ピッタリの屋根修理の匠は見つかりましたか?
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住まいとそこに住む人たちを雨風や紫外線、気温の変化などから守ってくれる屋根には地域によってさまざまなデザインがあり、屋根材の種類も豊富です。
本記事では「なぜ地域ごとに屋根材の種類が異なるのか」をはじめ、千葉県の気候に合った屋根材を紹介します。
日本列島は北海道から沖縄まで南北に約3,000キロ広がっていて、亜寒帯から温帯、亜熱帯までさまざまな気候帯に属しています。
また海流などの影響で、冬は日本海側では雪や雨の日が多く、太平洋側では晴れの日が多いなど天候の違いが顕著なので、建物の構造や屋根の形状、屋根材の種類にも地域差があります。
たとえば台風の進路になったり梅雨前線が停滞したりすることが多い九州・沖縄地方では、屋根の風水害対策が不可欠になります。
また降雪が多い北海道や東北地方では、積雪を最小限にとどめる工夫を施した屋根や雪下ろしがしやすい屋根が多く見られます。
そして潮風の影響を強く受ける沿岸部では、屋根の塩害対策や強風対策が欠かせません。
このように同じ屋根であっても、地域によってさまざまな対策や工夫を施すことが重要になります。
万が一屋根の形状や屋根材の選定を誤ってしまうと、大切な住まいの寿命を縮めてしまうばかりでなく、雨漏りなどの二次被害を引き起こす原因にもなってしまうので、慎重に屋根の仕様を検討することが求められます。
千葉県は日本列島のほぼ中央に位置し、一部が太平洋に突き出た半島です。
三方を海に囲まれ北は利根川を境に茨城県と接しているため、四方を海と川に囲まれた海洋性の温暖な気候といわれています。
特に南房総沿岸は、沖合を流れる暖流(黒潮)の影響を受けるので、冬でも雪が降ったり霜が降りたりすることはほとんどありません。
しかし細かく見ると、最高気温が30℃を超える日数の年間の平均値は、海の影響を受けやすい沿岸部が17~20日なのに対して、その他の地域では30日、北西部では50日を超えています。
また最低気温が0℃未満の日数の年間の平均値は、沿岸部が6日程度なのに対して海に面していない内陸部では60日を超えています。
このように沿岸部と内陸部とでは大きな違いが見られます。
また降水量についても、北部では年間降水量の平均値が1,400~1,600mm程度であるのに対して、南部では2,000mmを超えるところもあります。
そして一般的に海岸線沿いでは強い風が吹き、特に千葉市を中心とした東京湾内湾と銚子市を中心とした地域は、県下でも強風が吹きやすいといわれています。
さらに2019年9月に千葉市に上陸した台風15号は、関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力(最大瞬間風速57.5m)といわれ、千葉県を中心に甚大な被害を出したことは記憶に新しいところです。
千葉県内では82,000棟を超える住宅に被害が出て、多くの住宅の屋根が損傷しました。現在では屋根にブルーシートが張られた家はほとんど見かけなくなりましたが、復旧には2年ほどかかっています。中には復旧せずに建物ごと解体されてしまった家があることも知っておく必要があるでしょう。
千葉県の住宅の中でも特に沿岸部に建つ住宅の屋根材選びは慎重に行う必要があります。
海に近いほど塩害を受けやすくなり、一般的には海岸から2㎞が塩害地域といわれていますが、台風時には10㎞以上塩分が飛来するといわれ、風向きや風の強さによっては思いもよらぬところでも被害を受けることがあります。
したがって沿岸部では新築住宅であれば粘土瓦や安価なスレート(コロニアル)などがおすすめですが、屋根をカバー工法(重ね葺き)でリフォームするのであれば「ジンカリウム鋼板」の屋根材をおすすめします。
ジンカリウム鋼板は「自然石粒付き鋼板」とも呼ばれ、鉄にメッキを施したものの表面を砂状の自然石でコーティングした屋根材のことをいいます。石粒でコーティングされているので傷が付きにくい上に紫外線やサビにも強く、粘土瓦以外の他の屋根材よりも耐用年数が長いことが特徴です。
代表的な商品には株式会社ディートレーディング社が輸入販売している「ディーズルーフィング」があります。
また、他にはアイジー工業株式会社の「スーパーガルテクト」も塩害対策にはおすすめの屋根材で、海岸からの距離が、500m以上が保証対象となっています。
スーパーガルテクトは錆びにくい金属の「超高耐久ガルバ」を使うことで、メッキ層に含まれるアルミ、亜鉛、マグネシウムの成分がベースとなる鋼板を強力にガードします。
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一方、千葉県内の沿岸部以外に建つ住宅の場合には特定のおすすめ屋根材はありませんが、屋根材にはそれぞれにメリットとデメリットがあるので、それらを良く把握しておくことが大切です。
主な屋根材の特徴は次のようになります。
・粘土瓦(陶器瓦、いぶし瓦、素焼き瓦)
粘土を使った焼き物の屋根材で、耐久性が高く塗り替えの必要はありません。
遮音性、断熱性、耐熱性に優れていますが、他の屋根材よりも重いので耐震性を考慮して構造躯体を強固にする必要があります。
・スレート(コロニアル)
セメント成分に繊維質の材料を混ぜて作られた薄い屋根材です。
国内に最も多く普及していて安価ですが、定期的なメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスコストがかかるのが欠点です。
・ガルバリウム鋼板
粘土瓦の約1/8の軽さ(1㎡あたり5~6㎏)で耐用年数は25年から35年といわれ、耐久性に優れていることから屋根のリフォームによく使われています。
・アスファルトシングル
不燃布やガラス繊維であるグラスファイバーにアスファルトを塗装し、表面には細かな石粒(砂)などを施してアクリル樹脂で固めて仕上げた屋根材です。カバー工法のリフォームにも使われています。
屋根材を選ぶ際には、コスト、耐久性、断熱性、遮音性、意匠性(デザイン)など、何を優先するのかが非常に重要になりますが、どんな屋根材を選んだとしても台風が発生した際などの飛散防止対策を欠かすことはできません。
千葉県に2019年に上陸した台風15号の際には、瓦、スレート、金属等全ての屋根材で飛散被害が発生しましたが、その多くが古い瓦屋根だったといわれています。
古い瓦屋根は棟部に構造的な弱点を抱えているといわれる一方で、スレート屋根の場合には棟部の棟包み板金が飛散してしまうケースが多く、中にはスレート屋根材が釘穴を起点として割れて飛散してしまったケースもあったといいます。
また金属屋根の中には屋根材の全面が吹き飛ばされた事例もあります。
こうしたことからも屋根材の種類に関わらず、釘やビス止めなどの屋根材の固定をしっかりと行うとともに、定期的な点検とメンテナンスを欠かすことはできません。
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ここ数年、大型台風による屋根の飛散被害が数多く発生しています。
そして千葉県においても2019年の台風15号の際には、数多くの住宅の屋根が被害にあっています。
昨今の大型台風による屋根材の飛散被害を考えると、関東地方においても屋根材の選定には十分な配慮をすべきと思われます。
一度大きな被害にあってしまうと復旧するのに2年近くかかってしまうことにもなりかねないので、屋根材を選ぶ際には災害に対しても十分配慮すると共に、手抜き工事などにも注意することが大切です。
本記事の内容が屋根材を選ぶ際に少しでもお役に立てれば幸いです。
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