雪災被害を受けたカーポートは火災保険の対象になる?

雪害

近畿地方を中心に1月下旬降った大雪は、多くの住宅被害をもたらしました。積雪により屋根が傾いたり瓦や板金が落ち、またカーポートが押し潰されたりするなどの被害も多発しています。

そこで今回は、カーポートの雪災被害は火災保険の対象となるのか解説していきます。住宅屋根に関する火災保険の対象内容は、別の記事でご紹介させていただいておりますので、そちらも併せてご参照ください。
また、後半では火災保険を使った修理トラブルの事例注意点も紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

雪災は保証対象に含まれる?

火災保険

雪災による住宅被害が火災保険で保障されるかどうかは、個別の保障内容や契約条件を確認しなければ分かりません。しかし一般的には、普段は大雪に見舞われない地域に建つ住宅でも、雪災は保障対象に入ります。

火災保険がカバーする自然災害は風災水災に分かれており、この風災に、雪災とひょう災が含まれているのです。

調査によると、保険会社側では「風災リスクを除外した契約も可能だが、豪雪地帯以外でも台風や竜巻などのリスクを懸念し、除外するケースは稀だ」との意見も見られました。

しかし、風災などの自然災害リスクを含めて契約すると35年間で70万円かかるケースが、火災リスクだけの契約にすると20万円程度に圧縮できることにより、契約者によっては保険の費用を減らすため、風災リスクを外す人もいます。

20万円未満だと対象外となることも

住宅本体ではなく、カーポートや門が雪で押しつぶされた場合も、基本的に火災保険で補償されます。

通常、門塀や車庫は建物と別に保険をかけるかどうか契約者が選べますが、契約書が門塀や車庫を含めることを前提とした書式のため契約者が意識して外さなければ補償範囲に含めた契約になります。

しかし、ここで注意したいのが損害額です。商品によっては損害額が20万円未満だと保険金が支払われないケースもあります。この場合、カーポートの屋根に穴が空いても、2万〜3万円で補修ができれば補償対象外となるのです。逆に、20万円以上かかれば保険金額を上限に全額補償されます。

免責型だと小額でも補償対象に

一方で、一定の損害額までを自己負担とする「免責型」の火災保険だと、小額でも補償対象となります。例えば、免責額を3万円に設定して契約すれば、3万円を超える損害額が火災保険で支払われるという仕組みです。

現在は各保険会社が多様な商品を販売しておりますが、かつては「住宅火災保険」や「住宅総合保険」と呼ばれる商品が一般的でした。両保険とも風災リスクを含んでいるため雪災による損害も保険会社に請求できます。ただし、免責型はないので20万円未満の損害は対象外となります。

保険金請求に関する住宅修理のトラブル事例

風災による住宅の修繕に火災保険が適用されるということを逆手に取り、「火災保険を使って無料で工事ができます」などと謳い強引に契約にこじつける業者も増えてきました。

そこで、実際にあった火災保険に関する工事のトラブル事例をご紹介いたします。美味しい話に乗せられないよう、起こりうるトラブルについて事前にしっかり学んでおきましょう。

トラブル事例①

火災保険会社の委託を受けて案内してます。雨樋の損傷も補償対象になるので、請求の時効前に点検して修理しませんかという内容で電話がきた。「屋根が●色の平屋のお住まいですよね。」と、いかにも近くの営業所を装っていたが、「そちらではウチがどこの保険会社に入ってるか分かって電話してますか?」と聞き返したらとたんに曖昧な返答をされた。

トラブル事例②

ネットで「保険金請求を行う際に必要な災害での被害状況説明のお手伝いをしています」と書かれたサイトを見つけ、連絡を取った。後日、業者が家に来て「火災保険で外壁、雨樋、ベランダの手すりの修理ができる。申請の手伝いをするが、完全成功報酬型で、保険金が支払われた時にのみ保険金の30%を請求する」という説明を受けて契約をした。その後保険金が100万円下りたので、修理業者に修理を依頼したところ、70万円では修理できないといわれてしまった。

100万円の保険金に対して、30万円の報酬は高額過ぎるのではないか。

トラブル事例③

災害を調査している機関を名乗った電話があり「負担額なく屋根の修理ができる」と言われたので自宅に来てもらった。自宅に来た業者は、「大雪の影響で屋根の樋がずれている。費用は保険会社から出るのであなたの負担はない。保険会社との交渉はすべて業者が行う」と言われたので、負担額がなくできればよいと思い契約書に印鑑を捺した。

書面はすべて業者が持ち帰ったので手元にない。契約書が手元にないうえ「当社で工事をしなかった場合は、保険金の4割を支払ってもらう」と言われており不安だ。解約したい。

以上のような、甘い言葉で誘惑し工事の契約を取り付けようとする怪しい業者によるトラブルの事例が後を断ちません。国民生活センターによると、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの相談件数は2020年度は6,560件、2021年度は5,093件にのぼります。

これらのトラブルの特徴は、

1.解約時に消費者が受け取った保険金の数十%という高額な料金を請求される
2.消費者に修理代金を前払いさせようとしている
3.特定商取引法で義務付けられている書面の不交付や記載事項の不備がある
4.不十分な説明や強引な勧誘などによって消費者が判断する機会を奪われている
5.消費者が申請代行業者から保険会社等にうその理由で保険金を申請するよう、勧められている可能性がある

以上のようにまとめることができます。

保険金をあてにしたうまい話や、早く契約をこじつけようとしてくる業者は最初から信頼をおかず、十分に注意しましょう。

保険金請求トラブルに巻き込まれないためのポイント

保険金請求のトラブルに巻き込まれ後悔をしてしまわないように、以下のポイントを念頭に置いておきましょう。

1.申請代行業者の説明を鵜呑みにせず、必要のない勧誘はきっぱりと断る
2.契約している保険の内容を自分の目で確認したうえで、事実に基づいて保険金を請求する。分からなければ保険会社等に相談する
3.複数の修理業者から見積もりを取り、慎重に判断する
4.修理の着工前に代金を全額前払いすることは避ける
5.訪問販売や電話勧誘販売で契約した場合には、クーリング・オフできる
6.トラブルにあったら、最寄りの消費生活センター等に相談する

まとめ

前半でお伝えした通り、カーポートをはじめ風災による住宅の被害は火災保険を使って修理をすることができます。しかし、商品によっては損害額が20万円未満だと保険金が支払われないケースもあるため、ご自身が加入している保険内容を再度確認してみましょう。

また、近年国民生活センターで多くの相談件数が寄せられているように、住宅修理における保険金関連のトラブルが非常に多く発生しております。前節でお伝えしたトラブルに巻き込まれないためのポイントを踏まえた上で、大切なお住まいを安心してお得に修理してもらいましょう。

一方で、修理を依頼する際は「業者選び」も重要なポイントです。業者選びに失敗してしまうと、高額な修理費用を請求されるほか、修理後に不具合が出た際に対応してもらえないなどのトラブルを招くかもしれません。したがって、業者を選ぶときは見積書を比較したり、口コミや実績を調べたりすることが大切です。屋根修理の匠では、各都道府県の優良屋根修理業者を探せるほか、屋根修理に関する知識を学ぶことが可能です。「業者選びに不安がある」「修理実績が豊富で、なおかつ信頼できる業者に依頼したい」という方はぜひ活用してみてください。

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