瓦屋根には漆喰補修が必須!費用相場や補修内容を解説

自宅が瓦屋根の場合、定期的な漆喰の補修が必要なことをご存じでしょうか。
適切なタイミングで屋根の漆喰をメンテナンスすることで、より安心できる住まいを実現できます。
そこで今回は、瓦屋根における漆喰補修の内容や費用について解説していきます。
この記事を読めば、瓦屋根の漆喰補修について必要な情報がすべて理解できるはずです。
瓦屋根のメンテナンスが来ている方や、台風などの自然災害に備えたい方には特におすすめの内容となっています。

屋根漆喰の役割

屋根漆喰は棟瓦と面戸の隙間に施工されており、瓦屋根において重要な役割を担っています。
屋根漆喰の役割は、主に以下の3つです。

・屋根内部への雨水の浸入を防ぐ
・屋根内部の断熱や換気
・屋根の美観を保つ

このように屋根漆喰には多くの役割がありますが、漆喰は徐々に経年劣化し補修が必要になるため、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。

屋根漆喰における初期の劣化症状

瓦屋根の漆喰は、気象条件が厳しいためほかの部位の漆喰に比べて劣化が早い傾向にあります。
瓦屋根を健康に保つためには、初期の段階で劣化の症状に気付きメンテナンスすることが大切です。
屋根漆喰における初期の劣化症状には、以下のようなものがあります。

・屋根漆喰のひび割れ
・屋根漆喰の欠けや剥がれ
・棟瓦のズレやゆがみ

ひとつずつ簡単に解説していきます。

屋根漆喰のひび割れ

屋根漆喰のひび割れは、極端な温度や気象条件などの環境要因によって引き起こされることがあります。
屋根漆喰におけるひび割れの主な原因には、以下のようなことが考えられます。

・地盤や建物の揺れ
・漆喰が薄い
・塗り方が不適切

なお、漆喰の耐用年数は、7〜10年と言われています。
このような漆喰のひび割れを放置すると、症状が拡大してしまうため、早急に補修するようにしましょう。

屋根漆喰の欠けや剥がれ

屋根漆喰のひび割れが進行すると、屋根漆喰に欠けや剥がれといった症状が見られるようになります。
屋根漆喰における欠けや剥がれなどの主な原因には、以下のようなことが考えられます。

・経年劣化
・施工不良
・漆喰の混合不良

屋根漆喰にこのような欠けや剥がれなどの症状が見られると、雨水などが浸入により屋根内部の劣化や室内への雨漏りが心配されます。
そのため、屋根漆喰の欠けや剥がれを見つけた際には、より大きなダメージにつながる前に補修することが大切です。

棟瓦のズレやゆがみ

屋根漆喰の劣化によって、棟瓦のズレやゆがみを招く可能性もあります。
棟瓦におけるズレやゆがみの主な原因には、以下のようなことが考えられます。

・経年劣化
・排水不良
・巨大地震などの大きな揺れ
・地盤沈下

棟瓦におけるズレやゆがみを放置することは、屋根瓦が落下する可能性もあるため非常に危険です。
特に、大きめの地震や台風などの自然災害が発生した後には、屋根点検の実施を心がけましょう。

屋根漆喰の劣化が進行した際に見られる症状

適切なタイミングで屋根漆喰をメンテナンスするためには、屋根漆喰における劣化の症状について正しい知識を持つことが重要になります。
そこでここでは、屋根漆喰の劣化が進行した際に見られる症状について確認していきましょう。
屋根漆喰の劣化が進行した際に見られる症状は、以下の3つです。

・棟瓦の台土が抜け落ちる
・棟瓦の落下
・室内への雨漏り

ひとつずつ解説していきます。

棟瓦の台土が抜け落ちる

棟瓦から大量の土が抜け落ちている場合には、屋根漆喰の劣化が疑われます。
棟瓦から大量の土が失われてしまうと、屋根の強度が弱くなってしまう恐れがあります。
なお、棟瓦における台土の耐用年数は、20年前後と言われています。
このような劣化の症状を未然に防ぐためにも、緩んだ粒子はないか、他の部分より棟が高くなっていないかなどを定期的にチェックするようにしましょう。

棟瓦の落下

屋根漆喰の劣化が進行すると、棟瓦がズレて落下する恐れがあります。
このように、棟瓦のズレや落下は屋根の安定性に影響し、住まいが危険にさらされる可能性があるため、
早期発見が欠かせません。
棟瓦のズレや落下を発見したら、屋根の専門業者に連絡して漆喰を診断してもらい、早急に補修することが必要です。

室内への雨漏り

屋根漆喰の劣化が著しく進行した際には、室内に雨漏りの症状が見られるようになります。
室内の雨漏りは、漆喰の劣化を示す重要なポイントです。
屋根漆喰の劣化による室内への雨漏りは、建物を弱体化させるだけでなく、カビの発生による健康被害や不快な住環境をもたらします。
また、雨漏りを放置すればするほど補修に費用がかかってしまうため、雨漏りに気づいたらすぐに専門業者に連絡し、屋根漆喰の点検・補修を依頼しましょう。

屋根漆喰の補修方法

屋根漆喰の補修方法は、漆喰の劣化状況だけでなく、棟瓦や室内の被害状況を踏まえて検討する必要があります。
屋根漆喰の補修方法は、主に以下の2つに分かれます。

・漆喰の詰め直し
・棟瓦の積み替え(積み直し)

個々に補修方法を確認していきましょう。

漆喰の詰め直し

漆喰の補修方法として最も一般的かつ効率的なのが「漆喰の詰め直し」です。
漆喰の詰め直しは、屋根漆喰にひび割れや欠けといった初期の劣化症状が見られる場合に実施する補修方法です。
漆喰の詰め直しの具体的な流れは、以下のとおりです。

1. 劣化が見られる屋根漆喰を取り除く(剥がす)
2. 取り除いた部分を洗浄する
3. 新しい漆喰で再塗装する

なお、思いのほか漆喰の劣化が進行している場合には、後述する棟瓦の積み直しも検討しましょう。

棟瓦の積み替え(積み直し)

屋根漆喰の劣化によって棟瓦にズレやゆがみが見られる場合には、棟瓦の積み替え(積み直し)が必要です。
漆喰の詰め直しの具体的な流れは、以下のとおりです。

1. 既存の棟瓦を丁寧に取り外す
2. 棟瓦内部にある漆喰や土を撤去する
3. 木材を入れて、新しい棟瓦を取り付ける

なお、誤った方法で棟瓦の積み替え(積み直し)をしてしまうと、建物の構造に問題が生じる可能性があるため専門業者への依頼が必要不可欠です。

瓦屋根の漆喰補修にかかる費用の目安

瓦屋根の漆喰を補修する際は、補修に踏み切る前に補修費用をしっかり検討しておく必要があります。
瓦屋根の漆喰補修にかかる費用は、屋根瓦の種類や大きさ、補修範囲などによって大きく異なります。
ここでは、前述した「漆喰の詰め直し」と「棟瓦の積み替え(積み直し)」にかかる費用の目安を確認していきましょう。
それぞれの漆喰補修にかかる費用の目安は、以下のとおりです。

補修内容 漆喰の詰め直し 棟瓦の積み替え(積み直し)
単価(1m) 3,000〜8,000円 8,000〜20,000円
棟が10mの場合 50,000〜150,000円 80,000〜200,000円

なお、上記金額に仮設足場の費用は含まれておりません。
また、仮設足場は建物の大きさに比例するため、その点にも注意しましょう。

屋根の漆喰補修に火災保険が適用となる条件

地震や台風などの自然災害によって屋根の漆喰補修が必要になった場合には、火災保険が適用になるケースがあります。
前述のとおり、屋根の漆喰補修には多額の費用がかかるため、漆喰補修にかかる費用の一部を火災保険で補填できれば大きなメリットになります。
そこでここでは、屋根の漆喰補修で火災保険が適用になるケースと、適用外になるケースをそれぞれ確認していきましょう。

火災保険が適用になるケース

屋根の漆喰補修で火災保険が適用になるケースは、以下のように自然災害が原因の場合に限られます。

・地震
・風災
・雪災
・雹災

巨大地震や台風などの風災はもちろんのこと、豪雪地域にお住まいの方や局地的に降る雹なども適用になる可能性があるので、日頃から気を配るようにしましょう。

火災保険が適用外になるケース

一方、同じような屋根の漆喰補修でも、火災保険が適用外になるケースは以下のとおりです。

・経年劣化が原因
・屋根漆喰の補修における作業上の過失
・屋根漆喰の補修にかかる費用が20万円未満
・屋根漆喰の被害発生から3年以上が経過している

このように、屋根漆喰の経年劣化はもちろん、補修にかかる費用や被害発生からのタイミングによっても火災保険が適用外になるケースがあります。
火災保険を利用する際には、屋根の専門業者と協力して、事前にこれらの確認を忘れないようにしましょう。

屋根の漆喰補修における火災保険の申請手順

今後、屋根の漆喰補修に火災保険を利用することを想定して、火災保険の申請手順を理解しておきましょう。
屋根の漆喰補修における火災保険の申請手順は、以下のとおりです。

1. 保険会社(保険代理店)に連絡し、被害の内容を伝える
2. 保険会社から火災保険の申請書類を郵送してもらう
3. 屋根の修理業者に連絡し、被害状況を確認してもらう
4. 屋根の修理業者から、被害写真と漆喰補修の見積書をもらう
5. 保険会社に火災保険の申請書類と必要書類を提出する
6. 保険会社にて、申請内容の審査及び現地確認
7. 保険会社にて、保険金が確定
8. 保険会社から保険金が入金される

なお、屋根の修理業者と契約締結は、少なくとも保険金が確定してからにしましょう。
また、修理業者によっては、契約の段階で工事費用を一部(または全額)支払う必要があるため、時間が許せば保険金の入金を確認してから修理業者と契約を締結すると安心です。

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【まとめ】屋根の漆喰補修は信頼できる業者に依頼しよう

今回は、瓦屋根における漆喰補修の内容や費用について解説しました。
一般的に、漆喰の耐用年数は7〜10年と言われていますが、気象条件の厳しい瓦屋根の漆喰は他の部位に比べてメンテナンスの時期が早まる傾向にあります。
適切なタイミングで屋根漆喰をメンテナンスしないと、室内への雨漏りが発生するリスクが高まり、建物の構造体や人体への影響が出る可能性も考えられます。
屋根漆喰は、普段の生活で状況確認が困難なため、屋根の専門業者に定期的に点検を依頼するようにしましょう。
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