屋根材「MSタフワイド」の特徴は?メリット・デメリットや費用相場などを解説

タフワイド
(出典:月星商事公式サイト

近年、建築業界の技術革新により建物の長寿命化が進み、屋根の大がかりなリフォームをする回数は少なくなりました。だからこそ屋根の葺き替えなどを検討する際には、建物や住まい方に合った屋根材を選ぶことが欠かせません。屋根材選びで後悔しないためには、少しでも多くの屋根材を知ることがポイントです。

そこで今回は「MSタフワイド」という屋根材の特徴やメリット・デメリット、費用相場などについて解説します。この記事を最後まで読んで、MSタフワイドが屋根材選びの候補に入るのかどうかを見極めましょう。

MSタフワイドの特徴

「MSタフワイド」とは、月星商事株式会社が製造・販売しているガルバリウム鋼板でできた屋根材のことをいいます。屋根材の寸法が大きいのが特徴で、たった4枚で1坪をカバーするため運搬が容易で施工も簡単です。

また見た目もスマートでカラーバリエーションも豊富なので、新築だけでなく屋根の葺き替えに代表される屋根リフォームにおいても建物の意匠性向上が期待できるでしょう。

MSタフワイドを屋根材に採用するメリット

メリット

MSタフワイドを屋根材に採用することには、たくさんのメリットがあります。そこでここではMSタフワイドを屋根材に採用するメリットについて、もう少しこまかく見ていきましょう。MSタフワイドを屋根材に採用するメリットは、以下のとおりです。

  • 新築や屋根のリフォームに最適
  • 軽量なのでカバー工法にも対応
  • 施工が簡単
  • 熱反射性が高い
  • 防汚性に優れている
  • 耐食性に優れている
  • カラーバリエーションが豊富

それではひとつずつ解説します。

【メリット1】新築や屋根のリフォームに最適

近年、地震リスクの高まりや、高齢化社会に伴うリフォーム需要の増加により、軽量で耐震性に優れ、かつメンテナンスの手間が少ない屋根材への注目が高まっています。MSタフワイドは、従来の瓦屋根と比べて約1/10の軽量設計でありながら耐震性に優れているため、新築や屋根のリフォームに最適な選択肢のひとつと言えるでしょう。

なお、新築とリフォームでそれぞれ以下のようなメリットが考えられます。

新築の場合

  • 軽量なので、建物の構造設計をより自由に行うことができ、デザインの幅が広がります
  • 耐震性に優れているため建物における地震のリスクを軽減し、住まいの安全性が向上します

リフォームの場合

  • 既存の屋根材の上から施工できるカバー工法にも対応しており、葺き替え工事よりも費用を抑え、工期を短縮することができます
  • 軽量設計なので、建物に対する重量の負担を最小限に抑えられます

【メリット2】軽量なのでカバー工法にも対応

従来の瓦屋根は重量があるため、カバー工法による屋根のリフォームでは建物の重量負担が大きくなり、建物の耐震性が低下する可能性がありました。しかしMSタフワイドは、従来の瓦屋根と比べて約1/10の重さで軽量のため、既存の屋根材の上から施工しても建物の重量負担を増加させることなく屋根をリフォームできます。また、このような軽量設計により施工時の作業負担も軽減されるため、安全性の高い施工が期待できるでしょう。

【メリット3】施工が簡単

MSタフワイドは4枚で1坪をカバーできるだけでなく、軽量で加工性に優れているので施工が簡単です。これは工期短縮にもつながるので、結果的にコスト削減にも貢献できます。また施工が簡単であるということは施工業者に対する負担も軽減されるため、質の高い施工が期待できます。

【メリット4】熱反射性が高い

MSタフワイドは、熱反射性の高い塗料を使用しているので夏場の室内温度上昇を抑え、涼しく快適な空間を保つことができます。近年は地球温暖化の影響によって猛暑日数が増加しており、室内温度上昇による熱中症のリスクが高まっています。しかしMSタフワイドは、熱反射性が高い塗料を使用することで室内温度上昇を抑え、熱中症リスクを軽減することができます。

【メリット5】防汚性に優れている

MSタフワイドは、屋根材の表面が滑らかで汚れが付きにくい素材を使用しています。また、雨水で汚れが自然に洗い流されるので、メンテナンスの手間も省けます。従来の瓦屋根は表面がザラザラしているので、汚れが付きやすく定期的なメンテナンスが必要でした。しかしMSタフワイドは、このように防汚性に優れているので、メンテナンスの手間を省くとともに美しい外観を長持ちさせることができます。

【メリット6】耐食性に優れている

MSタフワイドは、高耐候性鋼板を使用しているのでさびにくく長持ちします。建物の屋根は常に風雨にさらされるので、耐食性の高い素材を使用することが重要になります。MSタフワイドは、耐食性に優れているので、長期間にわたって美しい外観を維持することができます。

【メリット7】カラーバリエーションが豊富

MSタフワイドは、豊富なカラーバリエーションの中から自分好みのものや建物に合わせて色を選ぶことができます。MSタフワイドのカラーバリエーションは、全部で7色あります。

  • D152GQ(ダークブラウン)
  • D351GQ(モスグリーン)
  • D451GQ(ネイビーブルー)
  • D551GQ(ブラック)
  • D552GQ(ダークグレー)
  • D818GQ(ギングロ)
  • S81DGL(シルバー)

なお屋根材のカラー選びで迷ったときは、周辺の建物で使用している色を参考にするのも選択肢のひとつです。

MSタフワイドを屋根材に採用するデメリット

デメリット

MSタフワイドを屋根材に採用することには、たくさんのメリットがある一方でデメリットもあります。屋根の葺き替えは何度もできるものではないため、あらかじめこれらのデメリットもしっかり理解しておく必要があります。そこでここでは、MSタフワイドを屋根材に採用するデメリットについて解説します。MSタフワイドを屋根材に採用するデメリットは、以下のとおりです。

  • 断熱性が低い
  • 遮音性が低い
  • 屋根材の表面が変色する
  • コストが高め

それでは、順番に見ていきましょう。

【デメリット1】断熱性が低い

MSタフワイドは金属製の屋根材であるため、断熱性が低いというデメリットがあります。そのため、夏は暑く、冬は寒くなる可能性がことが考えられます。屋根の断熱性を高めるためには、屋根材の下に断熱材を敷いたり、天井に断熱材を施工したりする方法があります。

【デメリット2】遮音性が低い

MSタフワイドは金属製の屋根材であるため、前述の断熱性と同様に遮音性が低いというデメリットがあります。そのため、梅雨時期や台風シーズンなどは室内に雨音などの音が響いてしまうかもしれません。このような遮音性の対策としては、屋根材の下に遮音材を敷いたり、天井に遮音材を施工する方法が挙げられます。

【デメリット3】屋根材の表面が変色する

MSタフワイドは表面に塗装が施されていますが、経年劣化によって塗装が変色する可能性があります。特に建物が好立地の場合には、紫外線によって屋根が変色してしまうかもしれません。このようなMSタフワイドの変色を防ぐためには、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。また、遮熱塗料やフッ素樹脂塗料など耐久性の高い塗料で定期的に屋根を塗装することで、変色を抑制できます。

【デメリット4】コストが高め

MSタフワイドは、一般的な瓦屋根と比べるとコストが高めです。しかしメンテナンスの際に手間が少ないことや、軽量で耐震性に優れていることから、長期的に見ると費用対効果は決して低くありません。

MSタフワイドの費用相場

コスト

MSタフワイドの特徴やメリット・デメリットが理解したできたところで、次はMSタフワイドの費用相場を確認しましょう。ここでは、MSタフワイドの費用相場を製品代と工事費にわけて解説していきます。また施工費については、MSタフワイドの代表的なリフォームである以下の2つにおける費用相場を紹介します。

  • カバー工法
  • 屋根の葺き替え

それでは、順番に見ていきましょう。

MSタフワイドの製品代

MSタフワイドの製品代は、坪単価1万円〜2万円が相場になります。

カバー工法

カバー工法は、既存の屋根材の上からMSタフワイドを施工する方法です。カバー工法は、坪単価15万円〜25万円が費用相場になります。カバー工法は、屋根の葺き替えに比べて費用を抑えることができますが、屋根の形状によっては施工できないケースもあります。

なお、MSタフワイドのカバー工法で費用に影響を与える要素としては、以下のものが挙げられます。

  • 屋根の形状:複雑な形状の屋根は、費用が高くなる
  • 既存の屋根材の種類:アスベスト系屋根材は、撤去費用が発生する
  • 施工面積:面積が広いほど、費用が高くなる

このなかでも既存の屋根材がアスベストを含有している場合は、コスト負担が大きくなるため注意しましょう。

屋根の葺き替え

屋根の葺き替えは既存の屋根材を撤去し、新規屋根材としてMSタフワイドを施工する方法です。屋根の葺き替えは、坪単価30万円〜40万円が費用相場になります。このように屋根の葺き替えにかかる費用は高くなる傾向がありますが、屋根下地の劣化状況を確認できるだけでなく、屋根全体の断熱性や遮音性を向上させることもできます。

なお、MSタフワイドへの葺き替えで費用に影響を与える要素としては、以下のものが挙げられます。

  • 屋根の形状:複雑な形状の屋根は、費用が高くなる
  • 既存の屋根材の種類:アスベスト系屋根材は、撤去費用が発生する
  • 施工面積:面積が広いほど、費用が高くなる
  • 断熱材や遮音材の使用:使用すると、費用が高くなる

このほかにもカバー工法と屋根の葺き替えに共通する要素として、建物の立地条件による仮設足場における費用の変動も視野に入れておきましょう。

MSタフワイドのメンテナンス方法

タフワイド

MSタフワイドへの屋根リフォームを検討する際は、リフォーム後のメンテナンス方法も頭に入れておきましょう。メンテナンス方法をあらかじめ理解していれば、メンテナンスに必要なリフォーム予算を計画的に準備することができます。MSタフワイドのおもなメンテナンス方法は、以下のとおりです。

  • 高圧洗浄
  • 塗り替え
  • カバー工法
  • 葺き替え

それでは、ひとつずつ簡単に解説します。

高圧洗浄

MSタフワイドは、定期的に高圧洗浄を行うことで美しい状態を維持できます。高圧洗浄は、5年に1回の頻度で実施するのが目安。汚れやコケが目立ってきた場合は、早めに高圧洗浄を行いましょう。

なおMSタフワイドの高圧洗浄を行う際は、以下の点に注意が必要です。

  • 高圧洗浄機の使い方を誤ると、屋根材を傷つけてしまう可能性があります
  • 高圧洗浄を行う前に、周辺のものを養生する必要があります
  • 高圧洗浄は、屋根修理の専門業者に依頼することをおすすめします

ちなみに、専門業者であれば高圧洗浄機の適切な使い方を知っているので、安全に作業を進めることができます。また、周辺の養生なども丁寧に行ってくれるので安心です。高圧洗浄には屋根の汚れやコケを落とし美しい状態を維持するのはもちろん、MSタフワイドの防水性や耐久性を向上させる効果も期待できます。

塗り替え

塗り替えは、屋根材の表面に塗膜を形成することで、防水性や耐久性を向上させる方法です。塗り替えは、10年〜15年に1回の頻度でメンテナンスするのが目安。

なおMSタフワイドの塗り替えを行う際は、以下の点に注意が必要です。

  • 塗料の種類や色は、屋根材の種類や状態に合わせて選ぶ必要があります
  • 塗り替えは、屋根塗装の専門業者に依頼することをおすすめします

カバー工法

MSタフワイドのカバー工法は、既存の屋根材の上から新しい屋根材を施工する方法です。既存屋根の形状や重量によっては施工不可になるケースがあるので、事前に必ず建物の構造計算を実施しましょう。

なお、MSタフワイドにおけるカバー工法のメリット・デメリットは以下のとおりです。

MSタフワイドにおけるカバー工法のメリット

  • 費用が安い
  • 工期が短い

MSタフワイドにおけるカバー工法のデメリット

  • 屋根の形状によっては施工できない
  • 屋根の重量が増える

葺き替え

MSタフワイドの葺き替えは、既存の屋根材を撤去して新規屋根材としてMSタフワイドを施工する方法です。費用は高くなる傾向がありますが、屋根全体の断熱性や遮音性を向上させることができます。

なお、MSタフワイドにおける葺き替えのメリット・デメリットは以下のとおりです。

MSタフワイドにおける葺き替えのメリット

  • 断熱性や遮音性を向上させることができる
  • 屋根のデザインを変更することができる

MSタフワイドにおける葺き替えのデメリット

  • 費用が高い
  • 工期が長い

【まとめ】MSタフワイドを検討するなら屋根修理のプロに相談しよう

今回は「MSタフワイド」という屋根材の特徴やメリット・デメリット、費用相場などについて解説します。解説しました。

MSタフワイドとは、月星商事株式会社が製造・販売しているガルバリウム鋼板でできた屋根材のこと。屋根材の寸法が大きいのが特徴で、たった4枚で1坪をカバーできるので運搬が容易で施工も簡単です。

MSタフワイドを屋根材に採用することにはたくさんのメリットがありますが、その一方でデメリットも少なくありません。また、ほかの屋根材に比べてコストも高めに設定されているので、リフォームを検討する際にはプロのアドバイスが必要不可欠。

しかし、知り合いに屋根リフォームのプロがいないという方も少なくないでしょう。そんなあなたにおすすめしたいのが、屋根修理の優良業者が簡単に見つかるサイト「屋根修理の匠」です。

屋根修理の匠では、各都道府県における屋根修理の専門業者を紹介しているので、MSタフワイドについてプロ目線による的確なアドバイスがもらえます。MSタフワイドで屋根リフォームを検討する際には、ぜひ一度屋根修理の匠をチェックしてくださいね。

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