロニアルNEOには約20種類のカラーバリエーションがあるため、住宅の外観に合わせて好きな色を選ぶことができます。外壁や周辺にある建物の雰囲気と調和する色を選ぶことで、おしゃれな外観を実現できるでしょう。

特に、個性的な外観を好む方や、周囲の建物との調和を重視する方にとって、魅力的な特徴といえます。

【特徴4】塗装が容易である

コロニアルNEOは屋根材の表面が塗装しやすい素材でできているので、定期的に塗装することで美観を保つことができます。

このようにコロニアルNEOは塗装が容易なため、メンテナンスの際に工数や費用削減も期待できます。

【特徴5】比較的安価である

コロニアルNEOは、ほかの屋根材と比べて安価で購入することができます。当時は、そのコストパフォーマンスの高さから、多くの住宅で採用されました。

例えば、屋根の葺き替えを検討する際、コロニアルNEOはコンクリート瓦葺きに比べて、半額程度で施工が可能です。このように、コロニアルNEOは初期費用を抑えたい方や予算内で最適な屋根材を選びたい方にとって、魅力的な特徴を持っています。

コロニアルNEOの問題点

注意

コロニアルNEOは軽量で安価な屋根材として人気がありましたが、実は多くの問題点も抱えています。特に近年では、築10年をこえたコロニアルNEOの劣化が目立ち始め、雨漏りなどの被害が発生するケースが増加しています。そこでここではコロニアルNEOの問題点について解説します。

コロニアルNEOの問題点は、以下のとおりです。

  • アスベストを含有している
  • 経年劣化による損傷が見られる
  • 塗装の耐久性が低い
  • 既に製造が終了している

それでは順番に問題点を見ていきましょう。

【問題点1】アスベストを含有している

コロニアルNEOは、2001年から2008年頃にかけて販売されたノンアスベストのスレート屋根材です。しかし、製造時期によっては微量のアスベストが含まれている場合があります。

アスベストは、吸入すると肺がんや中皮腫などの健康被害を引き起こおそれがあるため、コロニアルNEOのメンテナンス時には特に注意しなければなりません。

なお、アスベスト含有の可能性があるコロニアルNEOは、以下のとおりです。

  • 2005年以前の製造
  • 表面に「AC」や「NO ASBESTOS」などの表示がない

【問題点2】経年劣化による損傷が見られる

コロニアルNEOは、経年劣化によって以下の損傷が発生しやすい屋根材です。

  • ひび割れ:経年劣化や外気温の変化によって、表面にひび割れが発生します。
  • 欠け:強風や飛来物によって、表面が欠けることがあります。
  • 色あせ:紫外線による照射によって、表面の色があせてきます。
  • コケ:雨水や湿気によって、表面にコケが生えることがあります。

なお、これらの経年劣化による損傷は、雨漏りなどの原因となる可能性もあります。

【問題点3】塗装の耐久性が低い

コロニアルNEOは、塗装の耐久性が低いという問題点もあります。使用する塗料や建物の立地条件などにもよりますが、5〜10年程度で塗装に剥がれが生じるため定期的な塗り替えが必要です。

塗装に剥がれが生じると、以下のようなデメリットがあります。

  • 美観が損なわれる
  • 雨水が浸透しやすくなり、雨漏りの原因となる

このようなリスクを回避するためにも、前倒しのメンテナンス計画を立てましょう。

【問題点4】既に製造が終了している

コロニアルNEOは、2008年に製造が終了しています。

既に製造が終了していることで起こりうる問題として、以下のことが考えられます。

  • 補修部品の入手が困難
  • 修理コストが高額になる

補修部品が廃盤になっている場合には、部分的な補修ができずに屋根の葺き替えをしなければなりません。屋根の葺き替えは費用が高額になるため、その点にも注意しましょう。

コロニアルNEOのメンテナンス方法

ポイント

コロニアルNEOは、既に製造が終了しているだけでなく、アスベスト含有などの問題点があるため、適切なメンテナンス方法を選択しなければなりません。そこでここでは、コロニアルNEOのメンテナンス方法について解説します。

コロニアルNEOのメンテナンス方法は、以下のとおりです。

  1. 専門業者による定期的な点検
  2. 損傷箇所の補修
  3. アスベストを含まない屋根材への葺き替え

それではひとつずつ解説していきます。

【1】専門業者による定期的な点検

コロニアルNEOにはさまざまな問題点があるため、5〜10年を目安に専門業者による定期的な点検を実施しましょう。

コロニアルNEOを実施する頻度は、以下のとおりです。

  • 新築の場合は5年目
  • 築5年以降は2~3年ごと

また、コロニアルNEOの点検でチェックしたい項目は、以下のとおりです。

  • ひび割れ
  • 欠け
  • 色あせ
  • コケ
  • 雨漏りの形跡
  • アスベスト含有の有無

なお、このような専門業者によるコロニアルNEOの点検には数万円前後の費用がかかるため、その点も注意しましょう。

【2】損傷箇所の補修

専門業者による点検でコロニアルNEOに損傷が見られる場合には、適切な補修がかかせません。

コロニアルNEOにおける適切な補修方法は、損傷具合や建物の築年数などによって大きく異なります。

コロニアルNEOの代表的な補修方法は、以下のとおりです。

  • コーキング:ひび割れや欠けをコーキングで補修する
  • 部分的なコロニアルNEOの交換:コロニアルNEOが手配できる場合は、部分的に屋根材を交換する
  • 部分塗装:コロニアルNEOの表面を塗装し、美観を回復する

なお、コロニアルNEOの補修は高所作業で危険がともなうため、かならず専門業者に依頼しましょう。

【3】アスベストを含まない屋根材への葺き替え

さまざまな理由で部分的な補修ができない場合には、アスベストを含まない屋根材への葺き替えを検討しましょう。

アスベストを含まない屋根材への葺き替えを検討すべきケースは、以下のとおりです。

  • コロニアルNEOにアスベストの含有を確認した
  • 経年劣化による著しい損傷が見られる
  • 補修部品が廃盤で入手できない

なお、屋根の葺き替えは採用する屋根材によってコストが大きく変動します。今後の屋根のメンテナンスや今後の住まい方などを視野に入れて、適切な屋根材を選択しましょう。

コロニアルNEOのメンテナンスにかかる費用相場

コスト

コロニアルNEOのメンテナンスにかかる費用は、メンテナンス方法によって大きく異なります。余裕を持って資金計画を行うためには、あらかじめ費用相場を把握しておくことがポイントです。そこでここでは、コロニアルNEOのメンテナンスにかかる費用相場をメンテナンス方法ごとに解説します。

コロニアルNEOのメンテナンスにかかる費用相場は、以下のとおりです。

メンテナンス方法 費用相場
専門業者による点検 1〜3万円
損傷箇所の補修 1〜15万円
アスベストを含まない屋根材への葺き替え 100〜200万円

なお、メンテナンスの条件によっては、これらのほかに仮設足場の費用が必要になる場合があります。仮設足場は、建物の大きさや立地条件などによって大きく異なるため、ゆとりを持った資金計画を心がけましょう。

コロニアルNEOのメンテナンス費用を抑えるポイント

これまで見てきたとおり、コロニアルNEOのメンテナンス費用は高額になる傾向があります。しかし、メンテナンス費用は少しでも抑えたいもの。そこでここでは、コロニアルNEOのメンテナンス費用を抑えるポイントについて解説します。

コロニアルNEOのメンテナンス費用を抑えるポイントは、以下のとおりです。

  • 複数の業者から見積もりをとる
  • 早期のメンテナンスを心がける
  • 補助金・助成金を活用する
  • 業者選びにこだわる

それでは、ひとつずつ簡単に解説していきます。

【ポイント1】複数の業者から見積をとる

コロニアルNEOのメンテナンス費用は、業者によって大きく異なる場合があります。そのため、メンテナンス費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取ることが欠かせません。

なお、複数の業者から見積もりを取る際は、以下の点に注意しましょう。

  • 内容を比較する:点検項目、補修内容、葺き替え費用などを比較する
  • 不明点は質問する:分からないことがあれば、遠慮なく質問する
  • 口コミや評判を確認する:過去の施工実績や顧客満足度などを確認する

【ポイント2】早期のメンテナンスを心がける

コロニアルNEOは、経年劣化によって比較的損傷しやすい屋根材です。そのため、損傷が軽微なうちにメンテナンスを施せば、費用の抑制につながります。

なお、コロニアルNEOの早期メンテナンスを心がけるには、以下の点を意識しましょう。

  • 定期的な点検の実施:専門業者による定期的な点検を受け、損傷箇所の早期発見に努める
  • 軽微な損傷の早期補修:ひび割れや欠けなどの軽微な損傷は、早めに補修する
  • 適切なタイミングの塗り替え:塗り替えは、5~10年程度を目安に実施する

【ポイント3】補助金・助成金を活用する

コロニアルNEOのメンテナンスには、国や地方自治体の補助金や助成金が活用できるケースがあります。あらかじめこれらの制度を頭に入れておけば、メンテナンス費用を大きく抑えることができるでしょう。

なお、補助金・助成金の制度は各地方自治体や年代によって異なるため、お住まいの地方自治体のホームページなどで確認が必要です。

【ポイント4】業者選びにこだわる

コロニアルNEOのメンテナンス費用を抑えるには、業者選びにこだわるのも選択肢のひとつ。コロニアルNEOのメンテナンスを行う業者は数多く存在し、業者によってメンテナンス費用は大きく異なります。

しかし、メンテナンス費用の安い業者が満足のいく施工をしてくれるとはかぎらないため、自分にあった業者を慎重に選びましょう。

コロニアルNEOにおける修理業者の選び方

コロニアルNEOは問題点を抱える屋根材のため、後悔しないためにも修理業者は慎重に選ばなければなりません。そこでここでは、コロニアルNEOにおける修理業者の選び方について解説します。

コロニアルNEOにおける修理業者の選び方は、以下のとおりです。

  • コロニアルNEOの正しい知識があるかを確認する
  • 悪徳業者に注意する
  • ユーザーの口コミ・評判を確認する
  • 資格保有の有無を確認する
  • 工事の保証内容を確認する

それでは、順番に解説していきます。

【1】コロニアルNEOの正しい知識があるかを確認する

コロニアルNEOのメンテナンスは、コロニアルNEOの正しい知識がある修理業者に依頼しましょう。

具体的な判断基準としては、コロニアルNEOに関する以下のような知識を持っていることが挙げられます。

  • コロニアルNEOの構造や材質
  • コロニアルNEOの経年劣化による損傷の種類
  • コロニアルNEOのアスベスト含有に関する知識
  • コロニアルNEOの適切なメンテナンス方法

このようなコロニアルNEOに関する正しい知識を持っている業者であれば、正確な診断や適切なメンテナンスが期待できるでしょう。

【2】悪徳業者に注意する

コロニアルNEOにおける業者選びでは、悪徳業者に注意する必要があります。悪徳業者にひっかからないためには、あらかじめ悪徳業者の特徴を把握することが大切です。

悪徳業者は、以下のような特徴があります。

  • 高額な費用を請求する:必要以上に高い見積もりを提示し、高額な費用を請求する
  • 不必要な工事を勧める:実際に必要のない工事をすすめ、費用を吊り上げる
  • 無資格の職人が施工する:必要な資格を持っていない職人が施工し、トラブルを引き起こす
  • アフターフォローが不十分:施工後のトラブルに対応せず、責任逃れをする

【3】ユーザーの口コミ・評判を確認する

コロニアルNEOにおける業者選びでは、ユーザーの口コミや評判を確認することも欠かせません。インターネットの口コミサイトや、修理業者を紹介するサイトなどを活用し、過去の施工実績や顧客満足度などを確認しましょう。

なお、ユーザーの口コミや評判を確認する際のポイントは、以下のとおりです。

  • 複数のサイトを確認する
  • 良い口コミだけでなく、悪い口コミも参考にする
  • 口コミの内容をよく読む

【4】資格保有の有無を確認する

コロニアルNEOのメンテナンスには、専門的な知識と技術が必要です。信頼できる業者にメンテナンスを依頼するためにも、資格保有の有無を確認しましょう。

なお、コロニアルNEOのメンテナンスで抑えておきたい主な資格は、以下のとおりです。

  • 建築施工管理技士
  • 屋根施工技能士
  • アスベスト除去作業主任者

資格保有の有無を確認するためには、業者のホームページや見積もりの確認が必須。これらに資格の記載がない場合には、担当者に直接問い合わせましょう。

【5】工事の保証内容を確認する

コロニアルNEOの修理には、保証が提供される場合があります。このようなコロニアルNEOのメンテナンスに対する保証内容は業者によって異なるため、事前に確認することが重要です。

なお、保証内容を確認する際に抑えておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • 保証期間:保証期間がどのくらいなのかを確認する
  • 保証内容:保証対象となる内容を確認する
  • 免責事項:保証対象とならない内容を確認する
  • アフターフォロー:保証期間内にトラブルが発生した場合の対応を確認する

コロニアルNEOのメンテナンスは専門業者に依頼しよう

今回は、コロニアルNEOの特徴や問題点、メンテナンス方法などについてくわしく解説しました。

コロニアルNEOとは、2001年から2008年頃にかけてクボタ(現KMEW)から販売されていたノンアスベストスレート屋根材のこと。すでに廃盤となっており、アスベストを含んでいるケースもあるため、メンテナンスを検討する際はコロニアルNEOの正しい知識を持った信頼できる業者選びが欠かせません。

なお、コロニアルNEOの業者選びなら「屋根修理の匠」を活用するのがおすすめです。

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