兵庫県の気候に合った屋根材はどれ?屋根のプロが徹底解説

兵庫県

日本列島は南北に広がる地形のため、地域によって気候の特徴がさまざまです。そこで快適な住まいにするためには、それぞれの気候を十分に考慮した住まいづくりが不可欠となり、屋根材選びも例外ではありません。

本記事では地域ごとに異なる屋根材の種類や屋根の形状などを紹介すると共に、兵庫県の気候に合った屋根材を紹介します。

地域によって異なる住まいの屋根

屋根といってもその形状や屋根材には数多くの種類があります。

屋根形状には代表的な三角屋根である切妻屋根や寄棟屋根、スタイリッシュな片流れ屋根、フラットな陸屋根、和風住宅に多く見られる入母屋屋根などがあり、屋根材には粘土瓦やセメント瓦、スレート(コロニアル)、アスファルトシングル、ガルバリウム鋼板・トタン・銅などの金属屋根があります。

そして日本は南北に長い地形のため、屋根も地域ごとにさまざまな特徴を持っています。

屋根が地域によって異なるのには、以下の理由が考えられます。

・日本の北端と南端とでは気候・風土が大きく異なる

・降雪量の多い地域と全く降雪がない地域がある

・毎年台風の直撃を受ける地域がある

・海沿いの地域では塩害の被害を受けることが多い

・山間部の地域では湿気によるカビの浸食を受けやすい

毎年多くの雪が降る北海道や東北地方の屋根には、積雪対策や落雪対策の工夫が施されています。そのため雪下ろしがしやすく軽量な金属製の屋根を多く見かけます。
また、積み重なった雪の重みで建物が潰れてしまわないように、昔の雪国には急勾配の三角屋根が多く見られました。

一方で、毎年大型の台風や暴風による被害が多く発生する沖縄・九州地方では、強風や雨に強い瓦屋根の家が多くなっています。

そして海沿いの地域では、潮風によって屋根材に塩分が付着して腐食させるのを防ぐために、塩害に強い日本瓦やスレート屋根が多く見られます。

さらに山間部では湿気が多くカビによる被害が深刻なので、湿気対策が重要になります。屋根に換気棟を設置するのはその一例といえるでしょう。

このように屋根は住まいの中でも最も過酷な環境にあって非常に傷みやすい部位なので、地域に応じた屋根材を葺くことが求められています。

兵庫県の気候について

兵庫県は本州のほぼ中央に位置し、中央には中国山地という高い山々があって、この山地の北側と南側とでは同じ県内でも気候が大きく異なります。

たとえば北側の日本海側では冬は雪や雨の日が多く、南側の瀬戸内海側では乾燥した日が続きます。このように兵庫県は、本州では青森県、山口県とともに2つの海に面する数少ない県となっています。

気象庁のHPによると、それぞれの地域の気候特性は次のようになります。

北部(日本海岸気候区)

冬季は典型的な日本海岸気候区の特徴を示し、曇りや雪の日が多く、年間降水量の約31%が12~2月にかけて降ります。

また夏季には南よりの風にフェーン現象が加わって、最高気温が37℃以上になることも珍しくありません。

・南東部(瀬戸内気候区)

年間を通して温暖で雨の少ない瀬戸内気候区と、大都市特有の都市気候の特徴が見られます。

雨が少なく湿度が低いため乾燥し、海岸に近いので暑さや寒さも比較的しのぎやすくなっています。

特に冬季は雨が少ないのが特徴ですが、梅雨期には局地的な大雨が降ることがあります。

・南西部(瀬戸内気候区)

兵庫県

南東部と同じ瀬戸内気候区に属し、温暖・少雨が特徴です。

特に冬季は晴天が目立ち、内陸の平野部では放射冷却効果が大きく、夜から早朝の冷え込みが強くなります。

・淡路島(瀬戸内気候区)

淡路島

瀬戸内気候区に属していますが、南部は太平洋に面しているため、暖候期には太平洋岸気候区の特徴も現れます。

年間を通じて温暖・多照・少雨ですが、梅雨期と台風期は太平洋から直接流入する暖湿気流の影響で大雨が降ることがあります。

このように県の南北が2つの異なる海に面していることから、気候も南北で異なることが大きな特徴となっています。

兵庫県の気候に合った屋根材とは?

前述したように兵庫県では、中国山地の北側と南側とで気候が大きく異なるため、おすすめの屋根材も異なります。

そこで北側と南側の2つに分けて、それぞれおすすめの屋根材を紹介します。

・北部(日本海側)

兵庫県の日本海側では、冬にはスキーやスノーボードを楽しめるほどの降雪があります。平地でも50cm以上、山地では1m以上の雪が積もることがある「豪雪地帯」ともいえます。したがって屋根材には雪害対策を施したものが不可欠といえるでしょう。

雪は氷の結晶が集まったものなので、気温が上昇すると溶けていきます。そのため吸水率が低くて雨漏りしにくい屋根材が求められます。

スレート(コロニアル)やセメント瓦などは劣化すると吸水率が高くなってしまいます。また屋根材に浸み込んだ水分が再び凍結してしまうと体積が増えてしまうので、屋根を傷めてしまう原因にもなります。ダメージを受けた屋根材は破損しやすくなる(割れやすくなる)ので、スレート(コロニアル)やセメント瓦などの吸水率が高いものは避けた方が無難でしょう。

さらに積もった雪で屋根の重量が増えると、構造躯体にも悪影響を及ぼします。そのため、軽量な屋根材の方がリスクを軽減できるといえます。

したがって兵庫県北部の家の屋根材には、吸水率が低くて軽量なガルバリウム鋼板が適しているといえます。

ただしガルバリウム鋼板は錆に強いといっても全く錆びないわけではないので、塩害地域などではメンテナンス時期を良く見極めることが大切です。

また鋼板の表面を意匠性の高い石粒でコーティングしたジンカリウム鋼板(自然石粒付き鋼板)であれば吸水性の低さはもちろん、ガルバリウム鋼板よりも耐久性が高くて錆びにくくなります。

その他では、昔ながらの陶器瓦を使った屋根も雪の多い地域では多く見られます。陶器瓦も表面が釉薬でコーティングされているので、非常に吸水率が低い屋根材といえます。ただしその重量がデメリットになるため、屋根に陶器瓦を葺く場合には、建物の構造躯体を強固にする必要があります。

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・南部(瀬戸内海側)

兵庫県南部は温暖で気候が穏やかなので、屋根材を比較的自由に選ぶことができます。

性能を重視するのであれば軽量で耐久性が高いガルバリウム鋼板ジンカリウム鋼板、コストを重視するのであればスレート(コロニアル)、デザイン性を重視するのであればアスファルトシングル、耐久性と伝統を重視するのであれば粘土瓦(陶器瓦、素焼き瓦、いぶし瓦など)などがあります。

ただしそれぞれにデメリットや採用するにあたっての制約(屋根勾配や太陽光パネルの設置の有無、新築かリフォームか等)などがあるので、メリットとデメリットなどを良く理解した上で選択することが大切です。

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まとめ

屋根材にはさまざまな種類がありますが、どんな屋根材にもメリットとデメリットがあり、全てを満たすことができるものはありません。したがってどの屋根材を選ぶのかについては、「何を重視するのか」によって変わります。

そうはいっても、地域ごとの気候や自然災害の発生頻度などを無視するわけにはいきません。地域特性を良く理解した上で屋根材選びをすることが大切です。

本記事では兵庫県の気候や地域特性を紹介しましたので、屋根材選びの参考にしていただければ幸いです。

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