屋根修理に火災保険を活用した場合に起こりやすいトラブルとは?

火災保険

屋根修理は決して安いものではありません。そのため工事は少しでも費用を抑えたいものです。

補助金や助成金がよく見受けられますが、火災保険も工事費用を抑える手段の一つです。

実は火災保険の申請は、「火災」だけではなく、風災やヒョウにて影響を受けた場合も範囲内です。

その反面、火災保険はお客様と屋根業者間でトラブルも多いです。

このページでは火災保険の概要と、起こりうるトラブルについて解説します。

火災保険取扱い会社

火災保険取扱会社

主な保険会社は下記が挙げられます。多くの方は住宅購入時に入っていますので、

「自分が火災保険に入っていたかわからない・・・」という方は心当たりのある保険会社に問い合わせをしてみましょう。

1 あいおいニッセイ同和損保
2 AIG損保
3 ジェイアイ傷害火災
4 セコム損保
5 損保ジャパン
6 チューリッヒ少額短期保険
7 東京海上日動
8 日新火災
9 三井住友海上
10 楽天損保
11 東京海上ミレア少額短期
12 e-Net少額短期保険

火災保険の適用範囲

火災保険の適用範囲は下記の通りです。

※保険会社や加入プランにより異なる場合がありますので、ご自身の加入プランを確認してください。

1 風災・ヒョウ・雷災
2 火災(地震により生じた火災は除きます。そちらは地震保険が適用されます。)
3 爆発(カセットコンロ取り扱い時など)
4 水災(大雨時の浸水など)
5 物体の落下、飛来(台風により屋根が破損など)
6 騒擾(騒ぎが起きた際の影響)
7 水漏れ(漏水を原因とする場合)

上記の中で、屋根修理によく使用されるものは、

1の「風災・ヒョウ・雷災」、5の「物体の落下、飛来」です。

1の具体例としては、平成30年に大阪府を中心に関西地方にて起きた「台風21号」の際には、火災保険の申請が殺到しました。翌年の令和元年に千葉県を中心に関東地方で起きた「台風15号」も同様な状態となり、火災保険値上げのきっかけになりました。

上記のような大型の台風ではなくても、時折起きている台風ももちろん適用内となります。

5の「物体の落下、飛来」についても、主には台風により、近隣のものが屋根に衝突、破損のパターンが多いです。

火災保険の申請・請求期限

「台風時には気付かなかったけど、2年後に台風の影響による屋根の損傷が発覚した・・・」という方も多くおられますが、火災保険の申請・請求期限は3年間設けられています。

保険法第95条にて「保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、3年間行わないときは、時効によって消滅する」と定められています。

しかし、保険会社によっては細かく請求期限を設けている会社もありますので、ご注意ください。

火災保険の申請方法

火災保険の申請方法は下記の流れです。

火災保険会社に火災保険を申請した旨を連絡

火災保険会社から申請書類が郵送される

申請書と、屋根工事の見積書・現場の写真を送付

保険会社が審査
(この際に、金額大きいと稀に保険会社の社員が現場を見に来ます)

保険会社が金額をお客様に報告とお振込み

工事開始

屋根修理の匠の登録業者の多くが、火災保険の申請フォローに慣れていますので、現場調査の際にご相談ください。

見積書はもちろん、現場調査の際に屋根に上るため、その際に破損箇所の写真を撮ってくれます。(親切な業者は現像までしてくれます)

火災保険で起きるトラブル

それでは本題の火災保険で起きるトラブルについて解説します。

[トラブルのパターン1] 申請結果発表前に工事開始

このパターンの具体例は下記の通りです。

お客様は火災保険に加入。
屋根修理業者に現場調査を依頼し、お見積り金額は200万円。
台風により火災保険が通ることは間違いないと考え、保険申請の結果が返ってくる前に屋根修理業者に工事を依頼。(梅雨時期で雨漏りが起きていたため急いでいた)
足場を組み終えた頃に、保険会社からの結果はなんと50万円。理由としては、台風による破損部分は50万円しか該当しないとのこと。
しかし屋根修理業者は70万円規模工事の材料も仕入れており、工事も始まっています。

結局150万円は自己負担になってしまいました。

初めから50万円とわかっていれば、部分修理だけで済むトラブルのパターンでした。

(このトラブルを未然に防ぐために)

火災保険を活用して屋根工事を行う場合は、申請結果が正式に出てから屋根修理業者に依頼しましょう。

適用の範囲は完全に保険会社側が決定するため、思ってたより金額がおりなかった、という話はよくあります。

 

[トラブルのパターン2] 屋根修理業者に申請をサポートをしたもらったけど工事を依頼しない

このパターンの具体例は下記の通りです。

お客様は火災保険に加入。
台風による物体の飛来により、屋根と外壁が破損をしてしまったため、火災保険に申請。
破損箇所も多く、何度か屋根修理業者に来てもらい、各所しっかりとチェックを行ってもらいました。
屋根修理業者も非常に親切で、雨漏りの点検なども行ってくださり、書類作成も業者が申請サポートに慣れているためお任せしました。
そして無事保険会社から500万円程度の適用結果が返ってきました。
そこでお客様は商売を営んでおり、そのお金を工事の依頼ではなく、商売の運転資金に回してしまいました。
口約束にて、火災保険申請後は工事を依頼する。との話だったようで、結局屋根修理業者は多大な時間を使ったにも関わらず、お客様との連絡が途絶えてしまったそうです。
「火災保険の申請サポートを依頼すれば、必ず工事を依頼しなければならない」という法律はないため、屋根修理業者にも落ち度があったと言えますが、モラルの問題からトラブルになったかといえます。

またお客様にとっても、このことが保険会社の耳に入ると今後の火災保険申請、保険加入は難しくなります。

(このトラブルを未然に防ぐために)

屋根修理業者側にも問題はありますが、お客様も「火災保険の申請サポートはして欲しいが、工事を依頼するかは決めていないけど可能か?その分申請の手数料は払います。」など、

双方が納得してから話を進めるのが良い方法です。

[トラブルのパターン3] 火災保険申請代行会社に依頼して摘発された

昨今、「火災保険申請代行会社」が多く存在しています。

結論グレーソーンのビジネスモデルです。内容としては「保険会社を騙せるような見積書を作成(経年劣化の箇所を昨今の台風のせい、ということに)して、多額の保険金額をおろしましょう。そして騙せたら30%の手数料をください」というものです。

もちろんこのようなことは本来の火災保険のサービスに適した利用方法ではありませんので、保険会社も目を光らせており、もしバレた場合は訴訟や詐欺などに該当します。

(このトラブルを未然に防ぐために)

このような業者からの勧誘はきっぱり断りましょう。火災保険の申請はそもそも複雑なものではありません。

[トラブルのパターン4] 保険会社申請用の見積書を作成して摘発された

このパターンの具体例は下記の通りです。

屋根修理業者が「実際の工事に掛かる見積書」とは別に、「保険会社にわざと見積金額を上げた見積書」を作成し、お客様に提出させます。
例えば実際の工事金額が100万円の場合、保険会社には200万円掛かると申請するイメージです。
仮に申請の全額が保険会社からお支払われるとなれば、100万円が浮きます。これを屋根修理業者とお客様で折半する等のことが実際に起きています。
大型台風の際は、保険会社も一件一件見回ることができずに、このようなことが多発しました。
保険会社も色々な対策をしているため、はこのようなことは起きにくいですが、非常によくあるトラブルというか詐欺の手法です。

(このトラブルを未然に防ぐために)

悪徳屋根修理業者からこのようなことを言われてもきっぱりと断りましょう。家とは長いお付き合いですので、本当に台風があった際に、本当に必要な金額がおりるように火災保険を活用しましょう。

以上が火災保険で起こりやすいトラブルです。
火災保険は月の金額も安く、適正に活用すればとても助かる保険です。
大切な家のためにも目先の欲に囚われず、正しいやり方で火災保険を活用しましょう。

 

注意点

稀に「火災保険の期限が知らない間に切れていた」というお客様がおられます。

しっかり期限も把握しておくことが重要です。

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